6月10日の日記

とにもかくにもこのゴミ屋敷をなんとかせねばならないと思い立った。いままでは山積するゴミを見てもなにも思わなかったが、昨日久しぶりに旧友に偶然出会ったとき、歴然の差がそこにあった気がしていて、もちろん自分が下の方の差だが、その原因がこの家のゴミ群であろうと半ばやけくそ混じりに決めつけたのだった。

ネットでゴミの片付け方法を調べて出てきたページを見ると、そのあまりの雑魚加減に失笑してしまった。ふん、この程度かよ……。とはいえ失笑されるのはどちらかといえば自分なのであり、検索単語をいくつか工夫して、めぼしいサイトにたどり着いた。

ページの内容を全部見るのは気が滅入るので、AIに要約とリストアップを頼んだ。これらのリストを参照しながら上から順に作業を行うだけ。我ながらなぜいままでやらなかったのか疑問に思うほど簡単なことだった。

出てくるゴミはほとんどがカップラーメンや割り箸といった飲食に関するもので、なんの面白みもなく、淡々とゴミ袋に突っ込んでいく作業を行う。とはいえ、ゴミの下層にはこんなのあったっけ?といったものもいくつか見つかった。

四つ折りされた紙があった。拾い上げて、中身を見ると身に覚えのない時刻と場所が記載されていた。

午前0時 澄川の廊下 饒下

なにかのメモ?筆跡は自分のもののように思えたが、なにを意図して書かれたものなのか全く分からなかった。

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