撒き餌レンズの意味を知る。Canon EF50mm F1.8 STM レビュー
常に持ち歩いているという訳ではないが、一眼レフで写真を撮ることが好きだ。最近はスマホのカメラも高性能で思い出を記録するには十分かもしれない。だが、明るさや色味を設定しピントを合わせシャッターを切る、少し手間をかけて撮れた写真というのは、自分の作品のようでまた違った味わいがある。
とは言ったものの、折角一眼レフを持ってはいたが長年あまり活用はせず、その楽しさを知らなかった。Canonの交換レンズ『EF50mm F1.8 STM』に出会うまでは。
自分が一眼レフを購入したのは学校の課題で使うからで、それ以外に使用することはまれだった。ちなみに使用しているカメラは『EOS Kiss X7』。家電量販店で出会った見知らぬカメラ好きのおじいさんと相談して購入したモデルである。(2013年に発売されたエントリーモデルで世界最小軽量とだけあって、非常に軽く持ち運びがしやすい。)
2-3年はキットレンズを使用しており、レンズを交換するという考えがなかった。レンズを購入するきっかけは確か「花を綺麗に撮りたい」とかそういう理由だったと思う。ネットで検索をかけ、レンズを変えると撮れる写真が変わる、と知る。中でも安価で初心者におすすめと、どこのサイトでも紹介されていた『EF50mm F1.8 STM』を購入することにした。
『Canon EF50mm F1.8 STM』。別名「撒き餌レンズ」。レンズを交換しシャッターを切った瞬間、なるほどと瞬時に理解した。このレンズ、とんでもなく気持ちよくボケてくれるのである。
そして描写力もなかなか。特に知識がない自分でも写真が上手に撮れるような錯覚に陥る。シンプルに写真を撮ることが楽しくなる。ピントが合って、周囲が綺麗にボケる。それだけで写真が格段に変わって見えるのだ。
明るいレンズなので暗い室内での撮影もしやすい。またサイズも小さく軽いのも良い点。『EOS Kiss X7』に装着すると、ちょっとした外出で持つ場合にも邪魔にならない。このメリットは非常に大きい。
レンズを交換すると、確かに世界が変わった。そして思うわけである。
「13000円ほどのレンズでここまで写真が変わるならば、もう少し良いレンズを買えばもっと良い写真が撮れるのでは?」と。
…このレンズが「撒き餌レンズ」と呼ばれる所以である。