散文【ぼくの新しいスキル】
ぼくは争いごとの嫌いな物書きだ。
世の中が混沌としてくると、賢い人は生き残るための知識やスキル、それに体力を身につけ変化に対応しようとする。
もしもに備えて田舎に移住する人や、備蓄に走る人もいるだろう。
ぼくも少しは備えている。
家族を守りたいからだ。
ただ護身用に買った武器だけは、悩んだ末に捨てた。
軽犯罪法に引っかかるとか、そんな心配をしているのではない。
万が一、争いは避けられないというなら、ぼくはダンスバトルをしようと思う。
生き残るためのスキルにダンスを選んだぼくは馬鹿だろうか?
玄関のチャイムが鳴った。
豚の角煮が届いたようだ。
「はーーい!!」
ぼくは玄関に背中を向け、ムーンウォークで廊下を進む。
大丈夫、未来はぼくたちしだいだ。
終
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