Web zine 金魚のタトゥー #2 グリーンピース
母がレンジから取り出した皿から蓋を取る。
するとその皿からむわっと立ち上る
グリーンピースの匂い。
空豆のそれを少し薄めたような。
そう思うと、口にもさもさとした空豆の食感が浮かぶ。
青々しく、深蒸された、薫り。
母はそのグリーンピースの皿にふたたび蓋をする。
「鮮やかな緑色を愉しみたいから、炊いたお米にあとから足すのよ。」
炊き上がったお米にはトウモロコシもすでに混ざっていて、
そこに先程から控えていたグリーンピースが注ぎ込まれる。
なんとも春の色鮮やかな今夜のごはんだった。
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