【執筆後記】「クロス×クロス」~「普通の男」「普通の女」について徹底的に考えてみた~
まずは、「クロス×クロス」を読んでくださった読者の皆様に感謝申し上げます。
2022年初から半年間、「愛のカタチ」2作で真面目に「愛」を書いてきたので、続けて読んでくださっている方は、本作で私の作品への印象がずいぶん変わったのではないかと思います。
振り返ってみれば、7月頃から構想・執筆が始まった本作。もし、7月の銃殺事件がなかったら、こんなにぶっ飛んだ話にはならなかったでしょう。しかし、あのときは何だか心がとても沈んでしまい、「まずは自分の気持ちを上げるような話を書かなければ!」と思ったのです。
テーマについて
「愛のカタチ・サイドストーリー」で純とかおりを描いてから、同性愛やジェンダーなど、いわゆる「普通」から逸脱するとされる人々に関心が向いていました。自然と次の話(本作)もそういう方向で行こうと「とりかへばや物語」や「女装と男装の文化史(過去記事に詳述)」、同性愛者を主人公にした話などの資料を読み、少しずつ書き始めていたのでした。
そんなおりにショッキングなニュースが飛び込んできたわけです。奇しくもその出来事によって私の頭の中に住み着いていたキャラクターたちが刺激を受け、今回のような「異(性)装」をメインとした物語になっていったのです。
本作でのこだわり、挑戦、苦労話
書くに当たっては様々な資料を読んだものの、私の脳の構造では全く理解できない感覚を持つ人々をうまく描けるか、常に不安はありました。また、読んだ資料に登場する女性の多くが、男性社会に適応すべく男性になりきろうと努力するが、最後には男性と結婚・出産をする、という結末。同じストーリーはなぞりたくないという思いから物語の構成にも苦労しました。結婚=女の幸せにはしたくなかったんですよね。
また、これまで描いてこなかった「女同士の対立」にも挑戦。女を描くとなると、どうしても人数が必要だし、対立するからにはやはりある程度「悪者」にしなければいけないので心苦しい点もあり……。今回は主人公のミーナが「口の悪い女」だったこともあってなんとか対立シーンも描き切れたかな、と思っています。
本作は思いつきで書き始めた部分もあったので、どうしても行き詰まって何度も書き直したシーンもありました。今回サブで登場した、廉とモネの二人がまさにそうで、最高の結末に持って行くため、どう動くのが最善かをかなり模索しました。まさか最後、こんなふうに動いてくるとは私も想像していませんでしたが(笑)、みんなハッピーになって本当に良かったと思っています。
なんと7万字!
「クロス×クロス」の文字数は、今年最長の七万字超。過去キャラを登場させた影響もあるとは思いますが、長文を書いたという実感もなく、比較的楽しく書き切ることができた作品でした。それもこれも、読者の方のお陰と感謝しています。
大昔は(20代の頃(^^;))、「Aの作品の登場人物はBには出さない、完全新キャラだけで書く!」という謎のこだわりがあったのですが、今はそれこそキャラを「クロス×クロス」するのがとても楽しくて、読者の方にも、過去作品を読めば読むほど楽しんでいただけるようになってきました(あのときのあのキャラがここで出てきた! と言うワクワクドキドキを味わっていただけます!)。
もし、本作を読んでいろうた作品が気に入っていただけましたら、過去作品もぜひ読んでみていただけると嬉しいです!
ちなみに、本作で名前だけ登場のあのキャラたちは、こちらの物語に登場します。
・プロ野球選手の永江孝太郎と本郷祐輔
・元K高野球部女子部員、春山詩乃
→「好きが言えない」シリーズ ①、②前編、②後編、③
・塁の兄、橋本純と恋人のかおり
→「愛のカタチ・サイドストーリー」
改めて、最後まで読んでくださりありがとうございました(^-^)
なお、本作は後日、#1~#14(最終話)までを「完結小説」として通しで読めるようにまとめる予定です。通しで一気読みするとまた違った感想も生まれるので、ぜひ一読ください!
ちっちゃなお知らせ:
実は、次回作の「案」が一つあります。まだ案の段階ですが、固まってきたら順次、お知らせしていこうと思っています! 楽しみにしていてください!
💖本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございます(^-^)💖
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