嘘つきだったわけ
視力が弱いマキノタイチです。
あなたは「嘘つき」と言われたら腹が立ちますか?
私は腹が立ちません。
なぜなら、初めにハッキリ言っておきますが、私は嘘つきだったからです。
今までの人生では何千もの嘘をついてきた自信があります。
◆嘘はつらいのに…
冒頭でカミングアウトしたことは何ら大げさなことではありません。
思い出すと、すでに幼稚園のころから嘘をついていたような記憶がうっすらとあります。
小学生のころになると明らかに嘘をついていた記憶があります。
もちろん嘘ばかりついていたわけではありません。
もし嘘ばかりついていたら、私は生きてなかったでしょう。
なぜなら、辛すぎるからです。
嘘だけで成り立っている人生なんて、考えただけでもゾッとしてしまうし、本当の楽しみが味わえないでしょう。
だけど、その辛くなるような嘘をつき続けてしまっていたなんて、いったい
どんな理由がそこにあったのかを考えてみました。
◆嘘つきになった理由
「人をだまして困らせてやろう」
私の嘘はこんな嘘ではなくて、自分を守ろうとしてついた嘘がほとんどでした。
忘れ物の常習犯だった小学生時代。私は言い訳の天才でした。
感じの書き取りを忘れると「昨日は親戚のおばさんが入院して…」「学校にノートを忘れてしまい気づいたのが夜で…」などなど。
咄嗟(とっさ)であっても頭は働く。
「自分が悪いから」ということを絶対に認めたくないという感情があったのだと思います。
ようは、メンツ。
メンツを傷つけられたくなかったのです。
プライドともいうのでしょう…
・カッコ悪い目にはあいたくない
・ダメな人だと思われたくない
・できない人間だって見られたくない
このような自己防衛本能が働いたのだと思います。
◆嘘を嘘にしたい!?
誰かに責められそうになると嘘をつく。
その後、決まって行うことがこれです。
『自分の嘘をチャラにするためについた嘘を真実にする演出をする』
これは
嘘に真実味を持たせるための嘘をさらについたり、嘘をごまかす嘘をついていくということです。
考えただけでも疲れる作業なのですが、嘘つき少年の心の中なんてこんなもので、このアホな作業のくり返しにより人知れず (自分も気付かず) ストレスを溜めていく日々。
いったい苦しいのに何故そうしてきたのか?
自分でも解りませんでした。
「いったい、なぜなんだ…??」
人には相談できず1人で悩んでいました。
◆他人のメガネ
視力が2.0の人は、視力矯正のメガネなんてかけたことはないと思います。
私はあいにく中学1年生から近眼になってしまったので、メガネの生活を強いられました。
そうなって初めて気付いたのですが、近眼の同級生って多かったんです。
普段はメガネをしていなくても、授業中などにかけている友だちが案外いたのです。
するとレンズの厚さにも注意がいきます。
当時、牛乳はほとんどビンだったので、ビン底に匹敵しているレンズを見ると笑うどころか恐ろしくなりました。
「あんなのかけるようになったら…」
幼心に恐怖感を覚えました。
そんなある日、家にメガネを忘れてきてしまったのです。
そして何の授業だったかは忘れたが、友人にメガネを貸してと頼みました。
ものの3分もしないうちに気持ちが悪くなってきました。
そこで視力が同じくらいの女子に(※男子じゃないところがミソです)「ちょっとメガネ貸してよ」と頼んでみましたがやはりダメ。
視力はだいたい同じくらいなのに、左右のこめかみが重くなってきて、気持ちが悪くなってくる始末です。
なぜなのか…
後になりよく考えたら、こんなことのくり返しが自分の人生だったってことに気が付いてしまったのです。
・母のメガネ
・父のメガネ
・上司のメガネ
・組織のメガネ
・親友のメガネ
・兄弟のメガネ
・彼女のメガネ
・実の子どものメガネ
・先生のメガネ
・偉い人のメガネ
だれのメガネを借りても何となくは見えるのですが・・・自分のピントに合うことはなかったということです。
◆誰の人生?
私が何に気づいたのかというと、他人のいろいろなメガネを無意識に疑問も持たずかけて何十年も過ごしてしまった…
ということです。
・母のメガネ
・父のメガネ
・上司のメガネ
・組織のメガネ
・親友のメガネ
・兄弟のメガネ
・彼女のメガネ
・実の子どものメガネ
・先生のメガネ
・偉い人のメガネ
「多くの人は、自分のメガネで世の中を見る前に人のメガネを使ってしまうことで気持ち悪くなったり頭が痛くなってくるのでは…」
と感じたのです。
実際「嘘をついてしまう」という自己防衛本能は、≪他人のレンズから自分という独自の価値を守ろうとしている行為≫ではないでしょうか?
メガネを貸してあげている方は罪の意識はない。
なぜなら、その人にとっては快適に見えるからです。
それどころか、、、
「いいか、貸してやってるんだからその通りに物事・出来事を見ろ!! 」
と潜在意識で威圧しているのかも。
さらにそのとき「お前のためだよ」という、子どもにとって最悪な呪文を大人は悪気なく多用するのです。
親、先生、その他の人。
気がつかないうちにその人たちのレンズで物事や出来事や世の中を一生懸命に見ようとしていた自分。
「誰の人生を生きてんだよ…」
こうつぶやいたのは、中学生の私ではなく40歳を越して何年かした私でした。
P.S.
うちの子どもたちへ
ビジネスとコピーライティングは
パパを嘘から救ってくれました。
「自分に正直に生きる」
なんて口で言うのは簡単だけど
ほとんどの人ができないこと。
ビジネスとコピーライティングは
嘘つきな私に正直になる「道」を
示してくれたんだ。
よく
「あなたのお仕事は何ですか?」
と聞かれるけどパパは
「私がマキノタイチとして生きること」
だと思ってるんだ。
from パパ