乳酸発酵茶 上勝阿波晩茶
徳島県上勝町やその周辺でつくられる阿波晩茶ってご存知ですか?
乳酸発酵させて作るお茶でその作り方はとっても変わっています。
徳島県では「ばん茶」と言えばコレっていうほどとっても有名です。
大学の研究機関では花粉症に効くという結果も出ています。
・「番」ではなく「晩」と書いて『晩茶』です。
晩茶は緑茶の世界にある1番茶・2番茶ではありません。
茶葉の摘み取り方も・時期も・製法も異なります。
~ 製 法 ~
●茶摘み
茶葉は真夏7月に成長したお茶の葉を摘み取ります。
摘み取り方も独特で、軍手に針金を巻き付け、枝に針金をこすりつけるようにしながら葉っぱを丸裸にしていきます。
晩茶の茶葉に枝が混ざっていることが多いのはこのためです。
●茹でる
茶葉を摘みが終わると茹でていきます。
大きな窯で茹でていきますが夏の暑い時期はとても大変な作業です。
●茶葉を擦る
茹でたちゃばを機械で擂ったり・舟で擂ったり家庭により違いますが
ちゃばを擦ります。
●漬け樽にいれ、発酵させる
漬物と同じ大きな樽に入れ漬けていきます。
バショウやシュロの葉を敷き蓋をする。重石をのせ漬け込みます。
乳酸発酵させていきます。風景は漬物と同じ。
漬け込み時間は2週間から1ヶ月家庭によりさまざま。
●天日干しで乾かす
真夏のお日様に当てて2~3日乾燥します。
天気が悪いと1週間かかることも。
上勝町は山あいですので、夕立がきたらもう大変。
最近ですとゲリラ豪雨が来ることも…。
雨の気配がすると茶葉を屋根のある所まで戻す作業に追われます。
新茶の頃は なんと 9月!
選別され袋詰めされたお茶がお店に並びます。
茶葉だけでなく枝も「くき茶」として販売されます。
余すところなく使われるのも晩茶の良い所です。
飲みやすくスッキリした味わい
乳酸発酵と聞くだけで飲みにくそうですが
ぜんぜんそうではありません。
「飲みやすくおいしい!」そんな声がほとんどです。
色は黄金色が特徴です。
晩茶を作る農家さんのそれぞれで
漬け込み方に違いがあるので味も違いますが。
自分の好きな味を見つけるのも楽しみの一つです。
上勝町内にある産直市『いっきゅう茶屋』では
飲み比べもできますし、電話注文もできるので
好きな味の農家のお茶を毎年送ってもらうのもいいですね!
晩茶の値段は年々高くなっている…
でもそれだけの価値がある!
徳島県ではかつて山あいのたくさん家庭で作られていました。
親戚や友人から「晩茶はもらうもの」そんな文化もありました。
しかし現在、作り手はどんどん減っています。
高齢化も進んでいます。
しかも手間暇がかかります。
健康茶として・文化を守るお茶として・おいしいお茶として
小さな子供から高齢者まで親しまれる阿波晩茶。
皆で飲むことが守ることにつながります。
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