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頭部CT画像の読み方 基礎編 「脳出血は白、脳梗塞は黒」と丸覚えしてません?

こんにちは!TERUです

今日は、国試でも、臨床でも役に立つ、頭部CT画像の読み方で、

最初におさえておきたい基礎の基礎を解説します!

最近は、看護もリハも国試で頭部CTの画像問題が出ていますよね

みなさん、「出血は白、梗塞は黒」なんて丸覚えしてませんか?

丸覚えは、ど忘れしちゃいます、一度はちゃんと理屈で覚えておきましょう!

まず、結論から言います!CT画像は、

「X線が透過しやすい組織(物質)が黒く、しにくい組織(物質)が白く写ります」

頭部CTは、X線を利用して、物質の密度つまり、X 線吸収値(density )の差を断層撮影でみています

画像上、放射線が通る物は黒く描出され、通さない物は白く描出されます、その間が段階的にグレーとなります

胸のレントゲン写真を思い出してください、骨が白く、肺組織は黒く、気胸などで、空気だけの部分はもっと黒く写りますよね?

基本的には同じなんです

CTの場合、CT値といって、高いと白く、低いと黒く、次の様に割り振った数値を設定してあります、

単位は、Hounsfield unit (HU)で、 空気を– 1000 HU、脂肪を-100~0 HU、水が 0 HU、固い骨を+1000 HU としています

脳画像では、一番みたい、脳実質の35HUを中心にして、グレーに描出されるように調節されています

そして、脳梗塞巣は、0~30HU程度、脳出血は、50~80HU程度なんです!

X線が透過しやすい順、つまり数字を小さい順に並べると、

黒から白へ、「空気 → 脂肪 → 水 → 脳梗塞巣 → 脳実質 →出血 → 硬い骨」となります

なので、(脳組織と比べ)出血は密度が高く、白、梗塞は浮腫で水っぽいので、(脳組織と比べ)黒くみえるのです

次に、頭部CT写真のみかたのルールです

断層の切り方は、体軸を輪切りにする、横断面(水平断、体軸断、軸位断とも言います)、縦切りの矢状断面、横切りの冠状断面、前額断がありますが、

先ず、一般的な横断像を読めるようにしましょう

スライド2

知っておくべきは、向かって上がおでこ、下が後頭部、右が患者さんの左側、左が患者さんの右側になることです、絶対に左右を間違わないように!

左右取り違え防止に、これは世界的に統一しています

患者さんがCTの台に寝ている状態を、下(足側)から覗き上げていると考えると分かりやすいです

眼窩中心と、外耳孔とを結ぶ基準線をOM lineと言います

そこから、頭頂に向かって、断面を撮影していきます

スライス厚は施設によって異なります

先ず、代表的な正常の水平断を5枚示します

これを、見慣れてください

スライド1

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

頭蓋底に近い断面から、頭頂方向に断面がへ上がっていくと、頭は丸いので、円が小さくなっていくのが分かりますね

白いところ:丸く白い枠の様に写っているのが、頭蓋骨です、二枚目の真ん中のポチッと白い部分は松果体の石灰化です

最後のスライスで、左右の大脳半球を分けている「仕切り」はやや白いですね、これは大脳鎌で、硬膜です、これも時々石灰化して白い場合があります

黒いところ:「脳室」と、脳の表面の隙間である「脳槽」、脳のシワである「脳溝」は、脳脊髄液という、液体で満たされているので、黒く写ります

グレーのところ:脳の実質をよく見ると、表面の大脳皮質(灰白質)がやや白く、大脳髄質(白質)はやや黒いのが分かります

脳の表面の灰白質は神経細胞の細胞体が集まっており、白質神経繊維が束になっている部分で、これもX線吸収値の違いで白質の方が黒くみえるのです

ここまで読んでみて、いかがですか?

そう! 

解剖学がわかっていないと、画像が読めないことにお気づきでしょうか!!

そして、脳室などの立体的な構造(3D)を、断面(2D)に落とし込めるか?

その逆の、断面→立体に再構築できるか?といった能力が問われます

「苦手っ!」という方、

でも大丈夫です、私も学生の頃はものすごーく苦手でした

画像の識別は、パターン認識なので、たくさんの画像を見て、データをインプットしましょう!

次は、実践編です、乞うご期待

最後まで読んでいただき ありごとうございました


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