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【連載小説】「愛の歌を君に2」#3 助っ人現る


前回のお話(#2)はこちら

前回のお話:

麗華が懸念していたとおり、メジャーデビューの話を断り事務所を辞めたと同時に「いじめ」がはじまった。自分のせいで仲間に迷惑をかけたと思い悩む麗華だが、男性陣は動じない。横の繋がりがあるためだ。インディーズ仲間を紹介するいい機会だと言うことで三人はまず行きつけのライブハウスを訪れる。ところがメジャーのいじめはライブハウスにまで及んでおり、味方のはずのオーナーから出入り禁止を言い渡されてしまう。

7.<麗華れいか

 その日のモヤモヤは歌うことで晴れたものの、活動場所が制限されたという現実に変わりはなく、翌朝の目覚めは良くなかった。

「目の前でそんな顔をされたんじゃ、こっちも食事が喉を通らないなぁ……」
 無気力のまま流れ作業で用意したブランチはおいしくなかったに違いない。ともくんがため息をつくように言った。

「昨日のことを引きずりたくなるのは分かるよ。だけど、氣持ちを切り替えなくちゃ」

 ――そうだぜ。贔屓ひいきにしてるライブハウスがダメになったってだけで、他の方法がダメになったわけじゃない。駆けずり回ることにはなるだろうが、協力者は必ず見つかる。っつーか、金で繋がってない俺たちはこういう時こそ強い……はず!

 拓海たくみの方は空腹が勝るらしく、沈むあたしの顔を見ながら平然とハムエッグを口に放り込んでいる。

 ――コネ無し、実力無し、知名度無し……。俺たち二人はそんなところからここまで頑張ってきてるんだぜ? コネがあって、仲間がいて、実力と知名度もそれなりの今だったら絶対なんとかなると思わねえか?

 自信に満ちあふれた彼の姿は頼もしかった。
「そんな顔で言われたらなんとかなるような氣がしてきたわ。……一年くらい前にバンドを再結成して欲しいって頼んできた時には死相が漂っていたのに、まるで別人ね」

 ――そりゃあ、今じゃ誰よりも歌の力を……とりわけ二人の想いが生み出すパワーを信じてるからなぁ。死の淵からよみがえった俺は無敵だよ。

 隣で聞いている智くんも、うんうんと力強く頷いた。



 どんなに困難な状況でもとにかく歌う。歌だけは絶対に裏切らないから……。それが二人の考え方だった。言われてみればすべてが正論。なのにあたしはそんな基本的なことでさえ忘れてしまっていた。

 ――メジャーで長く活動するためには魂を売るしかなかったんだろう? 今は売っちまった魂の回収期間と思ってゆっくり充電すりゃいいさ。

 バンドの結成以前は、そんなふうにしてお金をもらっていたあたしを軽蔑すらしていたであろう拓海から同情めいた言葉をかけられる。すべてを赦す広い心を手に入れた彼の優しさに涙が出そうになる。

 彼の想いに応えるためには心を込めて歌うしかない。メジャーだとかインディーズだとかそういうのは一切関係無しに、誰もが魂からの声を、想いを、歌える日が来るようにあたしがその架け橋にならなければ……。

「ありがとう、拓海のおかげであたしが目指すべき世界が見えた。歌を愛するすべての人が、なんのしがらみもなく自由に歌える世界にするためにあたしは歌う。正々堂々と公の場で主張していく」

 ――それでいい。もともと麗華には力があるんだ。やってやれないことはない。

「うん。だからこそ、僕なんかは嫉妬してたわけだしね……」
 拓海が本当に倒れてしまうまであたしを恨み続けていた智くんも今ではあたしの能力を認めてくれている。

「さあて、そういうことなら早速本格始動するか」
 食事を終えてくつろいでいた智くんが椅子から立ち上がった。
「気分転換がてら、道路使用許可を提出してくるよ。大丈夫。僕らの歌と演奏を評価してくれる人は絶対にいる」


8.<拓海>

 路上ライブをするため駅前に来ている。昼のうちに道路使用許可を取っているから今日は遠慮なく弾ける。

 いつものように三人で歌い、弾く。俺たちが思ったとおり、メジャー業界からの締め出しが始まったって道行く人の反応は以前とまったく変わらない。立ち止まってくれる人、無関心に通り過ぎていく人、「下手くそ!」と言ってくるくらいには聴いている人……。みんな、いつも通りだ。



 一時間ほど演奏した頃だろうか。中折れ帽をかぶった三十歳くらいの男が迷うことなくこちらに向かってきて目の前で足を止めた。男は帽子を脱ぎ、一礼する。

「やっぱりここで歌ってましたね。探す手間が省けました」
 音楽プロデューサー、ショータだった。彼とは十年来の付き合いで、ライブイベントの時は必ずと言っていいほど知恵を借りている。

「なんで君がこんなところに?」
 智篤ともあつの問いにショータは「そりゃあ三人に協力するためですよ」とにこやかに答えた。

 ――ひょっとしてあの時、オーナーから何か伝令を受けたのか? 俺たちと話し終えたオーナーに耳打ちされてたろう? 俺は見逃さなかったぜ?
 俺の手話を読み取った智篤が代わりに発声し、問いかける。

「ご名答。くしくもサザンクロスさんが来訪する直前にオーナーから詳細を聞きまして、どうプロデュースしたものか考えていたところだったんですよ」

「事前に呼び出されていた……?」

「某音楽事務所の圧力にはオーナーも頭を悩ませているようです。だけど、あなた方なら必ずやこの状況を乗り越えられる……。そう信じているからこそ、表向きはあのような対応をしつつ裏では自分に依頼してきたのだと思ってます」

(そう言えばオーナーは「手を尽くす」と言っていたな。「ほとぼりが冷めるまでは」とも……。)
 
 そうとも知らず、俺たちは怒りの感情をむき出しにしてしまった。今ごろになって申し訳ない氣持ちになるが、おそらくオーナーは俺たちの謝罪など求めてはいないだろう。謝りに来る暇があったら一秒でも早くインディーズの意地を見せつける行動を取れ! と、再び追い返される未来が想像できる。

 ――それで……。尋ねてきたからには何かいい案が浮かんだんだろう?

 俺が手話で問い智篤が通訳すると、ショータは「そう、それそれ!」と人差し指を振りながら言った。

「来店直後から様子を見させてもらってたんですが拓海兄さん、声が出なくなっちゃって手話を使うんですよね? 手話使いのミュージシャンなんて、少なくとも自分は知らない。でも逆にそれがいい。注目されること間違いなし! 短所を長所に変えてしまいましょう」

 俺は文字通り目を丸くした。智篤と麗華も顔を見合わせている。

 ――ちょっと、意味が分からない……。耳は無事だからギターの音なら出せるよ。だけど、発声できないってのはミュージシャンにとっては割と致命的なことだ。

 智篤経由で伝える。が、ショータは「だからいいんですよ」と言って取り合わない。

「ミュージックビデオを作るんです。歌うのは麗華姉さんか智篤兄さん。で、拓海兄さんはそれに合わせて手話を使う、と……」

「確かに新しい試みね」
 麗華が興味深そうに頷いた。

「十五年くらいプロデューサーやってますが、生まれつき耳の聞こえが悪い方や難聴になった方でも熱心な音楽ファンはいるんですよ。そんな人たちからすれば、拓海兄さんはまさに希望の星。ミュージックビデオで格好良く手話を披露することで聴覚障害の方はもちろん、一般の方にも新しい形の音楽を届けられると自分は考えます。そりゃあ拓海兄さんのギターの腕は素晴らしいけどここは一つ、話に乗ってくれませんか?」

(ミュージックビデオ……。)

 胸の内で呟き、腕を組む。若い頃には低予算ながら何度か作成したことがある。しかしいずれも割に合わなかったため、それ以降は作っていない。

 渋い顔をしていると、麗華が心情を読み取ったかのように言う。

「今やミュージックビデオもインターネット配信が主流の時代。昔より低予算でハイクオリティーのものが作れるようになってるから、無名の若い新人があっという間に伸びていくのをあたしも間近で見てきたわ。でも、そういう子が伸びる理由は単純にデジタルツールを使いこなしてるからだとも思う。つまり、プロデュース次第ではあたしたちでも充分にチャンスがあるってこと」

「さっすが! メジャー出身者は違いますね!」
 話が通じたのが嬉しいのか、ショータは目を輝かせた。
「麗華姉さんのおっしゃるとおり、まずはサザンクロスの音楽配信チャンネルを作る計画です。そこで今お話ししたミュージックビデオを配信する。あぁ……。自分の脳内ではすでにバズってるイメージが浮かんでいます……!」

「言わんとすることは理解できるよ。ただ、僕らがライブ中心に活動してきたのはそれだけリアルにこだわってきたからでもある。そこは察して欲しいね」

 智篤の言葉を聞いて俺も思考を巡らせる。ウイング時代は二人の想いをライブで発散していた。ファンもそれを求めていたから問題なく成立していた。だけど今は目的が違う。顔が見えない人にこそ俺たちの音楽を届ける必要があるし、そのためには新しいことにも積極的に挑戦していく姿勢が必須の条件になってくるはずだ。

 ショータはなおも持論を展開する。
「もちろんライブもやります。ただし、ライブは顔の見えないファンが増えてから。最後の最後にやるのが最も効果的です。智篤兄さんだって、小さいお店を満員にするよりアリーナ級のライブ会場を満員にする方がいいでしょう?」

「……どうかな」

「あたしは分かるわ。数千人規模の会場でなら歌ったことがあるから。一度立ってみたら分かるけど、あの感覚は癖になるよ」

 大舞台に立つ。ミュージシャンなら一度は思い描く夢だ。もちろん俺たちの目指すところはバンドが有名になることではなく音楽を通して想いを伝え、智篤の言う世界征服を果たすことだが、一人でも多くの人が一堂に会すればそれだけ一氣に思いを広めることは出来る。俺がプロデューサーならきっとショータと同じことを考えるだろう。だけど、インディーズのミュージシャンである俺の心には今ひとつ響かなかった。多分、智篤の心にも。

 ――納得できない点がある……と。だから首を縦に振らないんだろう?

 腕を組んで怖い顔をする智篤に伝えると、彼はその顔のまま頷いた。

「ああ……。新しいことを取り入れなければ前進出来ない、というのは分かる。それが君の仕事だってことも。だけど、それによってこれまでのファンを失うことになるのだとすれば、君がどんなにいい案を出してこようとも受け容れることは出来ない。現状、ウイングやレイカ時代のファン、つまりは昔から応援してくれている人も多いからね」

「それなら一つ、考えがあります。そろそろ来ると思うんだけど……」

「遅くなってスンマセン!」


9.<智篤>

 駅から走ってやってきたのは、昨日ライブハウスを訪れた際に会ったバンドマンのユージンだった。合流した彼を見たショータは肩を落とした。

「やっぱり説得は失敗に終わったか……」

「だから言ったでしょう、急には無理だって! もう、時間に遅れちゃうから電車に飛び乗ったけど、あのまま説得を続けてたら今日は来れませんでしたよ!」
 二人のやりとりを聞いた僕は、説得できなかったという相手の顔を思い浮かべた。

 ブラックボックスはボーカルの女の子セナと、キーボードの男リオン、そしてエレキギターのユージンで構成される若いバンド。三人はきょうだいで、長子がユージン、セナとリオンは双子の姉弟きょうだいだ。年の差は四つほどだそうだが、なぜかユージンだけ中年である僕らの音楽や生き方みたいなものに惚れ込んでいるため、弟妹きょうだいからは老人扱いされている。数年前に一度だけ対バンした際は、ユージンが無理やり彼らを説得してのコラボだったとあとから聞いた。以降、三人は不仲となり、時々ライブハウスで演奏するほかは、ほとんどリアルでの活動をしていないと聞く。

「そんなに説得したいならショータさんが自分でやって下さいよ。その方が絶対に早いっす」
 ユージンは少し怒ったように言った。

「一体、ブラックボックスに何をやってもらおうとしているんだ……?」

 僕の問いに、拓海とレイちゃんも同意するように頷く。ショータはもったいぶるように僕らを見回したあとで、「ミュージックビデオ作りとグッズ販売の指南をしてもらうことです」と答えた。

 ――よりによって、俺らのことを良く思っていないあの二人に頼むのかよ……? 大丈夫なのか?

「え、何の話?」
 事情を知らないレイちゃんに僕から過去のことを簡単に説明する。彼女は拓海同様、不安げな表情を浮かべたが、そんな僕らを余所よそにショータは自信たっぷりに語る。

「どんなにいい計画があっても、メジャー界の息がかかっている人はおそらく協力してくれないでしょう。となれば、アマチュアの中から探すしかない。そこで目をつけたのがブラックボックスです。彼らは表立っての活動をほとんどしていませんが、自分たちで作成したミュージックビデオをウェブ上で配信していて、それが若者の間で人氣を得ています。また、オリジナルグッズも好評ですから、彼らに倣ってサザンクロスのグッズを販売すれば長年のファン層の心も掴むことが出来る。まさに一石二鳥なのです!」

「うまくやってるのはあいつらだけで、オレは蚊帳の外ですよ。なのに何でオレが説得役を……」

「今度は君が拓海兄さんと智篤兄さんを助けるんじゃなかった?」

「…………」

「助けるって?」
 レイちゃんが問うと、ユージンは困った様子ながらもぽつりぽつりと昔話を始める。

「人生に迷っていたオレを救ってくれたのが二人だったんです。当時高校生だったオレは進学する意欲もなくて、かと言って音楽一筋で生きていく自信もなくて……。そんなときに二人の、ウイングのライブを見たんです。年齢を感じさせない声量、研ぎ澄まされたギターの音、そして魂に響く歌詞……。そのすべてに感動したオレは音楽の道に進もうと決め、今に至ります。親には反対されましたが、双子の妹と弟が一緒にやろうと言ってくれたので、二人の高校卒業を待ってブラックボックスを結成。と、そこまでは良かったんですが……」

「僕らとの対バンを機に関係が悪化した、と」

 ユージンは悔しそうにうつむいた。
「……あいつらは年齢で判断してるから、兄さんたちの音楽をまともに聴いてない。それだけなんっすよ。ちゃんと聴けばいい音楽だって分かるのに……」

「僕らの音楽を買ってくれるのは嬉しいよ。だけど、好みは人それぞれだ。きょうだいだからといって同じアーティストを好きになるとは限らないんじゃないか?」

「……オレはそうは思わないっす。少なくともウイングの音楽はオレの魂を揺さぶった。ファンでもなかったオレの魂を。だから目指したいんです。オレたちの音楽もそこを。みんなが真似したくなる振り付けのミュージックビデオも、まぁ悪くはないですよ? だけど、ファンが増えれば増えるほどなんか違うなって……」

 ウイング時代の音楽を聴いて人生を変えた彼が、自分たちもそんな音楽作りがしたいと言ってくれている。誇らしく思う一方で、いい音楽を作ってきたと胸を張って言えるかどうかは正直、自信がなかった。何しろウイング時代の僕は今よりもずっとひねくれていたから。

 そんなことを考えている僕の前でショータが異論を唱える。
「自分らを売り出すにはとにかく注目を集めなければならない。そういう意味でブラックボックスはうまくやってると思うんだけど? 現に『シェイク!』のダンスは中高生がみんな真似してる。それってすごいことだぜ?」

「オレらは振付師じゃなくて、あくまでもミュージシャンなんですよ。分かりますか? オレが目指しているのは、目を瞑って聴いてもじーんとくる音楽です。それがホンモノってやつだと思うから」

 若者の見事な反論に感動したらしい拓海が拍手を送った。そして興奮気味に手を動かす。

 ――そう、それ! 俺の中にあったモヤモヤをよくぞ言語化してくれた! 注目されれば、興味を持った人が俺たちの音楽を聴いてくれるのは間違いないだろう。だけど……だけどやっぱり俺は腐ってもミュージシャンだから、そうすることで自分たちを売り込めるのだとしても……。言い方は悪いけどメジャー界のようなやり方で目立つようなことはしたくないってのが本音だ。

「……分かりました、分かりました」
 ショータは諸手を挙げた。

「相変わらず一筋縄ではいかない人たちですね……。だけど、自分にもプロの意地ってのがあります。ミュージックビデオを作る、これは絶対に譲りません。そのかわり、とことん歌や演奏に集中できるような形にするっていうのでどうです?」

「具体的には?」

「ソロステージみたいなイメージですかねぇ。余計なものは一切無し。これなら視覚情報は少ないから耳で楽しめる」

「なるほど」
 今度は話を聞いた瞬間に映像が目に浮かんだ。いや、音楽が聞こえるといった方が正しいかもしれない。

 ショータは続ける。
「兄さんたちのギター演奏と姉さんの歌が最大限映えるよう、編曲もなしで行きましょうか。でもそれだけだと地味すぎるから、手話でやりとりするメイキング映像も入れたいですね。そうすれば拓海兄さんが声を失ってることが伝わりますし、サザンクロス感も出るはずです」

「どうしても手話は入れたいんだな……」

「独自色を出すのは重要ですからね」

「……今の案、拓海はどう思う?」
 彼に問うと数秒の間があった後、悪くないと思うと返ってきた。それを伝えるとショータは満足そうに頷いた。

「サザンクロスの了承が取れたら、あとはリオンとセナの説得だけだな……」
 ユージンを見る目は、兄貴なんだからなんとかしてくれよと言わんばかりだった。

 彼らの不仲の原因は間接的だが僕らにある。なんとかしてやりたかった。

「……一度、うちに来ないか?」
「……三人で我が家に来てみない?」
 ――三人で遊びに来いよ。

 僕らの口から同じような言葉が同時に飛び出した。思わず顔を見合わせる。

「なーんだ。みんな考えることは一緒だな」

「うふふ。意見が一致して嬉しい」

 ――だな。というわけでユージン。一回でいい。自宅のスタジオに三人で来ないか? なんなら歌っていってもいいぜ。

 拓海の手話を代弁すると、ユージンは急に目を輝かせた。
「えっ? 自宅にスタジオがあるんですか?! そいつはすごい! ……実は歌ったり演奏したりする場所の確保が毎度大変で困ってたところなんですよ。結構お金、かかるじゃないですか……」

「なら、決まりだな……。日時はそっちが決めてくれ。僕らはいつでも構わないから。弟妹きょうだいを誘えたらここへ連絡して欲しい」
 僕は電話番号を彼に教えた。

「ホントにいいんですか? 絶対に連れて行きます。ありがとうございます!」

「へぇ、自分が言っても全然説き伏せられなかったユージンを……。やっぱり、何か持ってる、、、、よなぁ、兄さんたちって」
 話が進みそうな様子を見たショータが誰に言うともなく呟いた。


続きはこちら(#4)から読めます

※見出し画像は、生成AIで作成したものを編集して使用しています。

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いろうた@「今、ここを生きる」を描く小説家
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