
創設90周年を迎える阪神タイガースの中でも強烈な応援歌/リリアン - 阪神タイガースの優勝を知らない子供たち [Toshiba]
Artist: リリアン
Title: 阪神タイガースの優勝を知らない子供たち
Label: Toshiba
Genre: Pops
Format: 7" EP
Release: 1985.09.06
お笑いタレントリリアンによる、全日本アマチュア・フォーク・シンガーズの「戦争を知らない子供たち」のパロディーソング。阪神タイガースは2025年に球団創設90周年の大きな節目を迎える。
各球団に関する音源は数あれど、阪神タイガースに焦点を当てると、最もインパクトの強いレコードは本作ではないだろうか?
1985年と言えば、阪神タイガースが1964年以来の21年ぶりの優勝と2リーグ制となってからは初の日本シリーズを制覇した年であった。本作は優勝とは疎遠であった阪神タイガースに野次を飛ばすパロディソングとしてリリースされている。リリース時期としては、優勝が確実視されていた1985年9月である。昭和という時代は、良くも悪くも現代のような倫理観念に疎いようなところがあり、こうしたパロディーソングは、パチソン(パチモンのアニメソング)に代表されるように探せばそれなりに見つけることができる。野球をテーマにしたポップスは、一般的なポップスと違って実在する野球選手の固有名称が出てくるため、登場する選手によっていつの時代のものか分かりやすい。
フォークソングの明るい曲調に「優勝を知らずに僕らは育った」と始まる本作は、阪神タイガースの長年の負け越しを揶揄すると共に、子供の無垢な歌声のバックコーラスが入るという、何とも突っ込みどころが満載の応援(?)ソングである。子供の歌声での揶揄は実際堪えるところがあるだろう。ある意味、阪神タイガースファンによる球団愛が溢れているとも言えるだろう。決して暗い雰囲気になるのではなく、むしろ逆にしっかりやれやー!と言わんばかりにこちらも元気を分け与えたくなったり、いつものことやねんなと励まし合うことができるような、明るい気持ちにさせてくれる。
野球ファンの中では「あるある」の楽曲などが多く、ストレートに声援(?)が飛んでくるのもこの手の音源の大きな特徴で、その球団のファンであれば思わずにやっとしてしまうだろう。野球関連の盤は、公式であれば新聞社やテレビ局、球団などが主催してリリースしている12"、自主製作盤・シングル盤であれば7"でリリースされていることが多く、中でも7"は数々の珍盤名盤の宝庫である。
球団創設90周年の大きな節目を迎える阪神タイガースに幸あれ。
ジローズ - 戦争を知らない子供たち