【連載小説】第二部 #4「あっとほーむ ~幸せに続く道~」幸せの弊害
前回のお話(#3)はこちら
<めぐ>
四
夏休みの間は二人のために料理をすると決めた。まだあまり上手じゃないし手際も悪いけど、二人に愛を返す方法が今はこれしか思いつかない。
とはいえ、朝食、お弁当、夕食と……。三食作るのは思っていた以上に大変。それに加えて、ゴミ出しや掃除、洗濯や食材の買い出しなんかもしなきゃいけない。これを今まで親がしてくれていたのかと思うと感謝の気持ちも湧いてくるが、決まりきった家事をこなすだけの日々に、十八歳のわたしは早くも根を上げ始めている。
(自分で決めたことなのに……。何か、モチベーションアップになるようなことをしないと……。)
危機感を覚えたわたしは二人に提案し、お盆休みを利用して「ある場所」を訪れることにした。その場所は、ジュエリーショップ。翼くんがわたしの婚約指輪を買った店である。
「三人暮らしを始めてからというもの、めぐちゃんの行動は大胆だなぁ」
「同感。三人揃いの指輪を買おうなんて言い出すんだもんなぁ」
「だって……。やっと実現した三人暮らしなのに、生活するのにいっぱいいっぱいだなんてあり得ないよ。せっかくなら、恋人らしく繋がっていたいじゃない?」
わがままを言っている自覚はある。だけど、それを許してくれるのが二人。本当に感謝している。
お店の人は男子二人がおそろいの指輪を選ぶ姿を不審がっているみたいだけど、気にしたら負けだ。二人が選んだのはシンプルなシルバーの指輪。翼くんのくれた婚約指輪の石がない版、とでもいえばいいだろうか。パッと見た感じ、三人おそろいに見えるのでわたしも大満足だ。
「いいね、いいね!」
思惑通りテンションが上がる。翼くんも嬉しそうに微笑んでいる。
「悠斗と同じリングをつけてるってなんか……感じちゃうなぁ」
「感じちゃうって……。相変わらずお前の発言はイヤらしいな……。これは家族の絆を深めるためのものだろ?」
「分かってるってば。俺が言いたいのは、悠斗とおそろいのものが持てて嬉しいってことなんだけど……。伝わらなかった?」
「ぜんっぜん伝わってない……」
「んじゃあ、ちゃんと伝わるように、今夜はこの指輪をつけたまま二人で愛を語ろっか♡」
「……馬鹿っ! なんで、そうなるんだよっ!」
「だって、悠斗が好きなんだもん」
「……この指輪、返品していいかな?」
「ごめんごめん! 冗談だからそれだけはしないでっ!」
二人の「漫才」は相変わらず面白い。お店の中で大爆笑したら、真面目に指輪を選んでいるカップルに冷ややかな目で見られてしまった。慌てて店の外に出る。
「あー、幸せすぎてニヤニヤが止まらないよぉ」
指輪をつけた二人と手を繋ぐ。こんなに幸せでいいんだろうか。この状態を維持できれば、毎日の家事も楽々こなせるに違いない。
「ねえ、晩ご飯、何にする? 今日は何でも作れそうな気がするんだ」
気持ちが大きくなると、つい調子に乗ってしまうわたし。だけど、二人はこんなわたしの性格をちゃんと理解している。
「気持ちは分かるけど……。よし、俺も手伝うよ。そしたらきっと、何でも作れる」
「じゃあ、おれもやろう。三人揃って晩飯が食える日くらい、手伝わせてくれよな」
「そうだよねぇ……。まだ作れる料理の種類も少ないし、二人がいてくれた方がおいしいものを作れるよね、きっと……」
しょげていると、翼くんに励まされる。
「そう落ち込まないで。誰だって最初は初心者なんだ。俺もいきなりうまく作れたわけじゃないし、たくさん失敗もした。でも、それでいいんだ。その分、上達するから」
「ありがとう。よぉし。おそろいの指輪を励みに頑張るぞっ!」
「うわぁ。今日のめぐちゃんは気合いが違うなぁ」
「そりゃあそうだよ。だって、悠くんに気移りされたくないもん!」
ジュエリーショップでのやりとりを引き合いに出すと、翼くんは慌てだした。
「お、俺はめぐちゃん一筋だってば」
「でもさっき、悠くんとラブラブの夜を過ごすって……」
「いやぁ、まぁ、そう言ったけど……」
翼くんが視線を送る。が、悠くんはそっぽを向いてしまった。
「冷たいなぁ……。仕方ない。悠斗が拒むなら、めぐちゃん、俺とラブラブしよ~」
わたしにすり寄る翼くんを見て、今度は悠くんが慌てだす。
「わかった、わかった! そんなにイチャイチャしたいならおれと一緒に寝よう! その代わり、覚悟しろよ……!」
「わっ! 楽しみ♡ ……ごめん、めぐちゃんとはまた今度ね」
翼くんはまるで女の子みたいに喜んだ。その様子は本当に恋する乙女のよう。何だか複雑な気持ちになる。
翼くんはライバル関係にあるときから悠くんには「気のあるそぶり」を見せてきた。そのたびに冗談だと言っては笑い飛ばしていたし、わたしもそう思ってきた。だが、このところ彼の発言や行動がエスカレートしている気がしてならない。冗談の域を超えているとしか思えないのだ。
実はわたしの知らないところで男子二人が恋仲になっていて、夜な夜な愛を確かめ合っているのではないか? だからわたしの身体を求めることなく同居できるのでは? 最近、そんな疑念さえ抱き始めている。
◇◇◇
その日の夜、わたしは先に眠ったフリをして二人が寝室に入るのを待った。部屋のドアが閉まる音を確認し、足音を忍ばせながら二人の寝る部屋に向かう。
二人が寝る間際まで話をしているのは知っている。今日はドアに耳をつけてその内容を聞こうというわけ。場合によっては、部屋に飛び込んで二人の関係を暴いてやろうとも思っている。
ぼそぼそと聞こえる会話を聞き取ろうと、息をひそめて耳を澄ます。
「……お前は最近大げさに言いすぎる。あそこまで露骨に『おれ好き』をアピールしなくたっていいじゃないか」
「好きなもんは好きなんだから、しょうがないじゃん。……とはいえ、今日はちょっとやり過ぎちゃったかも。ごめんね、悠斗」
「まぁ、表向きはあれでもいいんだけどさ」
「あ、そう? じゃあ今後もあんな感じで……」
「こらっ! そんなに近寄るなって! ……お前、今日も相当たまってるだろ? 昼間の発言聞いたときから感じてたけど」
「あ、バレてる……。そりゃあ溜まりもするさ。だから悠斗には毎晩抱いてもらわないと」
「毎晩は勘弁してくれって言ったじゃねえか……。こっちだって身が保たねえよ」
ここで一旦会話が途切れ、続いて衣擦れの音が聞こえた。
(もしかして……今、抱き合ってる……?)
三人で寝た日の夜、夏は上半身裸で寝ていると言っていたのを思いだして赤面する。と、再び話し声が聞こえ始めた。わたしはもう一度ドアに耳を当てる。
「悠斗には感謝してるよ。おかげでなんとかめぐちゃんとの関係も維持できてる」
「感謝、ねぇ……。もしそれが本心なら、少しはおれの気持ちも受け取ってくれると嬉しいんだけど?」
「悠斗の気持ちって……?」
「例えばこんなこと……」
「えっ?! ちょっ! それは……ダメだってば……!」
翼くんの嫌がる声が聞こえて動揺する。
(えっ……? 何……? 何が起きているの……?)
もだえるような声に変わり、ますます聞いていられなくなる。わたしはついにドアを開け、中に押し入った。
「二人とも! わたしを差し置いてイチャイチャするなんて、一体どういう……」
『えっ』
目が合って互いに固まる。わたしの目に映った光景は愛し合う二人……ではなく、プロレスのように取っ組み合う姿だった。わたしも彼らもしばらく目が点になっていたが、少し経ってようやく悠くんが口を開く。
「……用があるならノックくらいして欲しいもんだな。たとえ家族であっても、礼儀は守ってくれよ」
「……ごめんなさい。でも、どうしても知りたくて」
「……何を?」
「……翼くんの言葉の真意を……。ふたりがそのー……。肉体関係を持っているんじゃないかと思ったものだから」
二人は顔を見合わせてため息をついた。
「……ほらみろ。お前がおれとラブラブな夜を過ごすだなんて言うから誤解されるんだ。こんなことになったのは、100%翼のせい」
翼くんは「参ったなぁ」と言って、顔の前で両手を合わせる。
「……ごめん、めぐちゃん。誤解させちゃって。確かに俺は悠斗のことが好きだけど、決して、決して! めぐちゃんが思っているような関係は持ってない。どうか信じて」
「……じゃあ、どうして誤解を招くような発言を?」
「……めぐちゃんが好きだからに決まってるじゃないか」
わたしの問いに、翼くんはちょっと怒ったように言った。そして、悠くんを気にしながらもこう続ける。
「めぐちゃんが魅力的すぎるんだよ。こうして同じ部屋にいるだけで胸が高鳴ってしまうくらいに……。だけど、高まる気持ちのまま振る舞えば悠斗を裏切ることになってしまう。それだけはしたくない。絶対に」
「えっとぉ……。それってつまり、わたしと……?」
ドキドキしながら尋ねると、翼くんは拳をぐっと握りしめ、それから悠くんの胸にすがった。
「……出て行ってくれ。これ以上一緒にいたらめぐちゃんを抱いてしまう……」
「…………」
戸惑っていると、悠くんが冷たい口調で言う。
「いいか、めぐ。翼もおれもめぐと愛し合いたいって思ってるよ。それが本心だよ。だけど一度お前を知ってしまったら……。おそらくおれたちは敵対する。……分かってくれ。欲しくもない男の身体にすがらなきゃいけないおれたちの気持ちを。三人で暮らすために努力してることを」
「悠くん……」
「おれたちはめぐを愛してる。愛するがゆえに葛藤してる。……愛されたいというめぐの気持ちにはいつか応えるよ。ずっと先かもしれないし、案外近い将来かもしれないけれど。……おれたち二人の気持ちに決着がつくまで待てるか? もし待てないというのなら、おれたちの関係は今夜限りにしよう。おれと翼でお前を好きなだけもてあそんで終わり。永遠にさよなら、だ」
あまりにも残酷な言葉だった。そして二人の深刻な悩みに気づけなかった自分にショックを受ける。翼くんの発言のせいなどではない、すべての原因はわたしにあったのだ。
「どうする? めぐの気持ちに、おれは従う」
悠くんが静かに言った。わたしの答えはもう決まっている。
「……待ちます。……どんなに先でも、わたしは待っています」
……おやすみなさい。小さな声で呟き、部屋を出る。自室に戻って布団に潜り込んだわたしの脳裏に悲しそうな二人の顔が浮かぶ。その晩はなかなか寝付くことができなかった。
◇◇◇
ウトウトしているうちに部屋が明るくなってきた。どうやら夜が明けてしまったようだ。これ以上寝転んでいても埒があかない。わたしは寝るのを諦めて起きることにした。
身支度を済ませ、外に出る。日は昇ったばかりだというのにすでに暑い。が、晴れ渡った空の下で散歩をしていたら憂鬱な気分も解消するかもしれないと思い、歩き始める。
早朝の町に人影はない。目的もないまま、歩みを進める。
(こんなことじゃいけないよね……。二人はわたしの笑顔が好きなんだもの、ちゃんと笑って朝の挨拶ができるようにしておかないと……。)
無理やり笑顔を作ってみる。だけどうまくいかない。落ち込んだ気分を引きずったまま散歩を続けているうち、気づけば春日部神社に到着していた。
神社の境内に生い茂る木々が作りだした木陰に入る。ほてった肌が冷やされてほっとする。いや、そう感じるのはここが神社だからかもしれない。
周囲の木より背の低い「ご神木」と対面する。一度焼け落ちたあと再生したことから、復縁や再起を願う人々がご利益を求めるようになったと聞く。
(……わたしたち三人の関係が元の通りになりますように。神様、どうかお願いします。)
目をつぶり、熱心に手を合わせて祈る。困ったときだけ神頼みをするようなわたしに神様が力を貸してくれるかどうかは分からない。だけど、今は祈らずにはいられない。わたしは二人なしでは生きられないのだから……。
どれくらい、そうしていただろうか。額から汗が流れ落ちるのを感じて目を開ける。と、いつの間にかわたしの隣に女の人が立っていて、同じように手を合わせていた。
驚いたわたしが凝視していると、向こうもこちらを見たので目が合ってしまった。気まずいなぁと思って目を逸らそうとしたら声を掛けられる。
「……おはようございます。朝から熱心ですね。ご近所の方?」
「はい……。あまりよく眠れないうちに朝になってしまったので、起きたついでに散歩がてら参拝に来たんです」
「あら。それならわたしと同じね。……わたしも時々、眠れない夜を過ごすことがあってね。そんなときは気晴らしにドライブをするのよ。……今日はなぜだか急に、朝から『ご神木さま』に会いたくなって車を飛ばして来ちゃった」
「……ここへは良く来るんですか?」
「そうね。ここは高校生の頃から縁のある神社だから。実はわたし、この神社の宮司さんと知り合いなのよ」
「えっ? 木乃香のお母さんの知り合い?」
こんな偶然があるだろうか。初対面の女性と身近な人物とが繋がるなんて。この人は一体……? わたしの問いに女性はうなずく。
「ええ、そうよ。凜さんとは高校時代の友人で。……もしかして、木乃香さんのお友達?」
「はい」
(そうか、この人……。)
木乃香のお母さんの友だち、と聞いてあることを思い出す。
「……あの、失礼なことを言っていたらごめんなさい。ひょっとしてお姉さんは、木乃香のお母さんの言う『複雑なカップル』さん?」
その話は、わたしが木乃香に「恋人が二人いる」と告白した日に聞いたきりだった。が、話の流れから「この人に違いない」と確信したのだ。気になったことは聞かずにいられないのがわたしの悪い癖。だが、ぶしつけな質問だったにもかかわらず、女性は小さく微笑んで答える。
「……そうね。確かにわたしとパートナーとの関係は一般的ではないわね。……それが理由で早くに起き出した挙げ句、こんなところに来てしまったわけだし」
「えっ……。それならわたしもおんなじです。実は、恋人たちとの関係で悩みがあって……」
「恋人たち……?」
女性はそう言って、ハッとした。
「あなたはもしかして凜さんの言っていた、年上の恋人が二人いるっていう……?」
「そうです」
「……ここで出会えたのも何かの縁ね、きっと」
女性は妙に納得した。
「わたしのことは、かおりと呼んで。少し、お話しできるかしら?」
*
わたしたちは神社の境内にあるベンチに腰掛けた。セミの鳴き声が響く中、かおりさんは自身のことをポツポツと――愛するパートナーが同性愛者であること、それでも一緒に暮らし続けていること、そして時々、愛が欲しくてどうしようもなく苦しくなることなど――を語ってくれた。わたしも同様に、三角関係を維持するためにそれぞれが遠慮し合い、苦しんでいる現実を告げた。
「……こんな話を二回り以上も離れたあなたに言うのは間違っているかもしれないけれど、同じような悩みを持っているならいいわよね……?」
「むしろ嬉しいです。悩みを分かち合える人に出会えて」
「わたしも嬉しいわ」
かおりさんは微笑んだ。
「パートナーの努力があって一緒にいられるのはもちろん分かっているわ。だけど、わたしだって人間だもの。身体の仕組みがそうなっている以上、自分の力ではコントロールできないことだってある。……自分で茨の道を進むと決めたんだから悩みも甘んじて受け容れなさい、と言われればその通りなのだけれどね」
「それ、分かります。彼らのことが好きな気持ちはどうしようもないですもん。でも、それが逆に自分や彼らを苦しめるって言うか」
「そうね……」
「だけどかおりさんは、それでもずっと一緒に暮らしているんですよね? 長続きの秘訣は何ですか? ぜひ知りたいです!」
「秘訣と言うほどのものはないけれど……」
かおりさんは少し考えるようにして空を仰ぐ。
「今思えば、彼そのものではなく、彼の気持ちに寄り添ったことが自分の感情に折り合いをつけるのに役だったと言えるかもしれないわね。
ちょうどめぐさんくらいの年齢だったっけ。当時のわたしは大学に通っていたけれど、彼の役に立ちたいと思って服飾の専門学校に入り直したのよ。がむしゃらに学び、ひたすら服を作り続ける日々は忙しかったけれど、おかげさまで舞い上がる気持ちは自然と淘汰されていったと記憶しているわ。
……木乃香さんのお友達と言うことは、めぐさんも今は高校生よね? それなら、恋愛もいいけれど、学びに集中するというのも一つの手だと思うわ」
かおりさんの言葉には説得力があった。そうか、学びに集中する。当たり前のことだけど、三人暮らしが始まったことで浮かれていたわたしはそんなことさえ忘れかけていた。
「ですよね……。わたし、すっかり本業を疎かにしていました……。でもわたし、特別やりたいこともなくって……」
「わたしだって、本当に目的を持って学ぼうと思えたのは彼のことを愛してからよ。……もしめぐさんに恋人たちの役に立ちたいという気持ちがあるなら、一からでも学んでみる価値はあるんじゃないかしら? 好きな人のために学ぶときと言うのは気合いが違うし、学びも楽しいものよ」
それを聞いて「料理だ」と思った。今のわたしの料理の腕は、残念ながら「お手伝い」レベル。彼らがおいしいと言って完食してくれるのが嬉しいから台所に立っているけれど、本音を言えば、お世辞ではなく心から「うまい」と言わせたい。そして彼らの笑顔が見たい。だったら本気で腕を磨けばいい。単純な話ではないか。
わたしの前向きな気持ちが顔に出ていたのだろう、かおりさんが言う。
「……どうやら、めぐさんに出来そうなことを見つけたようね」
「わたし、料理がうまくなりたいと思っていたんです。でも、食事の支度って日常すぎて本気になれなくて……。だけど今、かおりさんの言葉を聞いて決めました。やっぱりわたしは彼らの笑顔が見たい。そのためにも料理を勉強しようって」
「素敵ね。……その気持ちがあればきっと恋人たちも喜んでくれるに違いないわ。そしていつの日にか……愛し合うことも叶うはず」
「そうだといいなぁ」
「頭の固かったわたしでも出来たんですもの、めぐさんにもできるわ」
かおりさんはそう言って微笑んだ。
「そろそろ帰るわ。パートナーが待っているから」
彼女はハンドバッグから車の鍵と一枚の名刺を取り出す。
「もし、また何か相談したいことができたらここへ電話して。木乃香さんのお母さん経由でも構わないわ」
「ありがとうございます。……わたしも帰ろう。きっと心配しているはず……」
「……また会いましょう。さようなら」
「さようなら、かおりさん」
互いに微笑み、手を降って別れる。ここへ来たとき感じていた重苦しい気持ちはもうない。これなら二人に会っても大丈夫という自信を取り戻したわたしは、真夏の太陽の下をゆっくりと歩き出す。今のわたしが帰る場所は、やっぱり彼らの待つ家だ。
(続きはこちら(#5)から読めます)
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