朔ちゃんが死ぬという情報だけで何も知らない文アルの舞台を観劇したオタクの文劇3振り返り

ある九月十五日の通勤中、友人とのLINE

私「ていうか朔ちゃん死ぬの?俄然みたい」
友人「朔ちゃん死にます」
私「えーんみる~」

~七分後~

私「買ったわ」


この頃ようやく白さんがさとちゃんである事に気が付き運命を感じました。あれから十二日が経ちまして、文劇3は大千穐楽を迎えました。結局三回(二回現地、一回配信)見ました。ダバダバ泣いてたせいか鼻水が止まりません。



好きな詩人が萩原朔太郎と中原中也だったので、というか白状しますが「月に吠えらんねえ」のファンでして萩原朔太郎が好きなんですよ、中原中也は舞台「る・ぽえ」が好きです。どちらも解像度上がるのでぜひにと言いたいです。新人ですが詩人推しの方にはおすすめです。

まあそれで萩原朔太郎の死に際を楽しみにルンルンとステラボールに行った訳です。中也君も出るし白さんさとちゃんだし太宰治平野良……えっ平野良?昨年末の明治座でさんざんお世話になったのですが?パンの歌なの?朝食はごはんがいいの?和食がいいの??となり友人に聞いたら「一瞬ね」と言われました。美空ひばりでした。

楽しみにしていた死に際は芥川さんが落ちた時点で「は?」となっていました。聞いてねえぞ。ていうかボルステの傷を抉るな。舞台「RE:VOLVER」に狂いに来るってたオタクなのであの死に方された時に思わず俯きました。阿羅来さんやんけ。そして流石に没年垂れ幕はこんな事言うの嫌なんですけど人の心がなさ過ぎる。



※9月16日のふせったー


もっとネタバレ踏んでから当日引換券買えばよかった(昨日踏んで昨日取って今日行きました)(坂降りながらまだ泣いてた)

あの本当に朔ちゃん(推し詩人)が死ぬというネタバレだけでルンルンで観に行きまして、それはそれは大事な役所なのだろうと、なんだあれは、なんだったの?

文アルを知らなかったのでフォロワーが文アルにドボンして文劇観てチケット増やしてとしていたのをワロスとか言いつつ勧められても原稿終わったらねとか言ってました。二日前まで。 私的には約七ヶ月ぶりの舞台で、推し詩人が朔ちゃんと中也くんと揃い踏みで、白さんがさとちゃん(テニミュ1stのオタクかつ最初に好きになった俳優さんがさとちゃん)で、フォロワーも狂ってるし舞台行きたいし朔ちゃん死ぬしと軽い気持ちで、行きまして、今二枚目のマスクです。

小説を書く事が大好きで大嫌いで小説を愛しているので小説を書いている身なのでなんか後半ずっと泣いてました。太宰があほかわいくて、白さんが素敵で、朔ちゃんが愛らしくて、感想とかよくわかってないのですが、とても深く刻まれました。

肉声のシーン、ああ私は演劇を観ているって思って泣いていて、それ以前から泣いてはいて、でも感動はあそこが強かったです。さとちゃんのあれを観れて良かった。本当に良かったです。怖くて泣いたのは念仏〜のくだりで、ああこれは"日本"なんだと、そこでようやく理解というか痛感して、これが私の生きる場所なんだと思ったら怖くて仕方がなかったです。

ところで私はボルステのオタクでして芥川さんのシーンでふざけんなよとなりました。吉谷さんの舞台そんなに量観てる訳ではないのでいつもの事なのかもしれませんがだからって死亡したら垂れ幕とか初めて観たぞ。私は刀ステやTRUMPシリーズのオタクでもありますが赤い血液の人の心を理解したなにかを恐ろしく思います。作家って。作家って。

作家って、すごいなって、なにかを生み出すこと、それを伝えること、が、どれだけ辛らくてどれだけ幸福かは知っているつもりでいて、勿論文豪たちと同じ視点には至らないのですが、でも絶対に消さないというか、私は書いて生きて行こうと、物語を愛した事を絶対に誰にも侵させないというか、だからよくわからない事になっていまして、電車でまだ泣いています。多分永遠に纏まらないのでこの辺りにしておきます。

朔ちゃん、ありがとう、私はあなたの言葉を愛したし、また素敵なものをくれました。
とりあえず原稿を終わらせてからアニメを見たいと思います。文アル、現パロ待ったなしですね。ありがとうございました。


※朔ちゃんが死ぬという情報だけで何も文アルを知らない(強いて言えば朔ちゃんが三津谷亮なのは知ってた)人間が朔ちゃんの死際を楽しみに文劇に行った感想



※チケットを追加した9月19日のふせったー


・文劇こわ
朔ちゃんが死ぬからというネタバレだけでビジュアルも把握しないまま観劇に行ってから3日くらいの者が「こわ」とか言ってるこの現状、歴戦の司書のみなさんのメンタルが心配です。

今回は泣かずにというか俯瞰で話を追いながら観れたのですが、おかげさまで「いやこわ…」となりながら劇場出ました。2.5ってまず原作がある事が殆どなんだと思うんですが(よくいく.5が刀ステなのでバグってる自覚はあります)即ち地獄の予習は済んでるじゃないですか。地獄の深さも一瞬の笑えるポイントも自分なりの救いとかも把握しているはずで。それがなくてしかもアレなのこわい。没年垂れ幕人の心なさすぎるし、朔ちゃんに白さん撃たせるやつのやりやがったな感。結局全滅ENDな現実。いやこわすぎでしょ2.5。


・だざぴ弁当箱さげてない
なにをさげてるのかわからなかったので弁当箱でもさげてんのかなかわいいなと思ってました。本なんですね…。ちなみにこのネタバレは文劇初観劇から今日に至るまでの数日のうちに踏んだのですが、私は観劇した日はしばらく泣いて翌日も朝泣いて仕事があるのに化粧が進まず、仕事中も休憩時間は泣いてました。2日目くらいに涙は落ち着きましたが幻覚は強くなりました。


・ライネスが聞こえる
朔ちゃん(館長)が白さんを撃つシーン、どうあがいてもライネス(TRUMPシリーズの取り返しのつかない劇中最も目を閉じたくなるシーンで流れるBGM)です。ありがとうございます。ところでライネスはライネスでも聞いてるのは犀っぽいですね。

あと今日はじめて朔ちゃんが外すの見ました。館長にカンチョーして指折って「館長の尻メタル」とか言ってました。「お尻を大事に…」とか言ってて可愛かったです。バツでした。

※ライネス追記
絶対にグランギニョルバージョンのライネスですよね



個人的な話


私は大学では人文学部に所属して、中でもものを書く事を学んで来た人間です。小説を書き始めて十余年、もうものを書く事は私の全てで、ものを書かない私は私ではなく、私の感情表現はものを書く事で行われます。小説を愛していて、大好きで、大嫌いで、というのは初観劇の時のふせったーでも書いたのですが、だからこそ刺さったし、その傷は私にとって得難いものになりました。貫かれた痛みが私を私たらしめるとさえ思う程に、文劇3は今の私にとって必要なものでした。

あまり感想には書かなかったのですが、白秋先生のあの叫びが、本当に聞けて良かったと思ったし、言ってくれた事がすごくありがたかったです。人文学を学んでいました。教授に何をする学部かと尋ねるとどの教授も別の事を答えるような学部でした。たくさんの文化芸術を学べる所でした。人間の生み出す全てが私の興味の対象でした。小説や詩歌に限らずに、全てを無くしてみればいい、そう言ってくれた瞬間に嗚咽を堪えるために唇を噛みました。

舞台が日本である事がとても恐ろしかったです。私は日本という国の持つ文化が、言葉が好きです。大好きなのに国家としての日本に愛しているよと言えない事を、ずっと見て見ぬふりをしていました。それなりに、私も鍵をかける事は得意です。そういった見ない振りをしていた事すらも、恐怖でしかなかったです。日本という国がとても怖いです。それは情勢のせいなのかもしれません。だけど私は、この国の文化を心底愛しています。

文化、というものは、人が作るものです。人が愛したから生まれるものです。求めているのは国なんておおきなものではないのです。「作者」が、「受け手」が、「私」が、「人」が欲している。

これは今日配信を見ていて考えていた事なのですが、私にとって文学というものは水です。命を繋いでくれるものです。酸素ではないけれど、無ければ枯れてしまいます。息はできても、生きてはいけない。文化芸術のない命なんて私はいらない。私から何も奪わないで、そんな事を考えました。

小説の事を、ずっと私は靴だと思っていました。素敵な所私を運んでくれるものです。だけどもう、そんな次元には置いておけない。私を生かすものなんだ、そう思ったのは、今年になってからです。たくさんのものを奪われました。たくさんのものを諦めました。それでも私は小説を捨てられませんでした。小説に縋りついて、これだけは絶対に離さないと決めました。

そんな事を強く思い出しまして、ああ今この時にこの舞台が観れて良かったと泣いていました。動機がアレですが(友人には「(全員死ぬならそうと)言えよ」と文句を言いました)受けたものが全てです、私は、あなたに出会えて良かった。ステラボールで、きっと私は文劇とお見合いをしたんだと思います。

終わり方がわからないのでこの話はこのあたりに致します。



文アルの現状

朔ちゃんと白さんはレベルが20になりました!おめでとう!白さんがいつも怪我をされないのでたまには拝見させてほしいなと思っている次第です。

書籍は集めている最中です。今読み込んでいるのは「からたちの花」です。ずっと読んでいられます。朔ちゃんを楽しみに行って白さんの女になって帰って来て助手も白さんですね、はい、最近ようやく犀が来ましてあとは芥川先生を手に入れて北原一門かつ田端な会派を作る事が夢です。

アニメは5話まで視聴しました。OPが凄い好きで、言うまでもなく4、5話で呻いてます。前に進めません。

文劇3のグッズは発送待ちですね!香水やら朗読CDやらも欲しいです。なくなる前に買います。アニメイトで特集棚とか見てると「どこそこは棚があってええですのう」とか思うようになりまして地元アニメイトにおかれましてはぜひ文アルのコーナーを作ってほしいです。全部密林で買ってる。届く箱がでかい。

ともあれ私の文アルは始まったばかりなので、明日には文劇1を、1を見たら2を、そしてアニメを見て書籍とグッズと集めたりとしながら、ものを書いて生きていきたいと思います。

思いもよらない素敵なものに出会いました。文劇3、どうもありがとうございました。