見出し画像

父の浮気相手が家に乗り込んできたって話


僕は両親が多分嫌いだ。まあこんなのはよくある話だろう。だが浮気相手が乗り込んできたというのはなかなか珍しいと思う。

父の浮気が発覚したのはたしか、僕が中学生になったかなってないかくらいの頃だったかな。何故浮気が発覚したって、題名通り浮気相手が家に押しかけてきたのだ。しかも両親の夫婦旅行の時にだ。

当時家には兄と姉、そして僕がいた。相手が押しかけてきたのがわりかし早めだったので誰も起きておらず、インターホンが鳴って初めて起きた。こんな朝っぱらから誰やねんと思いながら覗くとそこには髪長めで茶髪の土屋アンナに雰囲気が似た女の人がいて、なんだかイラついているようだった。(当時父の好きな女優が土屋アンナだったわ。)

ドアを開けてどなたですか?と聞くとお父さんはいますか?と。

いや、質問を質問で返すな。と思いつつも会社の人かと思い、わざわざ家まで来るくらいだから父が何かやらかしたのかと思った。もしくは仕事なのにずる休みして旅行に行ったんじゃないかと勝手に推測していた。浮気相手とも露知らず。

今旅行に行ってます。と言うと、連絡つきますか?と言われこれは大ごとそうやなと思って今電話かけてみますねと言って電話をかけに行った。父の電話番号は知らなかったので母の電話番号にかけた。会社の人っぽい人が来てるっぽいからパパに代わってーとか話してる間に衝撃的なことが。

なんと勝手に家の中に浮気相手が入ってきてるじゃあないですか。しかも土足やないかいお前!

今思えばめっちゃ面白いけど当時はびっくりってもんさ。あたふたしてる間に代わってもらえますか?と威圧的に言い寄られ、代わった途端に、

今何してんだよ!!おい!!

とめっちゃ大きな声で怒鳴り出して、うわ会社の人こっわ、絶対相当やらかしたやんこれ。怒るところも土屋アンナに似てるやん(自分の中で勝手に土屋アンナ認定) とか思ってた。

しばらく怒鳴ったら少し落ち着いて、帰ってくるまで待ってるから。と言い残し電話を切った。すると、ごめんね。と少し微笑みながら言ってきて、なんだかこの人は根は優しそうだなとか思ってた。←こいつチョロい ちゃんと浮気相手だし土足だったけど。

え、これ家で待っててもらったほうがいいかな、いやうちにお客様用茶菓子とか無えよな、てか土足で入るやつお客様じゃ無え、考えろ!と脳内会議してる間に相手がお邪魔しました。と家を出ていき家の下で待つことにしたようだった。家は団地だったので窓から下を覗くとちゃんとおった。少し帰ってくれること期待してた。

その間に兄と姉が起きてきてかくかくしかじか事情を話したら兄がとりあえず飲み物買って渡しに行くことに。まあ会社の人って体なのでね。マジで今考えたら面白い。親の浮気相手なのに子供が気を使って飲み物渡しに行くなんて。相手もどんな気持ちでいたのか考えると居た堪れない←どうでもいい


正直そのあとはよく覚えてない。前よりも夫婦喧嘩が増え、だんだん父が帰ってこなくなった。母に理由を聞いてもごまかされるばかりで真相を聞かぬまま父と別居になった。なんとなくは分かってたけどね。


その頃からよく母から父の悪口を聞くようになった。



つづく。

いいなと思ったら応援しよう!