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此の広い壁を見て 凄く大きな 絵が描けそうで 何を描こうか 考えるだけで 凄く楽しいんだ 何色 使うかな? 思った通りに出来るかな? 何日掛かるかな? 見た人は何て思うのかな? なんて思うのも 楽しいんだ
本物の花を手に入れた 花の香りを 嗅ぐ事など出来る筈も無いのに 嗅ぐ仕草を真似てみるんだ 僕の深い意識の中に 花の匂いを創り出し 記憶に刷り込む様に 一際の恍惚に浸るのだ 花の絵を 描いていた頃とは違うのだ 花を思い出すだけで 花の香りが ずっと 僕を酔わせ続けるんだ
革袋に詰めたのは 残った君の身体 私は君の血の匂いも 悪臭など気にならないもの 君の臓物を抱いて 私は眠るのだ
高層階の世界など此処には関係無い 巨大な建物の狭間では空も見えぬ 稀に壁しか見えぬ 窓を開け 下を覗き見る者の 頭を引っ張り 此の狭間に落とすのさ 落ちた者を 鍋に入る大きさに ブツ切りにし鍋に入れ 発酵した頃に 食べるようにする そうすると 今度は 悪臭が人を誘うだろ?