「在宅医療」の最新レポートが公開|注目のポイントをわかりやすく解説
はじめに
みなさんこんにちは!
日々、医療介護データに関する情報を発信している まじめな所長 です。
最近のツイートの中から、特に注目のトピックスについてピックアップして解説します。
在宅医療の最新レポートが公開
7/12に「在宅医療」に関する最新のレポートが公開されました。
現在、2024年度診療報酬改定に向けた検討会が行われています。診療報酬改定の内容を議論するにあたっては、まずは現状分析からスタートします。在宅医療の現状をおさらいするために作られた資料が、今回紹介する資料です。
在宅医療に関わる方には必見の資料となっています。
特に印象的だったポイントをご紹介します。
(同日に、「歯科」に関する最新のレポートも公開されていますので、こちらも関係者の方はぜひご覧ください。)
在宅医療の患者数は20年以上増加し続ける
一般に「高齢化が進むため、医療業界は成長していく」と言われていますが、実は、医療業界の中でも、分野によって状況が異なります。
例えば、外来患者数は既に減少局面にある地域が多い状況です。
下図の右側の日本地図を見てください。これは外来患者数が最大となる年を色分けした図です。
多くの地域が赤色になっています。
赤色は「2015年以前に外来患者数のピークを迎えた地域」を表しています。
高齢化にも関わらずに外来患者数が減少しているのは、日本の総人口が減少しているためです。
将来の需要を考えるためには、総人口の減少と、高齢化の進展の両方を踏まえる必要があります。
入院患者数はどうでしょうか。
下図の右側の日本地図を見てみると、色がまばらです。
地域によって、ピークを迎える時期が異なることを示しています。
強いて言えば、水色(2035年に患者数がピークを迎える)の地域が多いです。
では、本題の在宅医療の需要はどうでしょうか。
今回示された資料が下図です。右側の日本地図を見てみると、ほとんどの地域が濃い青の地域となっています。
ほとんどの地域で「2040年以降に患者数がピークを迎える」ことを表しています。
在宅医療の患者数が、これだけ増え続けるのは、利用者の多くが85歳以上の高齢者だからです。
平均寿命が延びていく中で、今後は85歳以上の高齢者は特に増加していきます。高齢者の高齢化が進んだ社会で、必要となるサービスが在宅医療です。
まもなく”地域を代表する”在宅医療機関が決まる
在宅医療の需要増に向けて、各地域で体制整備を進める必要があります。
そこで、今後は、各地域を代表する在宅医療機関を定めることになりました。
「●●市で在宅医療といえば、ここ!」というものが公に設定されるということで、地域内での医療機関のポジショニングに影響を与えることが予想できます。
設定されるのは、第8次医療計画からです。
医療計画は、都道府県ごとに作成している医療提供体制を定めた計画書です。6年ごとに更新しており、来年2024年度が更新年になります。
現在が第7次医療計画であり、来年2024年度から始まる医療計画が第8次となります。
もう間もなく、各地域を代表する在宅医療機関が決定されることになります。
「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」と「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の2種類が設定されます。
在宅医療の普及レベルは地域差が大きい
これから需要が増加していく在宅医療ですが、その普及レベルは地域差が大きく存在します。
人口1000人当たりの在宅患者訪問診療料の算定回数では、北海道・東北・北関東、沖縄で算定回数が少ない傾向にあります。一方で、東京、神奈川、関西、九州では算定回数が多い傾向にあります。
また、いずれの地域でも、在宅患者訪問診療料の算定回数は増加していますが、増加率も地域によって異なります。
地域ごとに差がある在宅医療ですが、今後、需要増加していくことは間違いありません。
在宅医療とどのように関わっていくか、各自が考えなければいけない時期にきているのではないでしょうか。
おわりに
今回は『「在宅医療」の最新レポートが公開|注目のポイントをわかりやすく解説』というテーマで書きました。
いかがでしたでしょうか。
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