失敗しても、誰も覚えていない。だから堂々と生きてくれ
君が何か失敗して、恥ずかしい思いをしたとする。
周りから笑われたり、バカにされたように感じるかもしれない。
お父さんだって、むかし、運動会の演目でみんなと違う動きをして、周りから笑われた経験がある。
すごく恥ずかしいし、学校に行きたくないって思ってしまうものだ。
そんな失敗をした時に、思い出してほしいことがある。
失敗した直後は、心が落ち着かないだろうから、一晩寝て朝起きた時にでも思い出してくれ。
それは、人は忘れる生き物だってこと。
どういうことか説明しよう。
簡単な実験だ。
君は1週間前の学校の給食メニューを思い出せるかい?
お母さんが作ってくれた夕飯でもいい。
覚えていたとしたら、お母さんの料理がおいしくって感動したんだろうね。
それは、あとでお母さんに言ってあげよう、また作ってくれるはずだよ。
君は学校の給食だって、夕飯に出てきた料理だって、全部は覚えていられない。
みんなそうだ。
勉強して、習い事をして、好きな音楽やマンガ、いろんな流行を追ってるから、たくさんの情報を詰め込んでいく。
みんなそうやっていろんな情報を、毎日毎日、頭の中に取り入れていく。
そうしてたら、全部は覚えていられないんだ。
覚えていられないから、人はどんどん忘れていく。
とくに、自分のこと以外のことはどんどん忘れていくんだ。
君は自分がした失敗を、みんながずっと覚えていると思うかもしれない。
でも、みんな自分のことに精一杯だから、君の失敗はすぐに忘れられていくんだ。
だから、君は失敗を気にする必要はない。
君が気にしなきゃいけないことは、失敗から学んで、失敗を繰り返さないことだ。
同じ失敗を二度としないように、何が原因だったのか、どうしたらよかったのか、ちゃんと振り返って反省することが大切なんだ。
でも、もし、君の失敗をいつまでも笑う奴がいたとき。
そんな時は「ヒマな寂しいやつだ」って思って相手にしなくていいぞ。
人の失敗を笑っていいのは、失敗をしたその人が笑うことを許したときだ。
失敗したことを、あとで振り返ったとき、「あんなことあったよな」って笑い合う。
自分から笑い話にできるようにしてくれるまで、決して笑ってはいけないんだ。
失敗を笑い話にできる人は、その失敗から学んで、二度と失敗を繰り返さないように成長できた人なんだ。
君も、失敗したとしたら、周りの人は覚えてないから、失敗したことを気にしちゃいけないし、周りの人が失敗したとしても、笑ってはいけないよ。
そして、失敗とちゃんと向き合って、なんで失敗したのか考えて、次はしないように気をつけなきゃいけない。
失敗から学んだ君は、グンと成長できているはずだ。
そして、成長できた君は、こんなことあったよな、って失敗を笑い話にできるし、失敗に感謝できるようになる。
失敗に感謝できる人は、いちいち失敗を気にしたり、失敗を恥ずかしいと思うことはないだろう。
だから、君は失敗したとしても、堂々と生きてくれ。
悪いことをしているんじゃないんだから。