広島に小旅行に行きました 美術館でゴッホの『ドービニーの庭』を見に行った話(その②)

今日から何日か、充実していた広島旅行でのお話を聞いてください。今日は友達のお土産話を聞くくらい気楽に楽しんでいただけたらうれしいです。

本日は『表現日記』になります。

みなさんは旅行する時どんなところに行きますか?
私はけっこうその土地の美術館とか、偉人の資料館とか行くのが好きです。
本日はひろしま美術館の常設展示についてのお話になります。
ちなみに明日は企画展のお話を予定しています。

常設展って企画展に比べて注目されないんですが、それってすごく勿体無いなぁって常々思います。
企画展より人も少ないからゆっくり見られるし、企画展よりチケット代が安いことが多くて見やすいんですけど、作品自体は本当名画が多いんです!

今回はもともと見に行きたかった「フィンセント・ファン・ゴッホ」の作品『ドービニーの庭』を目当てに行きました。
私はゴッホの絵を母とよく見にいくのですが、母ほど詳しくないので、この作品については今回初めて知りました。

ひろしま美術館は第一から第四展示室まで、円形の建物の中で部屋を分けていて、中心ではピアノとバイオリンの奏者の演奏が聞けるという贅沢かつコンパクトな美術館でした。

別館で地下もある建物の方で、企画展をやっていました。
作品が小さくまとまっているので、落ち着いて見やすくてすごく素敵な作り。
作品自体もけっこう近くでじっくり眺められました。

ゴッホの作品は第二展示室です。
展示室ごとに色があるなぁと眺めて楽しく思いました。
流派で分けているみたいだったので余計にそう感じたのかも。
第三展示室はなかなかパッションのままに表現された方々の作品でした。爆発した芸術の塊みたいな個性の間でした。

で、ゴッホです。
ゴッホの『ドービニーの庭』を最初に、素人目に見た感想は大変失礼ながら「緑色のちょっとボヤッとした絵」でした。
でもこの印象けっこう大事だったんですね!

実際にじっくり見てみると、写真やパンフレットと色が異なり、クリーム色よりの淡い緑が多く、ますますボヤッとしています。
そして全体的に近づくより離れた方が良く形がわかるような筆致です。

見た後で調べてわかったことですが、こちらはゴッホの最晩年作品なんだとか!
ぐるぐるとうねった筆致があったので、後期の作品かなとは思っていましたが最晩年!!
驚きの作品が日本にはあるなぁと思いました。

こちらの絵のタイトルにある『ドービニー』とは「フランソワ・ドービニー」という画家で、ゴッホが敬愛していた画家の1人だったとか。
ゴッホより世代が上の方で直接の面識はなく、ゴッホは彼の家を訪ねてこれを描いたんだそう。
面白いのが絵画にまつわるエピソード。

『ドービニーの庭』のタイトルの絵は3枚あり、そのうち2枚は同じ構図に絵柄なんだそう。
スイスとひろしま美術館にそれぞれあり、少しづつ違うのだとか。

ひろしま美術館の絵の方が、スイスの絵と比べて「抽象化されている」「色味も緑色に変更されている」のだそう。
なので私の「緑色のちょっとボヤッとした絵」はある意味正解だったんですね。

実際スイスの方の作品は細部まで書き込まれているんだそう。
ひろしま美術館にある『ドービニーの庭』の方が後に描かれたらしく、また弟宛にゴッホが書いた手紙で『ドービニーの庭』の構想段階のお話をしているので、晩年感情の発露の先として、頭の中のイメージをぶつけるように、激情のままに描かれた作品ではないのだそう。

そう聞いた上で改めて作品を見てみると、尊敬している相手ということもありますが、穏やかな心があたたまる風景画に見えてきます。ゴッホが「『描きたい』と思った『少しロジカルな絵』だったのかもしれない」と感じました。

また今回ピカソやマティス、モネ、ミレー、ドラクロワ、ゴーギャン、セザンヌ、シャガール、フジタなどちょっとびっくりするぐらい名だたる人の名画を一度に見ることができて本当楽しかったです。
以前見た「アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック」もありました。
また、『叫び』以外の「エドゥバルト・ムンク」の絵が見れたことが新鮮!
『マイスナー嬢の肖像』という絵画。
当たり前なんですが『叫び』以外もあるんですよね。

個人的に今回初めて知った画家で、「ギュスターブ・クールベ」の『雪の中の鹿のたたかい』と、「エドゥアール・マネ」の『ばら色のくつ「ベルト・モリゾ」』、「モーリス・ド・ヴラマンク」『木のある風景』、「ジョルジュ・ブラック」『果物入れと果物』が印象的でした。

「エドゥアール・マネ」の『ばら色のくつ(ベルト・モリゾ)』はまずモデルの「ベルト・モリゾ」という方が自身も画家の女性であるというのに驚きました。
また私は「バラ=赤」と思ってしまいましたが、絵画のバラ色はオレンジ色で、マネの国ではオレンジ色がバラなのかもしれませんね。

「モーリス・ド・ヴラマンク」の『木のある風景』はただただ迫力があります。木の筆致の荒々しくておどろおどろしい様子の勢いに圧倒されました。

知らない絵や、知らなかったけど好みの作家をみつけるのにこういった地方の美術館めぐりは最適かもしれないですね!

ちなみに広島からは本日帰宅です。
仕事の関係で私のみ先に帰宅したんですけど、1人新幹線。意外と優雅な女一人旅みたいになりました。
諸用が諸用だったので、綺麗な格好していたせいもあるかも。

明日は企画展の方のお話になります。
ひろしま美術館はぜひ一度見ていただきたい美術館のひとつになりまさした。

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