海底堆積物
こんにちは。いろはです。海洋学お久しぶりになってしまいました。それもこれも、ポケモンとSideMと千銃士が楽しいのがいけない。バレンタインお疲れさまでした。バレンタインお疲れさま、とは一体。
今回は海底堆積物についてになります。
海底の表層は、海底の岩石の上に様々なものが降り積もってできています。これらをまとめて海底堆積物(sediment)といいます。
土砂は主に河川から流入し、重い砂は河口近くに、軽い泥は大陸棚まで運ばれます。直接河川の影響を受けない深海の堆積物は、黄砂や火山灰に由来する岩石起源堆積物、生物の死骸に由来する生物起源堆積物、海水中の化学反応によって作り出される生成物に由来する水圏起源堆積物、隕石などに由来する宇宙起源堆積物、またヒトに由来する人為起源堆積物に分類されます。大陸棚上に積もった陸由来の堆積物は、地震などによる乱泥流により陸棚斜面上部から海底谷に沿って時速80~100kmの速さで深海底に滑り落ちることもあります。この乱泥流により運ばれた深海堆積物はタービダイト(turbidite)と呼ばれます。
深海堆積物の厚さは主に海洋上層の生産力によって決まります。 大西洋では500 m 、太平洋では300 m程度です。 生物起源堆積物のうち石灰質の殻を持つ有孔虫は水深4000 m を超えると水圧のために炭酸カルシウムが海水中に溶け出してしまうためそれ以深の海底では見ることができません 。有孔虫や円石藻(ココリス)、翼足虫の遺骸である石灰質軟泥は、ケイ素の生産性が低く、炭酸カルシウムが溶けない比較的浅い深海に存在します。いっぽう南極海、北太平洋、ベーリング海など生産性の高い海では表層でケースや放散虫の以外から珪酸塩が大量に生産されます。そのため水中や堆積物表層では溶けきれずケイ素軟泥と呼ばれる堆積物を作ります。
陸の岩石の風化物質である、粘土物質のアルミノ珪酸塩による堆積物は、有機物起源の堆積物が溶けたり分解したりして存在していない太平洋亜熱帯域の海底で見られ、赤粘土(red clay)を形成します。
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