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縫い目の綺麗な言葉
労働のこと、好きになれたら幸せになれるのにな……と、好きな人にはモテない女、みたいな気持ちで毎日労働してます。
仕事が好きという、これまで私があまり味わったことがない感覚を持ち合わせている人間がこの世にはそれなりの人数いることを想像すると、羨ましすぎて一瞬で心が死にそうになる。
だが今日、とても素敵なご婦人がいらして、少しだけ労働の良さを実感する機会をくれた。
とにかく素敵なご婦人だった。私の感性を優しく褒めてくれる言葉に、どう返すのが正しいのか、的確な言葉を探しすぎて言葉につまってしまって。
上手く言えないけどすごく嬉しいですってことを伝えたら「私はお世辞が苦手だから」と、可愛らしい笑顔をむけてくれて。帰り際まで素敵だったなあ。
その後、お昼休憩に入って、夕飯のおかずの残りを詰めただけのお弁当をあたためて一人黙々と食べながら、ご婦人の言葉を思い出して、とても泣きそうになった。
今日のお弁当、昨日も食べたご飯なのに、昨日より美味しいなぁ、って思った。
なんていうのかな。ご婦人が帰った後もずっと、お話ししていたときの心地よさが私の中を揺蕩ってた。
気持ちよく働くって一人じゃ難しいけど、労働のことを好きになる方法のうちの一つなのかもしれない。
好きなことを仕事にできたら働くことも好きになれるんじゃ? ってそればかり考えていたけど、働くことを好きになる方法ってそれだけじゃないんだな、と気付くことができた気がする。
同時に強く思ったのが、私がどこかに出かけたりして、別の場所でお客さん側になったとき、そこで働いている人たちが「気持ちよく仕事ができたな」って思ってもらえるようなお客さんでいたいな。
さて今日は、神様みたいなお客様に会った日でした。
帰り道、大きめの鼻歌うたっちゃったもんね。