アラサー真っ只中のアニメファン

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2021年秋アニメ 注目タイトル5選

秋アニメの話の前に、少しだけ夏アニメを振り返ります。 個人的に夏アニメで最も面白かったのは『かげきしょうじょ!!』です。特に第8話「薫の夏」は、歌劇というプロの世界と普通の学生が送る青春の狭間で揺れ動く、ひと夏の淡く切ない恋を描いた素晴らしいショートストーリーでした。 そんな夏アニメ筆頭の『かげきしょうじょ!!』よりも秋アニメには面白いタイトルはあるだろうか…という心配を余所に、今年の秋アニメは毎年の例に漏れず豊作ぞろいの予感がしております。 さて、私が視聴を予定してい

    • 『いぬやしき』 ─ 俺が悪役で、じじいがヒーローか

      奥浩哉先生の代表作といえば『GANTZ』が挙げられますが、こちらも大変面白い。 2017年秋放送のスタジオMAPPA制作『いぬやしき』でございます。 主人公は犬屋敷壱郎(いぬやしき いちろう)という人物で、妻と高校生の娘、中学生の息子がいる58歳のサラリーマンです。 会社でも影が薄く、家族からもぞんざいに扱われていた冴えないサラリーマンの壱郎ですが、健康診断で胃ガンが発覚し余命宣告を受けます。 このことを家族に打ち明けられずにいた壱郎は、愛犬と公園を散歩しているところ

      • 『Just Because!』 ─ 止まっていた時間が再び動き出す

        大人になると「恋愛ものの深夜アニメなんかもう観ない」という方々が多いのではないでしょうか。ラッキースケベに始まり、ヒロイン同士の主人公争奪戦に超常現象…脂がギトギトに乗ったコテコテの演出や脚本をこの歳で観るものじゃないというご意見も理解はできます。 そんな方々でも、まるで普通の恋愛ドラマを観るようにスッと馴染めるのが『Just Because!』だと思うのです。 2017年秋に放送された作品で、ジャンルとしてはラブコメというよりも、青春群像劇だと思います。アニメーション制

        • 2021年夏アニメ 勝手に本命予想

          春アニメも終わりを迎え、始まりました2021年夏アニメ。相変わらず異世界なろう系が溢れており、辟易としている今日この頃です。 そんな夏アニメ視聴予定の29作品から、面白くなりそうだと予想したタイトルを5作品ピックアップします。今期どのアニメを見ようかと迷っている方は参考にしていただければ幸いでございます。 1.ぶらどらぶ まずは簡単にあらすじから。 絆播貢(ばんばみつぐ)という高校2年生の少女は献血が趣味ですが、「キメラ型」という特殊な血液型のため需要がありません。そ

        • 2021年秋アニメ 注目タイトル5選

        • 『いぬやしき』 ─ 俺が悪役で、じじいがヒーローか

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          『シン・エヴァンゲリオン劇場版』について(所感)

          公開日から大分経ってしまいましたが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』をようやく観ることが叶いましたので、所感を述べさせていただきます。 『Q』の上映から一切見直さずに映画館へ足を運びましたが、正直一度でも『序』『破』『Q』を観た人はあえて見直す必要はないと思います。 何故なら、これまでのあらすじを冒頭に放映してくれるからです。細かい設定はさておき、シナリオを思い返すには十分なものでした。 今回の『エヴァンゲリオン』でも、これまでのシリーズ同様、難解だったというレビューが

          『シン・エヴァンゲリオン劇場版』について(所感)

          2021年春アニメ 総評・所感

          今期の全体的な印象としては「不作」とまでは言いませんが、盛り上がりに欠けるというか、観ていてストレスを感じる作品が多かったというか…個人的にはそんな印象を持ったクールでした。前クールが良かった分、落差が大きかったように思います。 そんな今期タイトルの中でも面白い!と自信を持って言える作品もありましたので、誠に勝手ながら所感を述べていきたいと思います。 毎話ごとに点数(1〜5点)をつけているのですが、それを各話数で割り、Filmarks形式でその作品の最終評価点とします。評

          2021年春アニメ 総評・所感

          『映画大好きポンポさん』について(所感)

          先日、『映画大好きポンポさん』を観てきました。こんなに良い映画を見たのは久々のような気がしますので、ネタバレなしでご紹介させていただきます。 制作会社はCLAPで、日本国内外で評価が高かった戦争をテーマにした作品『この世界の片隅に』のプロデューサーである松尾亮一郎氏が、MAPPAから独立して立ち上げた会社です。また、『この世界の片隅に』の制作チームもCLAPに移籍しているため、本作が豪華制作陣であることは間違いなしと言えます。 そして、監督は『空の境界「矛盾螺旋」』でも監

          『映画大好きポンポさん』について(所感)

          2021年冬アニメ総評&ランキング(全22タイトル)

          個人の感想にはなりますが、2021年冬アニメの総評をランキング形式で行います。 『五等分の花嫁』や『ゆるキャン△』といった人気続編タイトルが多かった2021年冬ですが、ここ最近1年の中でも豊作と言えるクールだったのではないでしょうか。 【採点方法】 毎話ごとにFilmarks形式で0~5点までの点数を付け、それを全話数で割るという方式です。また、同点の場合は、私個人の采配で「こちらの方が面白かった」と思うタイトルを上位にしております。 それでは、第22位から。 <第2

          2021年冬アニメ総評&ランキング(全22タイトル)

          初速No.1の衝撃 『琴浦さん』

          2013年1月──。 冬アニメの放送が始まるこのシーズン、第1話放送後に話題を掻っ攫った作品。 それが『琴浦さん』でございます。 2013年冬といえば、現在も人気を誇るアイドルアニメ『ラブライブ!』や京アニ制作のご当地商店街アニメ『たまこまーけっと』、エイトビットが誇る登山アニメ『ヤマノススメ』といった人気タイトルの放送が開始したシーズンでした。 そんな人気作品を差し置いて…と思われるかもしれませんが、それほどまでに当時『琴浦さん』第1話がショッキングだったのです。

          初速No.1の衝撃 『琴浦さん』

          フラットに描く『ジョゼと虎と魚たち』

          昨年末から観に行こうと思っていた『ジョゼと虎と魚たち』。 先日ようやく観に行くことができました。 アニメ製作の老舗・ボンズが送る青春恋愛映画でございます。 恋愛が主軸にある本作ですが、「障害」に触れた作品である以上、その描写は重要な役割を担っているのです。 「障害」を扱った作品が陥りがちなのが、いわゆる「感動ポルノ」になってしまうことです。 障害を抱えている事実そのものや障害を抱えた状態で努力する姿を取り上げ、「お涙頂戴」の展開にしてしまう。 しかし、これでは視点が

          フラットに描く『ジョゼと虎と魚たち』

          ラノベ界が誇る社会派ファンタジー『狼と香辛料』

          『灼眼のシャナ(2005)』に『とある魔術の禁書目録(2008)』、そして『ソードアート・オンライン(2012)』といった、数々のアニメ化作品を排出してきた文庫レーベルの「電撃文庫」。 そんな電撃文庫作品の中でも、シナリオ構成やセリフ回しが別格に美しいアニメ化作品は『狼と香辛料(2008)』で間違いないでしょう。 馬車で各地を巡る行商人のクラフト・ロレンスが、豊穣の神を名乗る賢狼の「ホロ」という少女と旅をする物語です。 今回はそんな『狼と香辛料』の見どころをご紹介します。

          ラノベ界が誇る社会派ファンタジー『狼と香辛料』

          『灰羽連盟』~罪と赦しの物語~

          深夜アニメブームの火付け役として『涼宮ハルヒの憂鬱(2006)』の功績が大きいのは言うまでもありません。深夜という誰も見ていないような時間帯で、京都アニメーションが「本気」のアニメを放送したことで、2000年代後半の深夜アニメ界におけるアニメーションクオリティは格段に上がりました。 一方、2000年代前半の深夜アニメはクオリティが劣るのか。作画技術面だけで考えると、確かに劣るのかもしれません。しかし、アニメの良さを測る尺は作画だけではないのです。『ガンスリンガーガール(20

          『灰羽連盟』~罪と赦しの物語~

          『ワンダーエッグ・プライオリティ』における「傷」のカタチ

          卵を割って、セカイを変えろ。 そんなキャッチコピーから始まったアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』。自殺を選んだ少女。そんな少女を生き返らせるため、次々とエッグを割っていく。 ざっくり申し上げますと、「死」というテーマが付きまとう作品でございます。 本作において登場するメインキャラクターは「大戸アイ」「青沼ねいる」「川井リカ」「沢木桃恵」の4人です。 親友にファン、そして妹。 死んでしまった大切な人を生き返らせるため、謎の声に導かれるまま、地下の庭園で「エッグを買

          『ワンダーエッグ・プライオリティ』における「傷」のカタチ

          『進撃の巨人 The Final Season』#60~68 感想

          前回投稿記事で述べたように、『進撃の巨人』をアニメ第1期から追いかけて視聴していた訳ですが、ようやく『進撃の巨人 The Final Season』の最新話まで追いつきましたので、最終章についても少し触れていきたいと思います。普通にネタバレしていきますので、ご承知おきください。 まず、『進撃の巨人 The Final Season』はオープニングからして特異なんですよね。 第3期まではLinked Horizenが主にオープニングを担当していました。第1期オープニング『紅

          『進撃の巨人 The Final Season』#60~68 感想

          アニメーションで観る『進撃の巨人』

          原作で最終巻が出版され、アニメもついに今期で完結を迎える『進撃の巨人』。漫画やアニメ、そして実写化と次々にメディアミックスされた大人気作品ですね。私も4巻が出版された頃からのファンということもあり、『進撃の巨人』に関するメディアには多少なりとも触れてきました。 しかしながら、アニメの方は第2期以降全く視聴していませんでした。というのも、漫画で読んでいるから先の展開を知っているから...というのが大きな要因でした。誰でも一度は思うことではないでしょうか。 まあ、そんな『進撃

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          今期の異端児『怪病医ラムネ』

          2021年冬アニメも放送開始から1カ月が過ぎましたが、診療×怪異アニメの『怪病医ラムネ』が意外にも面白いと思いましたので、今回紹介させていただきます。 診療アニメと申しましても、『ブラック・ジャック』のように医学を用いた治療は全く行いません。 悩みを持つ人の身体に入り込む「怪」という存在。その「怪」が人に憑りつくことで発症する「怪病」を治療するのが、『怪病医ラムネ』です。 その怪病をラムネ医師は「怪具」を用いて治療する、というわけです。 まずはキービジュアルを見てくだ

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