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あるイラストからの創作詩

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Twitterで絵を創作題にして書いた詩です 📌Twitterリンク先を貼ってあります
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2023年2月の記事一覧

虚無の地

地位、財産、名誉 此処には関係無い 虚無の地に有るのは 素の自分 俗世で飾りたてた外見は 自身の虚像 現実で虚構を張り 夢で理想を求めてただけ 虚無の地の主は言う 『我の前に傅ける人間共よ!  其の身の内に遺る物は有るのか?  有るのならば魅せてみよ』 と言うのだ

石化

君の心が沈んだ時 力の無い僕は 対した言葉を掛ける事も出来ず 沈黙する事しか 出来なかったのに 僕の心が全てを遮断した時 不快な場で有っても 近くに居ようとしてくれてた 僕が嫌いと言っても 近くに居ようと してくれてたんだ…

砂糖         藤丸

私の身体が 砂糖で出来ていていても 周りのモノ達が 私の事を 甘く無いね  と言うんだ 単刀直入に 言葉を使うからかな 私自身に自覚が無いんだ 私の身体は 元は植物だったのかな 陽と風の中に居たのかな だったら もっと優しくて 甘い言葉を 言えたら良いのに…

日毎に空は      藤丸

日毎に空は だんだんと 紅く濃く染まり だんだんと 世界を燃やし逝く 生命有る者達が 身を寄せ合い 逃げ場の無い世界に涙する 遠くの空色も戻らない 灰になり 粉々に散り逝く景色 我が身が灰となって 消え逝くのは怖いだろうと 幼い子が 此の世界を見ない様に 抱き締める

クリスマスツリー   藤丸

壁に描かれた 去年のツリー 消さずに残していたんだ 今年も 此のツリーで過ごした クリスマの日 見る度に クリスマスの楽しい気分を 思い出すんだ

虚無の地       藤丸

此の地に何も無いんだ 全て幻だった?なんて 虚無の主が怖くて傅くだけ ……怖い? なんだ 身の内に感情が有るよ 記憶も思いも残っていたよ それを僕が魅せていない 声にしていない だけだったんだ 伏せさせた身の内の物なんか 見えるものか! 僕の感情は無くなりはしないんだ

視線         藤丸

酒を飲んでる場合ではないな…と 視線が合った 酔いも醒める様な一時 だから 酒瓶を机に打ち付け 再び、此方を見る様に 大きな音を立てた 私は あなたを正面から見据える あなたに酔った事 酒のせいにさせない

茜色の空と世界の狭間で 藤丸

旅人が足を止めるから 僕も一緒に留まる 深く被ったフードのせいかな? 旅人は周りが見えて無いみたいだ 見てみてよ 燃え尽きて遮るモノが無く 遠く迄、見渡せるよ 見てみてよ 燃え尽きた世界にだって 雪が降っているよ 見てみてよ 世界は思っている以上に広いんだよ

氷の欠片       藤丸

積もり積もった氷の欠片が 僕の身体を作り出してゆく 足先迄、出来るのは あと、どの位かな? 僕等は 此の身が消える迄 氷の欠片を振り撒き 広い冬空を 駆け回るのだ

霧の街        藤丸

砂埃が舞う中 目深に帽子を被り 口元も覆っている為に 進む先の景色が よく見えていない ただ、風が吹けば 薄っすらと 深い霧に包まれた街が見える 夕暮れの色と赤い砂埃で 街も空もオレンジ色だ 風が吹く間は 街に着けるだろう 風が吹かなければ 霧と砂埃の中に迷いそうだ

願い         藤丸

手の中には 僅かばかりのコイン 剥き出しの歯は謳を口ずさみ 心に残るのは願い 身体はカラカラに渇き 水気を失い 皮膚は骨に張り付き 此の身は、石の様に堅い姿に 手の中のコインは 握りしめ過ぎたのか 手に錆ついて張り付いた それでも 私は謳い願うのだ

物語         藤丸

手に取った本の雰囲気や 粗筋を読んで 情景が浮かび 引き込まれてしまったなら 読まずにはいられないのだ そうして 読みたい本と 読み掛けの本が 積み上がっていくばかりだ イサブロウ⤵️

ヒラリ、ヒラリと、舞う様に 明かりへ ヒラリ、ヒラリ、と 死を求め舞い踊る 散り際に魅せる 生命の儚さ 例え、捕まえたとしても籠の中 闇へと還って行くか 死出の旅路か 遺るのは 焼けた身と 焼け焦げた翅と 鱗粉の混ざった灰 遺った物の中に 美しさの欠片を見るのだ

何処にいても 私を探し出せる様に 蟲に私の血を垂らし 味や香りを覚えさせる 手に蟲を這わせると 細い針の様な棘の痛みが 中毒になりそうな痛みだ 蟲の棘が 私の肌を爛れさせ醜く膿んでゆく 膿が拡がり腐敗物の様な匂い 少しずつ 私の身体が壊死して逝く