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おともだちに絵を描きました。

昨日、ひょんなことから60代のお友達ができた。

川谷拓三にそっくりで、もし、髭を生やして斧を持たせたら、
ロード・オブ・ザ・リングとか、ああいうファンタジーに出てくるドワーフのような、お兄さん。


「ウチは近いから、少し寄っていけよッ!」
とほぼ道端で豪快にお誘いを頂き、俺もほぼ初対面にも関わらず、
彼の一人暮らしのご自宅に、お邪魔することに。

話していた道端から、1分くらい歩くと、彼の家に到着。本当に近いんだと、2人で笑ってしまいます。

階段をのぼり、照れくさそうに、自室の鍵を開ける彼。

「そんなに綺麗じゃねえけどよ…」
なんて言いながら。


ドアが開くと、さっきまで話していた「強面のオジサン」のイメージからは少し離れた、
整理整頓の行き届いた、
日当たりの優しい、こじんまりとした、穏やで、少し寂しげな、夕暮れの彼の空間。

そして彼のルーティーンなのでしょう、部屋に入ると、ぶっきらぼうにリモコンでテレビをつけ、画面に映る、競馬の番組。
その番組に対して、文句のような独り言を漏らす彼。

自炊や洗濯などはこまめにしていて、タバコはよく吸うけれど、
このおじさんは、優しく丁寧に暮らしているんだよと、茶色に変わった壁紙が、教えてくれました。



貰ったバナナをたべながら

彼は大変強面で、声も大きく、痛快な方です。
所謂「下町のイケてるおっちゃん」ですかね。
てやんでい系、とでもいいますか。

「ビール買ってくっからよ!おめえさんが俺んちで悪いことしねえのは分かってっから!バナナでも食って待っててくれ!バナナは1本だけなッ!」

と、彼の部屋を託された私。
帰ってきた彼と、この後色々な話をするのですが、
続きは気が向いたら書こうと思います。


「俺はきっと、不安なんだよな…」
「母ちゃんが居なくなった日を、よく覚えてるよ」

なんて言いやがるから、絵をプレゼントして、帰り際にハグしてやりました。


「俺はよ、ハグとか、こういうの大切だと思うんだ、男同士とか女同士とか、偉いとか偉くないとか、関係ねえよな。」



「また会おうな!」
と笑顔で別れました。

今度料理でも作って、持って行ってやろうかな。

人に絵をあげるなんて、いい人生だ。


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