猫を救ったつもりが猫に救われていた話
以前、うちの猫の話を少し書きました。
色々あって彼が1歳を過ぎてから引き取ったことなどに
少し触れた程度の内容だったのですが、
今回は彼を引き取った
その時の自分自身の話を少し。
その当時私は、ボロボロのズタズタの
ボロ雑巾どころかもはや雑巾ですらなく
ほつれて落ちた糸みたいな、そんな状態でした。
それまでの2年近くの間、
様々な辛いことや悲しいことが重なりに重なり
心身ともにズタボロだったんです。
具体的に何があったのかは
書けることもあれば書けないこともあり、
あげつらうときりがないので省きますが、
家族とさえもうまくいかず
母や姉とは縁を切っているような状態で、
心から信頼できる友人は遠く離れて住んでいました。
そんなこともあり、
とても孤独を感じていたこともあったと思います。
とにかく心身ともに限界がきていました。
自分という存在が、いつ消えてしまってもおかしくないほどに。
そういえば、
ある日駆け込んだ内科の先生がおじいちゃんで
血液検査の結果がすごく悪かったらしく、
ずっとそうやって誤魔化し誤魔化ししていたら
そのうち入院しないといけなくなるよ
少し休みなさい、と怒られたこともありました。
それくらい身体もボロボロだったけれど、
目に見えない心は、もっとボロボロだった。
死にたい、というよりは
消えてなくなりたい
シャボン玉みたいにパァンと弾けて
消えてなくなりたい
と毎日思っていました。
でも、それはおそらく私の性分で、
誰かに話したり助けを求めたりできずに
1人で抱え込んでしまっていた。
毎日平気なフリをして、
大丈夫、まだだいじょうぶ、と言い聞かせて。
おうちでひとり、
声をあげて泣くような日々を
たくさん過ごしました。
そんな時に出会い、
預かったり世話をするようになり、
飼い主がまともに世話をしていないことに気づき
怪我をさせたり私に預けたまま放置したりと、
はっきりネグレクトと言えるレベルだったことで
何としてでもこの子は私が引き取らなければ…
と強く思い、かなり紆余曲折ありつつ、
なんとか引き取るに至ったのですが
猫と暮らし始めたことで
ズタボロだった心身が
自然と少しずつ癒えていきました。
何気ない猫との日常に、
凍りついていたものが
手のひらのようなじんわりとした温かさに包まれて
少しずつ少しずつ溶けていくように、
私の心も少しずつ少しずつ痛みが和らぎ、
傷口が塞がってゆき、穏やかになっていきました。
動物の力って本当にすごいのです。
仕事から帰ると毎日走って玄関へ来て
ひっくり返ってお腹をみせて
盛大にお出迎えしてくれました。
お世話し始めてから、引き取ってから、
眠る時は必ずベッドに来てくれました。
足にくっついて、腕に抱きついて、
顔の横でくるんと丸まって、
隣でへそ天になってまるで彼氏かのように笑
毎日側で一緒に眠ってくれました。
そんなふうに過ごし、
一緒に眠るようになってから
泣きながらひとりで眠っていたのが嘘のように
ある日ふと気がついたら
ベッドに入って眠る時間が
辛い時間から幸せな時間へと変わっていました。
お出迎えしてくれるその姿、
家の中をちょこまかとついて回り、
トイレにまでついてくるその姿、
ピョン!とベッドに飛び乗るその姿を見るだけで、
寄り添って眠る姿を眺めるだけで、
心が安らいで、顔がほころぶ私がいました。
その小さな存在が、お布団よりも、
蜂蜜入りのホットミルクよりも、
ほっかほかに身体の中から心の奥底から
わたしを温めてくれるのです。
私はその小さなふわふわの存在を
自分が救ったのだと思っていたのに、
気づけば私が心身ともに救われていたのです。
小さいふわふわの彼は、
言葉通り私の生きる希望になりました。
それでは今日はこの辺で。
最後まで読んでくださってありがとう。
また気が向いたら、来てくださいね。
よろしければ自己紹介も合わせてぜひ。