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iPad OS18 ベータ版でApple Pencilを文鎮化させた話

こんにちは。今回はタイトルの通り、iPhoneやiPadでお馴染みのAppleが9月にリリースする新OSのうちの1つ、iPad OS18のデベロッパーベータ版を勉強道具のメイン機にインストールし、ひどい目にあったお話をしていこうと思います。

デベロッパーベータ(Developer Beta)版について

 Appleは毎年6月あたりにWWDC(World Wide Developer Conference)という、各ハードウェア向けの新OSが持つ新機能について紹介するイベントを開催しています。

 デベロッパーベータ版は正式に配布されるものとは異なり、各端末への最適化が済んでいないだけでなく、無数のバグを抱えていたりと伸びしろたっぷりの『未完成品』です。Appleはそれを開発者向けに、彼らが正式リリースまでに最適化を終えられるようにすることを目的として、毎年WWDCが開催された当日に公開しています。以前までは”有料の”Apple Developer Program参加者のみがインストールできる仕様だったのですが、2023年(iOS17公開年)以降は無料のApple Beta Software Programに登録している人であれば、誰でもインストールできるように変更されました。
 私は大のAppleファンなので、お金を払わなくても新機能が試せるのならお得だと思い、毎年メイン機にインストールしてきました。先述のとおり、まだまだ伸びしろがあるOSですから、多少のバグは経験しましたが、どれも問題無いものばかりでした。しかし、今年はそうはいかなかったようです、、。まるで油断していた隙を突かれたかのような、重大なバグを経験することになりました。

Apple Pencilが使えなくなった

 私の学習環境は完全ペーパーレスです。高校生の頃から勉強にGoodnotesという電子ノートアプリを使ってきており、大学生になった今も愛用しています。Apple PencilとiPadは私にとって、最もお気に入りの勉強道具です。この勉強道具のメイン機にも、毎年ベータ版をインストールして新機能を楽しんでいました。
 インストールして数ヶ月経ったある日のことです。勉強しようとApple Pencilを使おうとしたら、Bluetoothに接続はしているのに反応がありませんでした。そこで、Appleサポートが出しているトラブルシューティングの手順に則って対処を試みたのですが、一向に改善しませんでした。
 この時点で思い当たる節は大いにありました。そう、iPad側の”ベータ版の”iPad OSです。インストールしているOSが悪さをしていると考え、iPadをリカバリーモードから初期化し、iPad OS17の再インストールを行いました。

iPadを復元し、これで一安心かと思いきや、、

 iPad内の全てのデータを犠牲にして、最新のiPad OS、17.6.1をインストールすることが出来ました。幸い、iCloudに必要な書類やデータは全てバックアップされてあったので、もう一度ダウンロードすることでいつもと変わりなく使えるようになると安心していた矢先でした。Apple Pencilが相変わらず接続できないのです。iPad OSをダウングレードしたにも関わらず、ベータ版の時の症状が残っている。こうなってしまうとユーザーである私たちでは対処ができません。諦めてAppleサポートに問い合わせることにしました。

Appleサポートに問い合わせてみる

 Apple製品で困った!ときの駆け込み寺、Appleサポート。今回の症状が出るまでの経緯を全て正直に話し、最終的にはテクニカルアドバイザーにまで繋げてもらいました。
 ベータ版での体験はどうだったかの雑談を交えながら端末(iPad側)のハードウェア診断が終わり、今回のサポートでは対処が難しいことが薄々感じられてきた頃、あることが頭をよぎりました。

Apple Pencilってファームウェア・アップデートできるっけ?と。

 ファームウェアとは、ハードウェアの基本的な制御を行うために組み込まれたソフトウェアのことを指します。AirPods ProやMagic Keyboardにもファームウェアが入っています。ファームウェアが無ければ、iPhoneに接続して音楽を聴くことも、キーボードで文字を打つこともできません。
 今回のケースでは、iPad側をわざわざ初期化してまでダウングレードしても改善しませんでした。つまり、Apple Pencil側に問題があると考えられます。目立った損傷もなく、急にパタリと使えなくなったことを踏まえると、iPad OS18 Betaの更新時に、Apple Pencilを正しく機能させるための指示書(ファームウェア)を壊した可能性があるのではないかと考えました。テクニカルアドバイザーにその可能性は無いかと質問してみたところ、その可能性が高いという回答をもらいました(泣)。
 どうやら、AirPodsがiPhoneまたはiPadにBluetoothで接続されている場合に自動でファームウェアを更新するように、Apple Pencilも更新を行う場合があるようで、その過程or配布されたファームウェア自体に重大なバグがあったのではないかという結論に至りました。

その後の対応

 ファームウェアを壊したかもしれないという結論に至り、Appleサポートからは18,800円で本体交換をしてはどうかと提案されました。私のApple Pencilは第二世代で、iPadの側面にマグネットでパチっと付けるタイプです。これを新品で買うとなると21,000円の出費になるので、保証の範囲内で交換できると聞いた時にはとても安心しました。
 ていうか、ベータ版をインストールする前の注意書きに、「こいつをインストールして何かヤバい不具合が起きても、ワイらは一切知らんで!」と書いてあるものの、何かあった場合にはしっかり対応してくれるという事に驚きました。Apple Watchにベータ版を入れた結果、バッテリーの持ちがすこぶる悪くなったのを理由に、Appleサポートにダウングレードをお願いしたらきちんとやってもらえたという話もあるので、ベータ版を入れた後に困ったことが起きた時は、諦めずにまずはAppleサポートに連絡してみるのが最善策だと思われます。

まとめ

 今回はiPad OS18のデベロッパーベータ版をインストールした結果、数ヶ月後にApple Pencilが文鎮化した話をお届けしました。ベータ版はやはりベータ版。どんなバグが潜んでいるか分からない不完全なものを、メイン機にインストールするのは非常にリスクが高く危険なことだと、18,800円で学びました、、、。
 新機能にワクワクして、早く使ってみたいという気持ちは分かりますがそこをグッとこらえて、正式リリースを待つことをおすすめします。


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