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将来住みたい街決定

 クリスマス丸の内でハリポタコラボをするとネットで知り、初めて1人で東京駅に降りた。
初めての東京駅。少し背伸びしたコートとあまり履かないブーツを履いてまるで何度も来たことがあるような顔をして改札を通った。
 首がもげそうになる高さのビルが立ち並び、時間にもお金にも余裕がありそうなオジサマやおばさまとすれ違う。
街並みがどこか日本らしくなく、違う世界に迷い込んだ気分になった。
 私はいつもイヤホンをして歩くのだが、1年ぶりくらいにイヤホンをせずに歩いてみた。静かで上品で、でも閑散としているわけではない不思議な雰囲気だった。二階建てのバスはどこかハリーポッターの世界を思わせる。



 ハリーポッターのグッズが売っているお店を何件か回った後、私は少し丸の内を散策した。
 真っ赤なコートに身を包んだマダムと腕を組んでいるビッシッとグレーの背広を着こなすダンディーなオジサマ。
私と同い年くらいであろう男子学生三人組もとても綺麗で清楚なベージュのコートと知的なメガネ。
一人もながらスマホをしている人はいない。
一言でいうと「綺麗」な町。私はこのたった一回で大好きになってしまった。
少しでもこの町に似合うそんな人間になりたいと、靴擦れした足をさすりながら切に願った。

 いつか私も真っ赤なコートに身をつつみあの横断歩道を渡る素敵な女性になろう。



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