奏曰く、「文香だって、いろいろこだわりが強い子なんだから。」らしい
文香 「何か面白い本はないか、ですか?」
志希 「そー。本読んでる時の文香ちゃんって、いい匂いするんだよねぇ。だから、文香ちゃんのおすすめ本、読んでみたいなーって。」
文香 「に、匂い、ですか……?それは、なんとも、お恥ずかしい……。」
志希 「あ、大丈夫大丈夫。多分、私以外気付かないから。多分。」
文香 「そ、そうですか……。その多分が、真実であることを願うばかりです……。」
志希 「大丈夫だってー。で、本、どうかな?文香ちゃんのおすすめ本興味あるんだけどなぁ。ハスハス。」
文香 「……志希さんは私より遥かに専門的な知識を持っておられます。なので、ご満足いただけるかどうかは、分かりません。それでも、よろしければ。」
志希 「もっちろん、それでこそ文香ちゃん。」
――後日――
文香 「志希、さん、おまたせ、致しました。」
志希 「わお……。もしかしてそのキャリーケースの中……。」
文香 「はい、少し、やり過ぎたきらいはあるのですが……。この中にご満足いただける本があれば。」
志希 「おお……。まじか……。」
――さらに後日――
志希 「ってことがあったんだよねぇ。」
奏 「ふふ、それはとても文香らしいわ。あの子、ああ見えてこだわりが強いのよね。」
志希 「ま、全部面白くてさっすが文香ちゃんって感じだった。あの匂い、やっぱ伊達じゃなかったー。満足満足ぅ。」
奏 「……全部、読んだの……?」