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改めて。なぜ、中途半端な時期に7周年イベントを開催するに至ったか(東京の場合)

前置き

大阪の7周年イベントでも書いたことだが、改めて。

12月7日に東京で7周年イベントを行う。

本来であれば7周年イベントが終わったあとにでも書けばよい話なのだが、それだけじゃ伝えたい人たちに伝えきれないところがあるので、出来れば参加を検討していてちょっと不参加寄りの人に届けたい話だ。

特別なイベントというと、東京では「東京会場ほぼ一周年半イベント」となる。今回は7周年イベントなので、およそ5年ぶりの特別イベントだ。

この時には25名の方が参加してくださり、「好きだけど、おすすめできない本」をテーマに推し本披露会のスペシャルバージョンを行った。推し本披露会SPのあとには懇親会を行い、お楽しみ企画では「フレーズ☆トレジャーハンティーング」というゲームを行った。最後の挨拶ではジョジョ立ち有志の会の皆とともにジョジョ立ちをし、「横浜開催決定!」という発表を行った。それが、2019年12月22日のことである。

翌月の1月19日、横浜で初めて読書会を開催した。その次の月、2月9日にも開催することが出来た。横浜でも毎月開催し、これから広がっていくはずだった。しかし、その2回の開催のあと、横浜での読書会は出来なくなってしまった。

新型コロナウイルスの影響である。

2020年2月16日の京都を最後に、彩ふ読書会は全ての会場を休止した。東京で再開したのは2022年10月1日。約2年半以上もの間、読書会が出来ない期間があった。

一度止めたものを元に戻すにはかなりの労力がいる。私は関西在住なので、東京で開催するとなればご想像通りの労力がかかる。それでもコロナ前にやってきたのは「東京が俺を呼んでいたから」である。いや、即時訂正しよう。「なぜ東京や横浜でも読書会をしようとしたのか」かは、実は自分でもよく分かっていなかった。先日shikada氏によるインタビューによって「ああ、こういうことだったのかな」と過去を振り返ることは出来たが、当時の私にはよく分かっていなかった。読書会再開に向けて諸々の整理をしていた頃にもよく分かっていなかったので、頭の中には「やめるなら今だよ」という言葉が何度もささやかれた。そのささやきをはねのけてまでやる意味って、あるんだろうか?

読書会を休止したことは、勢いで突っ走ってきたものをやめるタイミングとしては最適だった。プライベートな件でコロナ前よりも制限が出来てしまったこともあり、東京でも再開するかどうかは正直なところかなり悩んだ。

東京には読書会文化がある。

読書会を主催する人は沢山いて、ほとんど毎週のようにどこかしらで読書会は開催されている。どこもかしこも面白そうなことをやっている。私がわざわざ東京まで行ってやらなくても誰かがやっているのだ。「代わりはいるもの……」と綾波レイ風(ただし私の声で)のささやきに抗う日もあれば抗えない日もあった。

それでも気合いを入れ直して再開した。

やるぞ!と決意出来たのは、コロナ禍の中でも文学フリマ等を通して繋がり続けていたことが非常に大きかった。おそらくこの繋がりがなかったら、東京会場は消滅していただろう。読書会を開催していたからこそ出会えた方々が沢山いて、その方々たちと読書会以外でも繋がりを持てている。その実感を持てていなければ、これほど悩むこともなかったかもしれない。もしも撤退してしまったら、その方々と会う機会を自ら潰してしまうことになる。それは寂しいなという感情的なものももちろんあったが、そもそも私が行っているのは読書会というよりも「居場所作り」なのである。毎週どこかしらで読書会は開催されているが、「彩ふ読書会だから参加している」という人が一人でもいれば、そこは既にその人にとっての居場所であり、「代わりはいるもの……」なんぞのささやきごときで潰してしまうことなどあってはならないのだ、と改めて思ったのである。彩ふ読書会を居場所だと感じている人がたった一人でもいるのなら、一度始めた以上は、辞めてはならない。



7周年イベントにした理由

2022年10月に再開してから2年が経った。途中3部制に変更したり、時間帯の変更したり、以前は日曜開催だったものを土曜開催にした。文学フリマ東京37に出店し、同人誌『彩宴3』を課題本とした読書会SPも行った。そこからしばらく会場問題に再び悩まされ2024年2月からしばらく開催できなかったののの、今は毎月開催出来ている。

以前と色々と変わってはいるし、コロナ前ほどの賑やかさになることもあれば、そうでない回もある。それでも毎回私は「あ~楽しかったな」と思いながら新幹線に乗って帰っている。

実のところ、今回の特別イベントは名前が全く決まらなかった。大阪の場合は以前書いた経緯から「7周年イベント」にする必要を感じていたのだが、東京の場合はそうでもないなと感じていたからである。「東京会場ほぼ一周年半イベント」で利用した会場は既に閉業してしまっていて、以前と同じように行えないことも分かっていた。時期的にもクリスマス会で良いんじゃね?と思っていたりもした。

ただ、打ち合わせの中で課題本に決まり、3作品を課題本にしようとなり、その課題本を決めるためのリスト作りをしていたとき、ふと思った。芥川賞、直木賞、本屋大賞受賞作品といった風に分けたりするのは面白そうだし、それで良いんじゃないかと思っていたのだが、今回においては違うかもしれないと感じたのだ。2回目以降はそれで良いのだが、コロナ禍を経た今回においては、もう少し彩ふらしさのようなものが必要なのではないか?順調にいっているように思えるけれど、やはり一度立ち止まって考えるべきじゃないのか?と。

そこで、3つの部門をこのように分けた。

「人気課題本部門」

「彩なす家リベンジ部門」

「酔いどれ部門」


大阪の記事では読書会参加者を5つの状況で分けて考えたが、今回はこの三つの部門別に考えていこうと思う。


①人気課題本部門

人気課題本部門とは、彩ふ読書会で以前課題本とした作品のうち、参加者の多かった作品を候補に選んだものだ。これは、主にコロナ禍以前(読書会休止前)に参加されていた方や、コロナ禍後(読書会再開後)に初めて参加されてて参加出来なかった方向けに作った部門である。もちろん誰がどの部門の作品を選んでもらっても大歓迎なのだが、コロナ禍以前(読書会休止前)に参加されていた方にも参加しやすいよう考えていたものでもある。

コロナ禍の中、読書がままならなくなった人たちが多くいる。それまでは読書が好きだったはずなのに、パタンと読書が出来なくなったのだ。生活や仕事の変化に伴って読書の習慣がなくなってしまったり、他のことに楽しみを見つけた方も多くいる。そんな方でも、以前読んだことのある本ならば再読するだけで良いので参加しやすいのではないか。

再開してからしばらく経ってもいるため、なんとなーく顔を出しにくくなってしまっている方もおられるだろう。最近足を運んでないな~という方にぜひ参加していただきたいなと思っている。逆にこの再読がきっかけでまた読書を好きになってもらえたら幸いである。

この部門は『博士の愛した数式』に決まった。



②彩なす家リベンジ部門

コロナ禍で読書会を休止していたとき、「彩なす家オンライン読書会」という名称でオンライン読書会を行っていた。オンラインは苦手だったり、参加の仕方が分からない等で参加出来なかった方もおられたのではないかと思い、今回選んでみた。また、こちらも人気課題本部門同様、以前読んだことのある本ならば再読するだけで良いので参加しやすいのではないかということで候補作をピックアップした。

「彩なす家オンライン読書会」ではスクショ対策が解決できず、画面オフ音声のみでやっていたのだが、そうなると対面とは違って話しだすタイミングがつかめなかったり、相手の表情が分からないといった点があった。それでも盛り上がることもあったし今回選ばれた本も非常に盛り上がったものだったのだが、いかんせんリモート自体に私が不慣れだったため、参加してもらうこと自体に申し訳なさがつきまとっていた。

オフラインでリベンジすることで、その申し訳なさを払拭したい気持ちもある。以前オンライン読書会に参加していた方もぜひまた参加していただければ幸いである。

この部門は『虐殺器官』に決まった。



③酔いどれ部門

この部門は「12/7の課題本を決めるという名目で集まる飲み会」の飲み会中に候補作をあげて酔いながら決めた部門である。コロナ前、コロナ後の参加関係なく、ここ最近読書会に参加している人たちで決めたものだ。人気課題本部門と彩なす家リベンジ部門で各方面をカバーしているので、何が選ばれても大丈夫!ということで私は「尖ったやつ、選びましょう」と伝えた。結果この発言がハードルの高さを生み出してしまったのだが、結果としては『ルックバック』に決まった。



最後に

この特別イベントの準備期間を通して、様々な方とアイデアを出し合った。今回採用できなかったことも多かったが、本当に色んなアイデアが出て、これから実現していきたいなあという思いが強くなった。2〜4月の課題本リストにうっかり入れ忘れてしまっていたのだが、酔いどれ部門で出てきた候補作もいずれ課題本にしたいなと思っている。

以前の私と違うのは、「みんなで特別イベントをつくる」ということを私自身がより強く意識していることだ。事前準備、段取りをそつなくこなしてしまう仕事早い人間のーさんなので、本来の力を発揮すれば主催一人でやってのけるような計画を作っていく。ただ、それをやってしまうと後ろを振り返ったときにあれ私一人だけ?となってしまうし、参加者の方々に「楽しかったナー」と思ってはもらえても、ただただサービスを提供するだけで終わってしまうという事態を招くし仕事ではよくそういう事態になっている。それではいかんという思いがある。今回の打ち合わせでは初参加からそのまま読書会終了後のごはんスイーツ会に参加してくれた方もいたりして、様々な意見と場を共有することが出来た。なかなか初参加から意見を出すのは難しいと感じた方もいたかもしれないが、仮に8周年をやるときには一年後なわけで、そのときに「そういえば7周年イベントでも参加してたなー」なんて思いを馳せてもらえるようになっていたら幸いである。

既に募集は開始した。

私は本番よりも準備期間を楽しむタイプなので、募集開始してしまってからのここ数日間、胃が痛い生活が続いている。ついついこまめにスマホをチェックしてしまうのだ。スマホを遠ざけるため余計に読書をしているので、読書量はめちゃくちゃ多くなっている。

特定の個人に対して思うことはある。ここには書かないしそれぞれ事情もあるだろうから私から連絡することはしないが「あの人元気かな〜」と気になっている人は沢山いる。もしこの機に参加してくれたらとてつもなく嬉しい。むしろ足が遠のいている人たちで「彩ふで7周年やるらしいで」「〇〇さんは行く?」といった話題になるだけでも(参加するかは置いといて)7周年イベントを実際する意味があると思える。

7周年ということは、すなわち彩ふ読書会は7年目ということだ。初期のころと現在とでは参加者も違っている。ただ、課題本読書会の良いところは、一冊の本を介して喋ることができるから、参加具合関係なく垣根を超えることが出来るという点だ。実際、普段の読書会でも初参加の方が場を盛り上げてくれることが多々ある。久しぶりに参加する方も、課題本読書会なら離れていた期間を一気に縮めてくれるだろう。

懇親会でのお楽しみ企画は「本のプレゼント交換会」を行うことにした。テーマは「読んでくれた貴方と(できれば)語り合いたい本」である。受け取ってくれたお相手が実際に読んでくれるかは分からないが、もし読んでくれたら少なくとも二人では語り合える本となる。「あの本、読みましたよ」が出来るのだ。新品でなくてもOKだし、一応1冊としているが上下巻でもありだ。それか上巻だけにしておいて、面白かったら続きは買ってね、でもありだ。メッセージカードをつけるのもOK、なくてもOK。私は何にするかもう決めた。

冒頭に「出来れば参加を検討していてちょっと不参加寄りの人に届けたいところである」と書いた。既に予定が入っている方は仕方ないが、もしそうでなければ参加していただきたい。

イベントの後日にアップするレポートを読んで「参加しておけば良かった!」と後悔するのはなんとももったいない。彩ふ読書会の東京7周年イベントは今回限りで二度目はない。

「絶対」という言葉を使ってしまうと「絶対って言うたやん!詐欺や!」なんて捉えかねないので、普段は強気な発言を控えているが、今回ばかりは言っておきたい。

7周年イベントは「絶対に」楽しめる読書会だ、と。

そう断言できるほどの自信がある。

どうしても楽しめなかったのなら即日返金対応しよう。「わたしの貴重な時間を返せ」と言われたら「わたしの一日をあなたに捧げます」としか言えないが、参加費の返金ならば対応可能だ。しかしそんなことは「絶対に」起きないと自信を持って言える。

何故なら、私一人で作った7周年イベントではないからだ。

会場の予約やある程度のタイムスケジュールなど大枠は私のほうで準備したが、中身に関しては色々なアイデアを出し合って作ってきた。彩ふ読書会を少しでも知ってる人、まだ参加したことがなくても何となく知ってた人、以前から知ってる人。誰も彼もが面白くないわけがないのだ。楽しめないわけがないのだ。

7周年イベントは「絶対に」楽しめる読書会である。

予定の空いている方、参加申込待ってるぜ!!



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ののの@彩ふ文芸部(彩ふ読書会)
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