白の色彩学-あなたを疲れさせる白い壁とは?
あなたが今お住まいの家は白い壁ですか?
白を基調としたモダンでスタイリッシュな建物は最近の主流ですし、現代人のデジタルでミニマムな暮らしにも合うので好まれているかと思います。
また、白はどんな色と組み合わせても色を引き立たせる万能カラーですし、今では白壁は日本の住宅のデフォルトですね。
白は決して単調すぎたり地味な色でもないです。
パリにデザイナーのマルタン・マルジェラがデザインした「ラ・メゾン・シャンゼリゼ」という真っ白な室内で有名なホテルがありますが、白のみで統一されていることが逆に新鮮で出来た当初とても注目されていました。すごくモダンで洗練されていて私も憧れのブティックホテルです。
たまには、こんな異空間行ってみたいなー!と思うのですが、毎日過ごす部屋に関しては、白すぎる壁はあまり体に良くないと思っているのでその件を書きます。
まず、簡単に白について説明します。
白や黒、グレーは、無彩色といい、明るさを表す明度という属性だけで表されます。明度0〜10までの数値で表しますが白は10です。
また、色は物体に光が反射して見えるのですが、"本当の白"というのは入射光を100%反射する色です。
明度10で、100%反射する白は実は人間には見ることはできません。ちなみに蛍光灯は100%を超えています。まぶしてくて見ていられないのです><。
で、私たちが通常感じている(見えている)白は反射率88%です。(黒は2.4%)
壁の話に戻りますが、インテリアの壁面は反射率60%を超えてはいけないという原則があります。
もしあなたが真っ白空間が好きだとしても、真っ白の壁にすると、反射率88%で反射しすぎていて眩しく、部屋の緊張感が増すので、大好きな白だったとしても、知らぬうちに疲れてしまうのです。
例えば塗りたての白いペンキの反射率は75%です。これでもまだ60%より高いですね。古く汚れてくると55%くらいに落ち着いてきます。
結論としては、私のオススメはオフホワイトを選ぼうということです。
色の数値(明度・彩度)の話は、割愛しますが、黄色、赤、紫など温かみのある色がほんのちょっとだけ含まれる白がオススメです。
ベージュやグレージュなどニュアンスカラーの壁にすると、部屋の印象を左右してしまうほどの影響力はないのでどんなお部屋の雰囲気にもマッチしますし、部屋がふんわりと柔らかい雰囲気になり、目や体がホッと落ち着く空間になります。
もし機会があれば部屋をペイントするのがオススメです。臭いもほとんどしない水性塗料でDIYすれば気軽に色を変えられますし、壁紙にはない絶妙な色展開が豊富です。
ということで当たり前すぎてあまり注目されない、だけど本当は大事な白い壁の話でした。
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