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AIナレーション作品作ってみた~ナレーター・声優がAIナレーションに勝つためには~

私のnote記事をいつも読んでくださっている皆さまにはすっかりおなじみの「みんなの教科書」6年ほど前から始めた、まちづくりまちおこしを目的としたPR動画プロジェクトで、これまでたくさんのナレーターさんや声優の皆さん、イラストレーターの方や音楽家の方などにご協力いただきました。

そして今回、新作を作るにあたり新たにメンバーとして加わったのが、株式会社AHSが発売しているAIナレーションのVOICEPEAK!商用可能で6人のナレーター(男性3名、女性3名)と幼い「女の子」の声で制作可能となっています。原稿を入力し、アクセントや音の長さ、速さ、高低などもかなり細かく簡単に調整ができるため、現在超絶大人気となっています。

昨日はその新作を発表し、SNSで拡散したところ、たくさんの反響をいただきました。

AIナレーションに仕事を奪われてしまうんじゃないか?と、ナレーター声優界隈は戦々恐々としていますが、実際のところ皆さんはどう思われますか?

私が考えるに、このAIナレーション「VOICEPEAK」の出現によって、1クール待たずに淘汰が始まるでしょう。というか、もうすでに始まっています。ココナラやランサーズで声のお仕事をされている方々で、1案件3,000~5,000円程度で活動をされている方々は、かなりの割合で淘汰されてゆくのではないでしょうか?だって、30,000円もあれば「VOICEPEAK」が購入できてしまうのですから、ビギナーの生身のナレーターさんや声優さんに10回発注するのとほぼ同額なんですよね。しかも「VOICEPEAK」は購入してしまえば商用可能で数百回使ってもお値段変わらず。そうなれば考える間もなく、「VOICEPEAK」一択となるでしょう。

なんだかナレーターさんや声優さんたちの先行きがものすごく暗くなってきましたが、AIナレーションの出現によって、ナレーターさんや声優さんたちは過去の遺物となってしまうのでしょうか?

実は、私はそれほど未来を悲観するものでもない…と感じています。AIナレーションの進化は日進月歩で、昨日の技術がすでに古い…というくらい成長が目覚ましく、あくまでも2022年4月の時点での見解と受け取っていただきたいのですが、実際にAIナレーションを使ってみて私は思いました。

ナレーター・声優の活路は充分にある

と。やっぱり現段階では生身の人間には生身だからこその得意技があるし、AIナレーションにAIナレーションならではの得意技があるんです。

「AIナレーション」というと、原稿をコピペするだけで本物のように読んでくれる!と思っている方も多いと思いますが、実はここに大きな勘違いがあります。ようはプログラムなので忠実すぎるんですね。細かい調整もいろいろできるのですが、「AIナレーション」は監督や編集者といった実際に作業をする人間のスキルやスペック以上にはなりません。監督や編集者がダメダメなら、「AIナレーション」もそのダメダメさを忠実に形にしてしまうんです。誤字は誤字として読むし、監督や編集者がアクセントやイントネーションに不勉強であれば、そのまま形になってしまいます。「AIナレーション」を活かすも殺すも監督や編集者のスキルやスペック次第という事になります。

今後、綺麗な声で活舌よく淡々と読み上げるのなら「AIナレーション」は一択だと思います。そんな状況のなか、今後私がナレーターさんや声優さんたちに望むことは「オリジナリティ」です。その方ならではの話し方、間の取り方、抑揚の付け方、声質など。ナレーターや声優って、やっぱり「またあの声が聴きたいなぁ」があるんですよね。声が醸し出すその人の生きざまというか。だからこその安心感みたいなね。もちろん今後は「AIナレーション」もどんどん進化をしてきますので、細かな調整で追い込めば到達可能な範囲かもしれませんが、何分何時間かけて調整するよりも、お目当てのナレーターさんや声優さんなら秒で解決ですよね。

あとよく現場で助かるのは、「AIナレーション」が忠実過ぎるくらい忠実なのに対し、生身のナレーターさんや声優さんにお願いした場合、監督や編集者のスキルやスペックを越えた知識や提案がいただけたりすることもあるんです。監督や編集者だけでは起きえないミラクルが起こることもしばしばなんです。知識のデータも「AIナレーション」に覚えさせることはできますが、それを引き出す人間のスキルやスペックがダメダメでは、せっかくのデータも引き出せなかったりしてしまいます。そう考えると、ナレーターさんや声優さんの未来は、実はそれほど暗雲立ちこめるような状況でもないのかな?というのが、私の見解です。

なのでまとめると、ナレーターさんや声優さんに今後求められるのは、上手に活舌よく読むというのももちろんなのですが、その人ならではの個性がかなり重要視されるようになってくるのではないか?だと思われます。あとは地域ごとのアクセントや方言の知識とか、言葉や単語、ことわざなどの正しい使い方、ネイティブな外国語、あとは収録時の咄嗟の対応力、現場でのクライアントとのコミュニケーション。そのあたりが超超超超大事なポイントになってくると思います。

まぁ、だいたいこんなところでしょうか。ww

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