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15年越しに憧れの人に会いに行った話
30代の時に愛読していたリンカランと言う雑誌があった。
オーガニックな暮らし、自然と共に暮らす人たち、マクロビオティックなども特集されていた。
その中で中島デコさんと言う千葉に暮らしている女性が当時ピカピカ輝いて見えた。
マクロビオティック界では有名な方だ。
今回近くの施設でお話が聞けるとたまたまSNSで見かけて申し込んでみた。
私はマクロビオティックは今は実践していない。
実は妊娠前からお料理教室に通い、
一時は肉なし、卵なしをストイックに守っていた。
「出産・育児には良い食が大切!」と張り切って体重も7キロまでしか増やさないように努力した。ウォーキングも毎日がんばった。
しかし、結果出産は難産・・・
助産院でお布団の上で産んで自然におっぱいも出るものだと思っていたが
時間がかかりすぎて自信の判断で総合病院に移動。
1500出血し貧血状態、血がないから授乳も最初は難航。
思い描いていたのとは違う出産となった。
いくらストイックに食を守ったとて難産になるのかととても落ち込んだけれど、
「厳しすぎはかえって良くない」と分かり
それ以来厳しくしすぎず米中心の食事+お菓子もお肉も自由に食べるようになった。
デコさんは「食事の力」とご自身のポテンシャルが上手く融合して5人のお子様を自宅出産(3人目から)できたのだろう。
人と自分は違うし、もし出産が上手く行っていたとしたら私はもっとマクロビにのめり込んで人に厳しくなっていたのかもしれない笑
どうして普通に産めなかったんだろうと寂しい気持ちもあるが
今、娘はアレルギーもなく、風邪もあまりひくこともなく
とても健やかに育っているのでもしかして、あの時の食生活が何か影響しているのかもしれない。私も体力はあまりある方ではないが健康だ。
デコさんは今は9人のお孫さんとデコさんに憧れて移住してくる住み込みやアルバイトの若者達と一緒に過ごしている。その規模は大きい。
ブラウンズフィールドHP
カフェ、畑、宿泊施設・・・
一緒に食べる、一緒に作る
デコさんには
「地域で生まれてから死ぬまでを賄いたい」と言う夢があったが
ご自身が66歳になった今、叶い始めているそうだ。
自然の中に子供がいて、若者がいて、自然に老人の面倒を見る、みんな、家族。
なんて素敵な老後なんだろう。
信頼できる人たちと野菜も米も、調味料も自給自足で作り共有して循環している。
「錬金術じゃないですか?種からこんなにも作り出せるんですから」
「私がお金持ちだったらやってないかも。野菜も調味料も種から作れることが嬉しかったの笑」
とデコさんはおっしゃっていた。
今回私がお話を伺って感じたこと
「仲間と食や楽しみを共有して、人生後半」を生きていきたい」
と気付きをいただく。
新しいお洋服やアクセサリーを次から次に手に入れて、それを発信し、また新しいものを手に入れ、人の視線を気にする現代社会とデコさんは真逆の世界を生きている、ということ。
新しいものを手に入れ見せて、また次へと疲弊しそうなサイクルではなく
小さな種から作物を作り、みんなで共有しながら子供も大人も生活していく
古い布は小さく切ってティッシュ代わりに使う
(古くなった布を切って「ウェス」として使う事を始めたのもそういえばデコさんの影響だった!と久しぶりに思い出した)
生み出して、大切にして、できたものを最大限に生かし子供へつないでいく・・・
このサイクルが素晴らしい。
「みんな幸せになりたくて、食も美味しくて幸せになれるから続けてるの。
ビールもお肉もお付き合いがあれば、時々いただきますよ。
食事で自分の体調を戻せる自信があるから。
マクロビオティックは幸せになる手段であってマクロビのルールを守ることが目的になってはいけないの。
みんな幸せになるために様々な入り口から同じ幸せを目指して山を登るのよ」
私も歳を重ねて素敵な仲間と幸せを共有しながら自分にとっての幸せを目指していきたいな。
15年越しの憧れの人との初対面は、ちょっと苦い出産の思い出と
新しい望む未来を考えるとても豊かな時間となった。
本当の豊かさを生きている人に、出会えた気がして幸せな気持ちで帰路についた。