【連載小説】「愛の歌を君に」#6 ニューワールドを、この手で……
前回のお話:
16.<麗華>
智くんの意外な行動に戸惑いはあったが、彼を救うためなら何でもすると公言し、家族同然の関係を築きたいと迫った以上、後には引けなかった。けれども、キスをして感じたのは、彼が迷いと葛藤の只中にある、と言うこと。口で言っているほどあたしのことを恨んでいるとはどうしても思えなかった。
(これならきっと、彼を救える……)
根拠のない自信が湧いてきた。氣持ちが大きくなっているのは酔っているせいかもしれないけれど、言葉では表せない「この感情」は大事にしたかった。
「なぁ、俺から一つ提案があるんだけどー」
あたしよりも酔っているであろう拓海が、内緒話でもするかのようにテーブルの真ん中に顔を寄せて言う。
「『家族ごっこ』するってんならさ、いっそ今夜からでもそれぞれの部屋を転々としながら三人で暮らすってのはどうだ? 俺の病氣のことがあるから新たに部屋を借りるより、ある程度現状を維持ながら『家族ごっこ』した方がいろいろと都合がいいんじゃねえかと思うんだけど」
「なるほど。それは面白そうね。あたしは賛成。智くんは?」
手を挙げたあたしとは対照的に、智くんは腕を組んで唸った。
「拓海が言っている『家族ごっこ』ってのは、寝食を共にするってことだろう? 僕と拓海の二人だけならともかく、そこにレイちゃんが加わるとなると事情は違ってくる」
「あら、あたしは大丈夫よ。うんと昔だけど、野球部だった弟の友だちと何ヶ月も共同生活したことあるし」
「……いやいや、僕も拓海も君が好きだと言ったばかりなんだぜ?」
「あたしだって言ったはずよ? 今度は恋愛感情を一切持つ氣はないって。たとえあなたたちが『恋愛ごっこ』を始めてもあたしは乗らない。断言するわ」
「それは安心材料であると同時に困った問題でもあるな」
「どうして?」
「これも君が言ったことだけど、僕らが若返りを体験するには昔の感情を思い出す必要がある。つまりは君への恋愛感情だ。それを封じられてしまっては一緒に暮らす意味も半減してしまう。たぶん、良い歌詞も書けない」
「へぇ、じゃあ智くんはあたしを思いながら歌詞を書いてくれるんだ?」
「まぁ……。リーダー命令も出てるしね」
「うふふ。嬉しい」
たとえそれが本心からでは無かったとしても、彼の口からそういう言葉が出てきただけでも一歩前進だろう。彼らと恋愛ごっこをするつもりは微塵もないが、家族同然の関係を築くためにはまず、彼らの想いを受け止める必要がありそうだ。
「まぁ、あたしは氣分屋だから、あなたたちの行動次第では恋愛ごっこに発展する可能性もある、と付け加えておくわ。これなら納得してくれる?」
「オーケー、オーケー」
にやりと笑った彼はとても楽しそうだった。何か裏で考えている氣もするが、今は彼の言葉を信じることにしよう。
「じゃあ、智篤も賛同してくれたってことでいいのかな?」
拓海が総括するように言うと、智くんはこくこくと頷いた。
「これまでそれぞれに一人で生活してきた僕らが一つ屋根の下に住む……。いったい何が起こるか僕には想像も出来ないが、刺激的な日々になるのは間違いないだろうね。刺激は創作意欲をかき立てる材料になる。僕はそういう理由から君の提案を呑むことにするよ」
「相変わらずひねくれた返答だな……。でも、賛同してくれたならまぁ、いいか」
拓海はそう言ってあたしたちを見回した。
「で……。誰んちからスタートする?」
「え? 本当に今晩から……?」
あたしは戸惑いの声を上げ、智くんは呆れたように天を仰いだ。
「ったりめえよ。麗華が言ったんだぜ? 酔った勢いは大事だってな」
「酔った勢いにしろ、何にしろ、こういうのは提案した張本人が責任を取るものだよ」
「じゃあ俺んちからってこと?」
「それが筋ってもんだろう?」
智くんの、至極もっともな回答を聞いた拓海は「それもそうか」と言ってうなずいた。
「そうと決まれば、早速俺んちで新年を迎えようぜ!」
後のことなど何も考えていない様子で拓海はいい、勢いよく立ち上がった。
17.<拓海>
三人でいる時間を最も長く作るにはそれしかない、と思った。俺には時間がない。麗華は奇跡を起こすつもりのようだが、そんなものを期待して漫然と過ごすより、タイムリミットを設けた方が人間、思いきった行動が出来るというものだ。
俺の病氣に伴うサザンクロスの再結成、麗華に訪れた転機、智篤に襲いかかった異変……。これらは別々に起きたがここへ来て絶妙に絡み合い、一つになったように俺には感じられた。まるで誰かが俺たちを「ニューワールド」に向かわせるために仕組んでいるかのようにさえ。
もしかしたらこの流れに乗ることは俺の死を確定させるものになるかもしれない。だが、流れに逆らったり止めたりしちゃいけないと魂が叫んでいる。むしろ流れを利用しろとさえ言っている。だからこそ、共同生活を提案したのである。
とはいえ俺の部屋は、とてもじゃないが仲間を迎えられる環境ではない。だけど、仲間と真に打ち解けるためにはまず、言い出しっぺの俺がありのままの日常を見せる必要があるだろう。
*
店を出て電車に揺られること二十分。二人を引き連れた俺は、コンビニで買った追加の酒とつまみの入った袋を引っ提げて帰宅する。室内に入ると智篤がまず「相変わらずだなぁ」とぼやいた。
「君の提案を受け容れてここまでやっては来たものの、この部屋の状況を見る限り、僕らの寝床はなさそうだ」
「……片付けるってば。だけど二人とも、一度はこの部屋を見た上でオーケーしてくれたんだろう? だったら文句は言わないこと!」
「……まぁ、いいさ。一生この部屋で過ごすわけじゃないし」
そう言うと、智篤はすたすたとベランダに向かい、少しだけ窓を開けた。
「……もうすぐ年が明けるな。どこかから、除夜の鐘の音が聞こえる」
耳を澄ますと確かにそれらしき音が聞こえた。
新年を迎えることについて深く考えたことは一度もなかった。しかし今回は違う。もしかしたらこれが最後の年越しになるかもしれない……。そんな考えがよぎり、途端に氣分が落ち込んだ。
窓を閉めた智篤がこちらへ向き直るのを見て、俺はビニール袋から缶チューハイを取り出して配った。
「……もう昔のように夜通し馬鹿騒ぎすることなんて出来ないけど、とりあえず乾杯しようか」
「あら、馬鹿騒ぎ、しないの? てっきりさっきの続きをするもんだと思ってた」
「そのつもりだったんだけど、自分の部屋に戻ってきたら、フーってなっちゃってな」
「……それは病氣のせい?」
麗華が神妙な顔で言い、次に壁の一点に目を動かした。視線の先には通院スケジュールが貼ってある。
「……結構頻繁に通ってるんだね。知らなかった」
「まぁ……。それなりに進行してるからな……」
「手術はしなくても大丈夫なの?」
「…………」
「拒んでるのさ、拓海は。君とのおしゃべりを楽しむためにね」
黙すると、智篤が余計なことを言った。睨みつけると「それが本心だろ?」と返された。
「家族ごっこするために自室を提供した以上、君は病氣のことを開示しなくちゃいけないだろうね。医者からなんて宣告されているかを」
「…………」
「教えて、拓海。あたし、ちゃんと病氣と向き合いたい」
「……分かったよ。言えばいいんだろ」
麗華にまっすぐ見つめられては断れない。俺は観念して正直に告げる。
「……投薬中はメチャクチャ疲れやすい。免疫が落ちるから人の多いところにもあまり行かない方がいい。酒も本当は良くない。だけど俺はミュージシャンだし、麗華と一緒にバンド活動するって決めたから好きにやってる。それが実際のところだ」
「どうしてそんな無茶なことを……」
「救ってくれるんだろう、俺のこと。……奇跡が起きるのを待つ忍耐力はないけど、麗華がそう言ったなら俺は希望を抱きたい」
「…………」
「今の言葉はちょっと重かったかな……? まぁ、そんなに深刻に受け止めないでくれ。俺は頼まれたとおり、今まで伝えていなかったことを言っただけだから」
麗華はうつむき、智篤はほくそ笑んだ。
「……何笑ってんだよ」
「生きたいのか死にたいのか、どっちなんだよ、と思ってね」
「それはお前も同じだろう? 麗華に対する氣持ちが揺れ動いてるように俺には見えるぜ」
「ふん……」
「まぁまぁ、とにかくさ……。乾杯しようよ」
場の空氣を変えるかのように、麗華が真っ先に缶チューハイのプルタブを開け、食べるかどうかも分からないつまみの袋を破った。智篤が腰を下ろしたところで麗華が俺たちを交互に見ながら言う。
「二人が、三十年分の思いを今ぶつけたいって言うなら受け止めるつもり。そのためにあたしはここに居る。だけど、その前に! これまでのあたしたちにお疲れさまの意味を込めて、乾杯!」
「おう、お疲れさまー。仕切り直しと行こうぜ」
「やれやれ。第二ラウンドはお手柔らかに頼むよ」
それぞれに缶を掲げ、交わす。身体が触れあうほどの距離で輪になった俺たち。他愛ない話をしながらちびりちびりと飲むうちに夜が更けていく。
18.<智篤>
酒のせいか、病のせいか、その場でウトウトと寝てしまった拓海を起こさないようにして僕はレイちゃんをベランダに誘い出した。もうすぐ年が明けるからか、どこかから騒がしい声が聞こえる。うんざりしながら寒空に目をやった僕とは違い、話を聞く意思を示すようにレイちゃんがこっちを向いた。
「拓海に聞かれたくない話でもあるの?」
「ああ」
「……あまりいい予感はしないなぁ」
「酔っていても勘は鋭いね。当たってる」
「えー? 冗談で言ったのに」
レイちゃんはわざとらしく言った。
「それで、話って?」
「うん。さっきの店で、君と家族同然の付き合いをするために僕がすべきことは何か、色々考えてみたんだ。で、最終的に手紙を書くことに決めた。君宛ての。もちろん、秘密の内容だから拓海には見せないで欲しい」
そう。これがさっき思いついたプランの内容だ。たぶん、この先の「ニューワールド」に僕自身が向かうためには――つまりは急速な老人化を防ぐためには――表面上、レイちゃんとの距離を縮めるのが最善。これなら彼女らと「家族」として付き合っているように見えるし、若さを保つことも出来る。そしてなにより、サザンクロス再結成に賛同した最大の理由である、彼女を苦しめるという目的を果たすこともできる。一石二鳥ならぬ、一石三鳥と言うわけだ。
「手紙って、ラブレター?」
その問いに、首を横に振る。
「期待を裏切って悪いけど、君は僕と喧嘩したいみたいだからね。君宛ての手紙には僕の本音を綴ろうと思う。つまりはこれまでの恨み辛みを書く。返事は要らない。ただ、受け取ってもらえればそれでいい」
「もし、手紙の内容について思うところがある場合は?」
「それでもただ、受け取るだけにして欲しい」
「……あたしを苦しめるつもりね? だけどそれじゃあ喧嘩とは言えないわ。あたしは智くんとぶつかり合いたいよ。さっきみたいに」
その目が、心をのぞき込むかのように僕を見つめた。
「さっきみたいに……」
一瞬、目の前の景色がにじんだかと思うと、彼女の姿が再び若返って見えた。
「……やっぱり美しいな、君は」
「だったら、あたしへの愛情を手紙に綴って。さっきあたしを想って歌詞を書いてくれるって言ってたじゃない? その延長でラブレターも書いてよ」
「それとこれとは別だよ。僕はまだ君を赦してはいない。君が僕に謝ってくれたら考えてもいいけど」
「……ねぇ、こうするのはどう? あたしが智くんに謝ったら、智くんも自分のことを赦すの」
「は? 僕が君を赦す、の間違いじゃない?」
酔っているから言い間違えたのかもしれない、と思って問うたが、彼女は首を振った。
「あたしのことは……赦してくれなくてもいい。智くんが恨み続けたいというなら恨まれ続ける。だけど……そうすることで智くん自身が傷ついているように、あたしには見える。それがさっきの、老化現象に繋がってるって」
「…………」
「智くんは、本当は優しい人だってあたし、知ってる。あたしのせいで鬼になったって言うけど、根の部分は変わってないのが伝わってくるんだもの。……これはあたしの勘だけど、智くんが老化して見えたのは多分『智くんを生かそうとする存在』が、もう自分をいじめるのはやめなさいって伝えるためだったんじゃないかと思うの」
「……僕は、やさしくなんかない」
「嘘。本当に優しくなかったら、今ごろあたしを攻撃してると思う。ましてやキスなんてしなかったと思う」
「あれは……」
自分のためだった、と言おうとしてぐっと堪える。と、彼女の顔が一層近づいた。
「……あの時のあたしはわがままだった。相談もせずに決めてしまって本当にごめんなさい。こんなにも長い間あなたを傷つけてしまったこと、心から謝ります」
美しい瞳から一筋の涙がこぼれた。
――ほらほら、彼女が泣いて詫びてるよ。赦すなら今しかないよ!
心の声が急くように言った。
(赦したら……。そうしてしまったら、なんのために生きてきたか分からなくなってしまう……。)
――恨みを晴らせなくなるからか? しかし、恨みを晴らした後の君もまた同様の喪失感に打ちひしがれるんじゃないかな。真に君が救われるには、彼女を赦すしかない。
(…………。)
――君には今、二つの選択肢がある。彼女を恨み続けて老化を早める道と、今すぐ彼女を赦し、心身共に健やかに生きる道。老化が進んだ姿に懲りたなら、君が取るべき道は一つしかないと思うけどね。
(またそうやって脅すつもりか……。)
――脅すも何も、僕は君のためを思って言ってるだけだよ。まぁ、今すぐ君を衰えさせては彼女がかわいそうだ。君の提案通りに謝罪した彼女にラブレターを書くなら延命してやってもいいよ。
(……ふん。どこまでも偉そうなやつだ。)
彼女は僕の返事を待つようにその目をまっすぐこちらに向けている。謝った彼女に対し「今のは単なる言葉のあやだ」と突っぱねるのは簡単だが、それではあまりにもダサすぎる。
「その涙に免じてラブレターを書くことにしよう」
観念した僕はそう言って彼女の涙を拭ってやった。
「最初からうまく書ける保証はないけど、それでも良ければ」
「そこら辺に転がる口説き文句なんて要らない。あたしは、智くんの気持ちが知れればそれでいい」
「それじゃあ気長に待っててもらおうか。拓海の目を盗まなきゃいけないし、きっと何回も書き直さなきゃいけないだろうからね」
「話は聞いちまったから俺の目を氣にすることはないぜ」
いつの間に目を覚ましたのか、拓海が窓を開けながらベランダに顔を出した。
「あら。どの辺りから聞いてたの?」
「二人がベランダに出て行ったところから」
「じゃあ全部聞かれてた、って訳か」
「そういうこと。残念だったな」
拓海はニヤニヤしながらレイちゃんを見つめた。それを見て、勘のいい彼女が提案する。
「ねえ、今の話を聞いてたなら拓海も書いてよ。ラブレター」
「俺からも欲しいの? しゃーねーなぁ」
拓海は僕らの話を聞きながら自分も書きたいと思っていたのだろう。やれやれ、ライバルが登場したことで「気長に」などとは言っていられなくなってしまった。ただでさえ言語化が苦手な僕が拓海と張り合える速度で手紙が書けるのか。少々不安になる。
一方の拓海は手紙を書くことに抵抗がないようだ。
「ラブレターが欲しいって言うくらいだから、心に響いたときにはちゃんと応えてくれるんだろうな?」
「それは手紙の内容次第ね。拓海は返事が欲しいの?」
「返事っつーか、反応は欲しいかな」
「なら、あたしが行動を起こしたくなるような文言を綴ることね。歌詞にしても遜色ないような、詩的な表現を期待するわ」
「任せろ。そう言うのなら得意だぜ」
「うふふ。楽しみにしてるわ」
彼女が微笑んだ直後、どこかで花火の上がる音が聞こえた。腕時計に目をやるとちょうど零時になったところだった。
「……僕らが迎えたニューイヤーは、ニューワールドに続いているんだろうか」
呟くとレイちゃんが僕の手を取った。
「ニューワールドはあたしたちの手で築き上げるのよ」
「ああ、そうだぜ」
拓海の手も重なる。
「もう、目に見える現実を嘆くのはやめよう。今日からはこの手で現実を、世界を変えるんだ」
「……この感じ。懐かしいな」
あの頃は、レイちゃんも拓海も常に前向きで、向かう先には明るい未来しかないと思っているみたいに見えた。そんな二人の純粋さに引っ張られる形で過ぎていった日々には確かに、現実を吹き飛ばせそうな勢いと希望があった。
「本当にそれが可能だというのなら僕は……」
一歩も二歩も踏み出してしまった僕はもう、このまま歩き続けるしかない。ニューワールドを作るであろう「この手」に力を込める。
「拓海の病氣が完治し、僕ら三人が若返り、サザンクロスが日本一のバンドになる未来を想像してみる。あり得ないと思うようなことこそ、実現したときの感動もデカいだろう?」
「いいな、それ。さすがは世界征服を目論む男だ」
「そうね。デカいことがしたいって言うなら、夢はそのくらい大きくなくちゃ」
「夢なんかでは終わらせないよ。きっと実現させてみせる。……夢を描こう、最高の未来、僕の世界を作るのは僕、世界は心で作られるから……。今度こそ、三人で叶えるんだ」
二人は目を見開いたが、それを言った僕自身が一番驚いていた。なぜ「マイライフ」を口ずさみ、心にもないことを言ったのか、自分でも分からなかった。
――心にもないことなら、そもそも口から出てこないよ。君はずっとそんな未来を、この三人で『世界征服』する日を思い描いていた。二人に刺激されて今、ようやく言語化できただけのことだよ。
(三人で『世界征服』……。そうか、そういうことか……。)
心の声に妙に納得している僕がいた。
本当はずっと三人で活動したかったのに出来なかった。その想いがずっと、レイちゃんを恨むという形でくすぶっていた。でも今になって再び三人が結集したことで、夢が夢でなくなるかもしれない……。
(もしも本当に『世界征服』の夢が叶うなら、今の僕は『死ぬ』べきなんだろうな……。)
――そうさ。そうすりゃ、世界は変わる。間違いなくね。
恐れていた変化が、少しだけ怖くなくなっていた。それはきっと二人がここに居て、僕の手をしっかりと握ってくれているから。
「……夜明けはすぐそこだ。昨日までの僕にさよなら。新しい世界が僕を、僕らを待っている」
「今の、歌詞になりそうね」
レイちゃんが言い、拓海も頷いた。
「一曲作れそうじゃん。続き、考えてみてくれよ」
「気が向いたらね……。さて、寒くなってきた。部屋に戻ってもう少し飲もうじゃないか」
言葉と共に出た白い息が星の見えない夜空に消えていく。拓海が死を覚悟して行動し始めたように、世界を変えるには僕もここから死ぬ氣でことを成さねばと思いながら、今夜泊まる「僕らの部屋」に戻った。
続きはこちら(#7)から読めます
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