物書きとしての至上の幸いを得た話
はじめて小説を書いたのは十一歳になった頃だった。小学五年生の、国語の時間で、ある一枚のイラストから書いた猫の話だった。そしてその小説はどうやら市の冊子に載る事になったようだった。当時は中学受験に向けて遅くまで勉強していたのに、その勉強の後に小説を書き直して、学校に行って担任に提出して、担任の添削を受けて、学校を過ごし、塾に行って、帰宅してからも勉強をして、それから小説を書き直して、少しだけ仮眠をとって学校に行って担任に提出して、という生活を暫く続けた。小説は無事に他の小学生た