硫黄島の砂が持ち出せない理由
こんな記事。
米軍、硫黄島の砂を記念品として販売 太平洋戦争の激戦地 厚労省は持ち出しを制限するが…普天間で1個5ドル | 沖縄タイムス+プラス
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1454579
・太平洋戦争で日米が激しい戦闘を繰り広げた硫黄島。東京都にあり、現在は自衛隊が管理し常駐している。日本人は自衛隊員、遺骨収集の関係者、記者などしか上陸できない。
・硫黄島からは砂粒1つ持ち出すことも制限されている。上陸した日本人が帰る際には、靴底から砂粒1つ払い落とすことになっている。
・アメリカ人にその制限はなく、米軍が訓練で利用した時や日米合同の記念式典が開催された時などに、島の砂が島外に持ち出されている。
・アメリカではその砂が記念品として販売されている。
とのこと。
過去のニュースを遡ってみた。
「『硫黄島の砂』のアメリカでの販売」は、16年前に産経新聞のコラムで批判されていた
【土・日曜日に書く】ワシントン支局長・山本秀也 「硫黄島の砂」に思う日米関係
https://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080629/plc0806290326002-n1.htm
産経新聞の記者が2008年6月29日の記事で、アメリカの海兵隊博物館で土産品として「硫黄島の砂」が売られていたことに対して違和感を抱いた、というコラムを書いている。
現在、記事は消滅しているが、コピーしているブログがある。
また、このコラムは英語メディアでも取り上げられ、アメリカ人の反応も分かる。「日本人の気持ちは分かる。売るのは違う」みたいな感想が少なくない。
https://japantoday.com/category/features/kuchikomi/iwo-jima-sand-souvenirs-grate-on-japanese-sensibilities
近年では、アメリカ人有志による戦死日本兵遺族への「硫黄島の砂」贈呈が行われている
戦争遺品の木札が遺族に 硫黄島で戦死、室田盛浩さん 栃木・鹿沼:東京新聞 TOKYO Web 2022年12月28日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/222487
米国人戦史研究家で戦争遺品の収集・返還活動もしているダニエル・キングさんが、近年、アメリカ兵が持ち去った日本兵遺品を遺族に返還するという活動を行っており、その中で硫黄島で戦死した日本兵の遺族には、ダニエルさんが式典などで上陸した際に採取した硫黄島の砂が贈呈されている。
日本人は何故「硫黄島の砂」を持ち出せないのか
自衛隊員の話として「霊的なことを心配して」など畏敬の念があるために砂を持ち出さないという話がある。
自衛隊員が「硫黄島」から砂を持ち帰らない「意外な理由」(酒井 聡平) | 現代新書 | 講談社(1/2)
https://gendai.media/articles/-/121122
一方で、硫黄島の遺骨収集など戦没者慰霊事業を管理する厚生労働省の担当者は、環境保護の観点で砂などの持ち帰りをNGにしているという。
「お父さんが帰ってきた気がする」 米国人経由で届いた硫黄島の砂 | 毎日新聞2023/8/13
https://mainichi.jp/articles/20230810/k00/00m/040/361000c
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