運動と学業との関係性
少しでも興味がありこのページを開いて頂きありがとうございます。
前回は、『子どもの成長と足の関係性』について書きました。
今回は、『運動と学業との関係性』について書いていきたいと思います。
私が子どもの頃は、「勉強がよくできるタイプ」と「運動がよくできるタイプ」と、タイプが分かれていた様に思えます。
稀に「あいつは勉強もできるし、運動もできる」と言われていた子がいたのを覚えています。
では一体、運動と学業はどう関係があるのでしょうか。
身体を動かす⇔集中力が高まる
ここ数年、運動と脳に纏わる著書もたくさん出版されています。
実際、脳を構成する神経細胞・ニューロンの数を増やすために最も効果が期待できるのは、運動であると言われています。
運動をすると、数分後に脳内の神経伝達物質であるドーパミンの分泌量が増加し、その状態は数時間継続すると言われています。
ドーパミンは、『やる気を引き出す』『意欲が上がる』『ポジティブになる』様な効果があると言われています。
運動をすることで脳内血流量が増えると脳の働きが活性化されるため、運動後30分~3時間は集中状態に入りやすいといわれているのです。
また、有酸素運動をして適度に心拍数が上がると海馬の血流がよくなって、記憶力が上がるという研究データもあるそうです。
小俣よしのぶさん(いわきスポーツクラブアカデミーアドバイザー)の著書(スポーツ万能な子どもの育て方)からは、
といった事が書かれており、体力運動能力と学業とは大きな関係がある事がわかります。
学業と基本姿勢との繋がり
最近体操教室だけでなく、球技系のスクールでも「姿勢」の事を指導している事が増えた様に思えます。
では、学業と基本姿勢にはどういった関係があるのでしょうか。
猫背姿勢などの前屈みは、肺が縮まる姿勢でもあり呼吸機能が正常に機能しない姿勢です。
呼吸がしづらくなるので酸欠のような状態になり、集中力低下やスタミナ不足などを引き起こします。
基本姿勢が取れない子どもは、授業を聞く集中力や体力が備わっていない為、そもそも授業の内容が頭に入ってこないのです。
基本姿勢を取る為には、背筋力が重要になってきます。
走る、跳ぶ、登る、投げるなど、遊びの中で背筋を使う動きは意外と多く隠されています。
猫背姿勢時間が続く遊びはその逆です。
昔は小学生の体力テストで背筋力測定があったのですが、腰を痛める子どもが増えた為、廃止になったみたいです。
遊びの中でも基本姿勢を構築する要素はたくさんあり、それが結果的に学業の成績に繋がるかもしれませんね。
運動と言語理解能力との関係性
ある幼児の研究で、4〜5歳児の言語能力と社会認知能力・運動能力の相関関係を検討した所、言語理解能力が高い(数概念の理解力)幼児は、運動能力の中でボール投げの能力が高いことが示唆されたみたいです。
ボール投げは一つの粗大運動であり、粗大運動の発達と言語理解能力の発達には関係がある事がわかったみたいです。
言語理解能力については、脳内でブローカ野・ウェルニッケ野が言語中枢として存在します。
脳梗塞などで言葉がうまく話せなくなるのは、この部位の機能が損なわれているからです。
その様な方にリハビリで発話を促す様な内容だけでなく、歩いたリ手を使うリハビリ、すなわち運動療法を行う事で脳内への活性化が導かれ、言語機能が回復してくるのです。
これは子どもも同じで、粗大な運動をたくさん行う事により、脳内(前頭葉や側頭葉含む)に刺激が入る事で言語理解が高まるのです。
結果として、学業との関係に繋がるのです。
最後に
学業の成長は運動の中にたくさん隠されています。
もちろん勉強をしないと学業の成長はありませんが、勉強をする為の基礎体力がなければ勉強に取り組む集中力も保てません。
令和元年末にスポーツ庁が出したデータによると、子どもたちの体力運動能力は過去との比較において最低を記録してしまいました。
令和元年から過去10年、平成20年まで遡っても、体力テストの合計平均点数が低下しています。
言い換えると、身体を動かす事が少なくなっている為、集中力や記憶、言語理解能力も低く過去に比べて低くなっている可能性があります。
とは言えできる事は日常でたくさんあるので、まずはできる運動を無理せず取り組む事で学業の向上にも繋がっいくのではないかと思います。
次回もまた子どもにまつわる内容を書いていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。