見出し画像

「愛のループの着火剤になる」10年間勤めた会社から独立したブランディングデザイナーYUMIさんのLife story

人生は、思いがけないことの連続。だけど、人生にはいつも”自分の意志で決められる選択肢”が必ずある。

2024年7月末。ブランディングデザイナーとしての活動を本格始動したYUMIさんは、キャリアアップに燃える会社員8年目の2021年に結婚、妊娠。思いがけないライフステージの変化に、産休中は社会から離れたような寂しさを感じ、これからの生き方を模索したと話します。

そんな彼女の転機となったのは、コロナ禍真っただ中の2023年。当時デザインを学んでいたYUMIさんは、オンラインの場に参加する機会が増えたことをきっかけに、自身のオリジナルZOOM背景を作ったところ「これ好き!」と夢中になっていたことに気がつきます。

「背景を作ったら、喜んでくれる人いるかな?」

そんな興味と純粋な”やりたい”が掛け合わさり、初めてのデザインサービスを立ち上げることに。そこから自身のブランド「unbalance(アンバランス)」が生まれました。

以前のインタビューから9カ月が経ち、迎えた2024年7月31日。YUMIさんは長年勤めた会社を退職し独立するという、想像もしていなかった”新たな節目”を迎えます。

どんな想いでこの選択に至ったのか。そして、今のYUMIさんが描く未来とは?これからも続く人生の挑戦、そのひとつの節目のストーリーを綴ります。

ブランディングデザイナーYUMIさん


チームで働くことが好きな私に、独立願望はなかった


━━独立初日の今日(8/1)率直な今の心境は?

YUMIさん(以下、敬称略):やっぱり、将来に対する不安もありました!気持ちが落ちる瞬間もあったんですけど、でも、その直後には今までアドバイスをくださった人、助けてくれたいろんな人達の顔が浮かんできて。

お客様なのに応援してくれる人だったり、大好きなみなさんが応援してくれていることを思い出して「あ、私大丈夫だ」って。その関係があることに感謝だなって思いましたね。

━━そもそも、YUMIさんには独立願望はあったんですか?

YUMI:正直あまりなくて。私は会社で働いていた時から”チームで働くこと”が好きだったんですよね。独立=ひとりになるという印象があったので、自分の選択肢にはなくて。

でも、これからも大切にし続けたい家族のことを考えた時に、会社を辞めることが自分達の人生において”今”優先してやることだと思ったので、退職を決意しました。

ただ、今回独立にあたって開催したYUMIフェスはチームをつくって構想を練ってきたんです。ずっと応援してくれている3人とお互いの強みを活かしたONEチームで取り組めたおかげで、みんなの力でより良いものを届けることは会社にいても独立してもできることなんだなって思えるようになりましたね。

YUMIフェスチームのみんな


独立までの軌跡


━━デザインの仕事を始めた時には、この未来は想像もしていなかったと思います。Webデザイナーとしての活動からスタートしてから今日まで、どんな嬉しいことや葛藤がありましたか?

YUMI:パッと思い出すのは、今のサービスに繋がる原体験ですね。

私、Instagramを更新するのが本当に苦手だったんですよ(笑)0歳と1歳の子どもを家で見ながらお客様のデザインを受けつつ、Instagramを頻繁に更新するのは時間と体力的にできなくて...。

どうやったら更新せずにサービスとして成り立つのかって考えた時に「届けたいお客様だけに届くブランディング設計をして、魅了する世界観で見せていく戦略」を選びました。

そこから自分の世界観を9つだけ投稿した時に、DMが沢山来たんです!フォロワー80人くらいの時ですよ?最終的に、投稿してから1週間で4人のお客様と繋がって依頼をいただいたんですよね。

集客という集客をせずに始められたのは「フォロワー数を増やして認知拡大」の今の流行とはあえて違う路線を走ったからだなって。

YUMI:流行とか成功する方法はたくさん世に出てるけれど、苦手なものを避けて強みを活かす発想が大事だったと感じています。


━━YUMIさんの、最初から自分の苦手を克服するんじゃなくて「それを含めてどう活かすか」という考え方、素敵です!

YUMI:それは、私の屋号にもある「unbalance(アンバランス)」にも込めた想いがあって。

人には苦手なことは必ずある。その苦手を認めて受け入れて感謝して、そこから強みを伸ばしていくと人に頼ることもできるようになるし、自ずと成果も上げられる選択ができるようになると思うんです。

その先に、こんな人に恵まれた世界がありました!

YUMI:私のサービスは、ZOOMの背景を趣味で作り始めたところから始まったんですけど、実は最初、ママコミュニティをつくろうと思っていたんですよ。コミュニケーション×マーケティングの力でママたちの役に立ちたいなって。


━━コミュニティですか?

YUMI:そうです。ママたちって、子育てするにも仕事をするにも、正しい情報を受け取らないといけないとか、ネットワークを広げなくちゃいけなかったりしますよね?

そこが上手くいかないと、家族や保育園とかいろんな場所でトラブルが起こることを私自身が2人の子育てから経験した時に、それを解消できるコミュニティをつくりたいなって思っていたんです。

でも、たまたま始めたデザインが喜ばれ始めた時「今はこっちのほうが人にGIVEできることが多いんじゃないかな」って思って、2023年の8月に方向転換したんですよね。


━━自分がどう役に立てるのか。想いの根源は変わらないけれど「今できること」に切り替えるその潔さ、意外と難しいことなのでは?と感じます。

YUMI:確かに。でもそれは、会社での経験を通して「いつでも0に戻す覚悟」が培われたんだと思っていて。

「ここまでやったし」とか「これまで」にこだわり続けてしまうと流れが止まってしまう。数値や根拠をもとに道を正すことで”目的のために何が最善なのか”を常に考える力がついたんだと思います。


unbalanceに込められた想い


━━そもそも、YUMIさんはなんのためにブランディングデザイナーというサービスを届けたいと思っているんでしょう?その想いの根源について詳しくお聞きしたいです。

YUMI:unbalanceという言葉にも通るんですけど、私は自分のサービスを通して「デコボコの自分を愛おしく思える人を増やしたい」って思っていて。

その人の見た目を綺麗に整えるだけじゃなくて、一見マイナスに見えるところも含めて表現したいと思っているんですよね。

特に起業家さんって、挑戦する度にいろんな声や情報を聞くうちに、自分の強さと弱さ、理想と現実とのギャップだとか「どれが本当の私なんだろう」って思い始めるタイミングってあると思うんです。

そんな時にでも「私は私でいいんだ」って自分を取り戻すことができるものがあればいいなって。デコボコの自分を認めて前に進めるような人が増えれば、この世の中、もっと好きなことをやって行ける人が増えるんじゃないかなって、そんな未来を描いてます。

━━頑張っている人ほど、自分が大切にしていることを見失いそうになることがあるとよく聞きます。YUMIさんは持続的なサポートに重きをおかれているんですね。

YUMI:まさしくそうで!私が肩書を「Webデザイナー」から「ブランディングデザイナー」に変えた理由でもあるんですけど、デザイナーの時って言われたものを作ることが多いなと感じていて。

実際、会社でデザイナーさんに依頼する側の時はカタチとして落とし込んで表現をお願いすることが多くって。でも、私がやりたいのは、その人の想いを汲み取って「私が」その人らしさを表現すること

だから、あなたが必要な時に”必要な武器”を私が提供するので、そんなに沢山考え込んでこないでくださいって言ったり(笑)


━━依頼されたものをそのままに表現できるのも十分すごいことだけれど、それだけでは足りない。「もっとこの人にはこういう表現ができるのに!」って思ってしまうんでしょうね?

YUMI:そうかもしれないです。依頼いただく方のなかには、軸がまだ掴めないという方もみえて。なにかやりたいけど、その「なにか」が分かってないとか。じゃあそこから整えましょうよ!って。

見えてさえいれば自分から想いを話したくなるし、私は設計好きなのでそれをサービスに落とし込むこともできる。

これまで会社員でいろんなポジションを通して培ってきたことをデザイン以外の部分でも活かすことができると思ってから、Webデザイナーではなく「デザインもできるブランディングマーケター」だなって、舵を切ったんです。

YUMI:私、自分の汲み取り力って強みだともなんとも思ってなかったんですけど、お客さんとお仕事をしていくなかで、その人の表現が溢れてくるようになって。今の私がいるのも、本当にみなさんのお陰なんです。


━━自分にとって会社で仕事として当たり前にやっていたことが、個人で再現性をもって届けられる。それが自信になったのでは?

YUMI:この方向性で間違いじゃないんだなっていうのは、いつもお客さんの声から再確認していますね。

結果って、自分で決められないじゃないですか。受け取ってくれた人がどう判断するかで全てが決まってくる。だから納品する時、自信はあるけど、お客さんの反応にいつもビクビクしてます(笑)

ブランディングの一環として
イベントプロデュースにも携わる

YUMI:最近、自分の想いを人に伝えるのってめちゃくちゃ怖いんですけど、やっとちょっとずつ出せるようになってきて!人のことは言えるのに自分のことになると10歩下がっちゃう…そんな自分を変えられたのも、お客さんとの出会いを通していろんな殻を破らせてもらえたからだと思っています。


━━いろんな挑戦をして、いろんな壁を越えてきたこの期間。YUMIさんを支えていたものはなんだったんですか?

YUMI:やっぱり家族ですね。もともとバリバリ仕事人間で、これからだって時に子どもを授かって産休・育休に入って。

出産1ヶ月前までギリギリまで働いてたから、育休半年くらいに社会との接点がなくなったことで「自分がなんのために生きてたんだっけ?」って、社会から置いて行かれたような感覚になって…。

そこから自分の考え方を変えてみたり、今できることをやるようになってからは、旦那さんにも色々とやりたいことを相談できるようにも、応援してくれるようにもなったり。彼のサポートがすごく後押しになりましたね。

一番近くにいる人には応援して欲しかったし、互いの人生を楽しく過ごしたいっていう想いがあったので。

YUMI:ベストな関係性を夫婦で築けたことが、ここまで来れた大きな要因だったなって思います。それからお客様との出会いも。だからサービスもどんどんブラッシュアップしてこれたし、本当にみなさんのお陰です。


━━「それって家族のためでしょう?」と応援してくれた旦那さん。自分の人生だけど、家族としてどうするかを話し合い続けたり、お客さんとも向き合い続けてきての今と考えると、やっぱり諦めないって大事だなって思います。

YUMI:確かに!諦めることはしなかったですね。どんなにつらくても、辞めたくなっても、叶えたい未来のために今は頑張る時だって思ったり。前に進むために設計し直したり。人としてどう在りたいかを忘れずに進んでこれたのは大きかったなと思います。

機械的になってくるとなげやりになってしまうこともあると思うんです。でも、大切な人を大切にするにはどうしたらいいかって考えると、次にやるべき行動が見えてくる。それを突き詰めていくことが、自分も大切な人も幸せになっていくと思っているので、それが自分らしさになっていったのかな。


描く未来/愛のループの着火剤になる


YUMI:私のモットーは「愛のループの着火剤になる」なので、いつもどうしたらそうなるかなって考えています。多分、自分一人で幸せになっても幸せじゃないじゃないですか(笑)

逆に自分が幸せじゃなくても、大切な人が笑ってたらつられて幸せになる気がするし。私はそれが幸せで、それがいいと思うから。

どうしたら自分の力や人の力を借りてそれを叶えていくのかが、私の人生だなって思います。

━━改めて、YUMIさんの今後の展望は?

YUMI:会社としては、日本の中にある文化の格差をなくす一役を担いたいと思っていますね。

例えば、オンラインでどれだけ繋がっていても、その場所にいないと流行や温度感が分からなかったり、仕事の選択肢も限られてしまうとか、そういう格差を埋めていきたいなって。

どこにいてもどんな人とでも繋がれて、自分の売りたいものを商品化して販売できるバーチャル商業施設を作りたいって思っています。

自分の人生としては、私が新しいことにチャレンジさせてもらっていている一方で、今、旦那さんも新しいチャレンジをしようとしていて。この一年支えてもらったので(まだまだ続きますが(笑))今度は私がサポートする側に回りたいなって思いますね。


━━家族というチームで、ちょっとポジションを変えつつ、ですね!

YUMI:そうですね。家族といってもそれぞれの人生があるので、縛られずに互いが互いの人生を大切に生きて欲しいなって思います。きっといつかは子どもの番も来ますしね(笑)

私たち家族のループを見て「自分の家族もそうなりたい」って勇気のようなパワーをお渡しできるといいなとも思うかな。それが理想の未来です。

━━やっぱりYUMIさんって、自分の家族はもちろん、その少し先の関わる人の幸せや広い世界を見ているんですね。すごいパワーだなって思います。

YUMI:嬉しい!これを聞いた(読んでくださった)方に公言しちゃったので、目撃者になってもらえたら嬉しいですね(笑)


━━最後に、今の自分から未来の自分へmessageを贈るなら?

YUMI:えー!なんだろう!?でも、最近思っていることが「面白くあれ!」なんですよ。今まで結構真面目にやってきたんです、私。ただ、そこに楽しさがないと続かないし、周りを置いて行ってしまうなって感覚があって。

今回のYUMIフェスみたいに、みんなで面白く盛り上がりながらみんなで進んでいく空間を作れるようになって欲しいなって、未来の自分に託したいですね。迷った時は「どっちの方が面白いか?」って考えてみて!って。

面白いことに年齢は関係ないので、子どもも大人も関係なく巻き込んでいきたいです。


━━意識しなくてももう真面目にできるから。より幸せになるために取り入れたいエッセンスが「面白さ」なんですね。どんなYUMIさんが見られるのか、ますます楽しみです!

YUMI:どうなるのか、私も楽しみです!


YUMI / ブランディングデザイナー
学習障害であることに葛藤した学生時代。その経験から生まれた「デコボコの自分をブランディングして自分自身を愛おしく想える人を増やしたい」という想いをビジョンに掲げ、フローリスト兼webデザイナーとして活動を開始。2024年7月、11年勤めた会社を退職しブランディングデザイナーとして独立。プライベートでは2児の母。( Instagram )


あとがき/インタビューを終えて……


SNSには、どうしても”良いところばかり”が目に映ります。もしかしたら、そんな表面の一部を見て「あの人だからできたんだ」と比べてしまう人もいるかもしれません。そして、YUMIさんもそんな憧れられる1人だろうなとも。

確かに、”YUMIさんだから”できたことは沢山ある。けれど、そのプロセスには「諦めないこと」「正しい努力を続けること」「大切にしたいものを見失わないこと」自分を後押ししてくれるものの存在を知り、自分を突き動かす原動力を知っていることが、その”見えている結果”に辿りつけるヒントなのではないかと思うんです。

YUMIさんは、それを研ぎ澄ませていくことで、想像していなかった「辿り着きたかった未来(今)」に来れたのではないでしょうか。

公開インタビューの様子

YUMIさんが迎えた今も、進む先にある未来にもきっと、沢山の応援してくれる人と幸せにしたい人達がいる。YUMIさんの周りには、すでに人生を一緒に楽しみたい人が集まっています。あとはYUMIさんがもっと巻き込んでいくだけ✨

楽しい音楽が流れていると、上手い下手関係なく踊り出したくなるように。勝手に動き出したくなるスイッチが、unbalanceにはある。

世界観をつくるプロに面白さが加わることで、愛のループが届く範囲が広がっていく。(今度のYUMIフェスは、もしかしたらリアルなお祭りになるかも!?)そんなYUMIさんの生み出す循環を、世界を、これからも一緒に味わっていけたら幸せです。これからの旅路も、ますます豊かであることを願っています。(2024.08.01)




今ここにいるひとりひとりの
今ここにある想いをつなぐ

- corelight interview -
詳細、お問い合せはこちら


いいなと思ったら応援しよう!

廣田彩乃/心を温めるインタビュアー
一人一人にその人にしか語れない人生がある。いろんな人の人生や想いを遺すことで、誰かの人生が誰かの勇気や励みになる。その活動に活かさせていただきます🕊