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chatGPTの流行から情報との出会い方について思うこと

ほんの2年ほど前にはAIが書いた小説が星新一賞の選考を通過したことに驚かされましたが、
もう今やAIが、SNSやBlog、WEB記事の文章を書くことにはさほど驚かされることがなくなって、人間が書いた文章と区別するために認証マークを付けることが検討されるまで、AIによってより自然な文章が作られるようになりました。

こういった流れは、chatGPTのような、多くの人が使えるサービス(使い易いサービス)がどんどん登場することによって、より加速していくことでしょう。


潜在的な興味に”偶然”出会う喜び

chatGPTをはじめAIによる文章生成が進歩し、広まることで、
「書きたい側」にとってはかなり便利になってくる一方で、
「読みたい側」としてはなかなか難しい時代になってきたと感じています。

それは「AIの書いた文章は読みたくない」と断じたいわけではなく、「自分が欲する情報にどのように出会うか」という問いです。

もちろん「この情報が欲しい」というのが明らかであれば、これまでであればWEB検索を用いればよいですし、今後は、chatGPTのようなAIサービスに投げかけることで、必要な情報にアクセスできます。

一方で、SNSというのは、「この情報が欲しい」と自分の中で明確化されていない「潜在的に興味ある情報」に偶然出会うことにも、良さがあったと思います。

何となく眺めていたら、とても惹かれる写真を見かけて旅行先に決める
昔よく聞いていたけど忘れてしまっていた音楽に再会する
友達が参加した研修の感想をみて、自分の仕事にもつながるかもと調べてみる

そんなことが、SNSでは時々起こります。

もしそんなSNSの中に、AIの文章が大量発生した時、
「潜在的に興味ある情報」への偶然の出会いが減ってしまう恐れがあるのでは?と、考えてみたのです。
そしてもしそういった恐れがあるなら、何か対策したいな…と感じている自分に気が付きました。


どうやって情報に出会うのか

昨今のchatGPTなどの変化があってもなくても、
潜在的な興味ではない、必要そうな情報・関連がある情報のみが表示されやすくなる状況は、
SNS内におけるAIによって、「フィルターバブル」と呼ばれる現象としてすでに起きていたことでもあります。

フィルターバブル 説明 (令和元年版 情報通信白書より)


なので、今後のAIへの対策と捉えるのではなく、
これをひとつの契機として、改めて「情報への出会い方」について考えてみるというスタンスとして考えてみます。

・・・考えてみましたが、
やっぱり明確な答えを求めるのは難しかったです…。
欲する情報も人それぞれでしょうから、やり方も様々でしょう。

ただ、ひとつの考え方として、
大量多種の文章が一気に流れ込んでいる「全体」を漠然と眺めるよりも、ある程度特徴的な情報があつまる「領域」を探した方が、欲する情報に偶然出会う確率が高くなるのではないか、と考えてみました。

その「領域」をいくつか探しておくことが、対策の1つになり得るのではないでしょうか。


偶然の出会いを求めるなら、技術の対策よりも人とのつながりが大事なのでは?


特徴的な情報が集まる「領域」を求めると、SNS上でもリアルなつながりでも、それはつまり「コミュニティ」ということになります。

渾然一体の、大量情報の流れの中に、欲する情報を期待するのではなく、
欲する情報が雑談的に会話の中で起きそうな「人たち」を探したり、集めたりする方が、欲する情報に、偶然出会える確率を上げることができるのではないか、ということです。

そして、そのようなコミュニティを複数見つけておきます。
(一つだけだと、結局バブルに中に閉じちゃうかもしれませんよね)

今後AIがより便利になってくる社会において、今よりもさらに必要になってくるのは、「いかに良い情報を取るか」よりも、「いかに良い人と出会えるか」の方なのかもしれません。



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