生成AI導入の現状とこれから:2024年時点で国内法人の利用率はなんと◯%。具体的な7つの利用効果も公開。
こんにちは、入江慎吾です。
生成AIの衝撃的な登場から約1年。ChatGPTをはじめ、画像生成AI、文章生成AI、音声生成AIなど、私たちの生活や仕事のあり方を根底から覆すような革新的なサービスが次々と生まれてきています。
それと同時に、企業における生成AI導入も加速しています。膨大なデータを学習したAIは、まるで優秀な秘書のように、これまで人間が行ってきた作業を自動化し、私たちの創造性を拡張してくれる可能性を秘めているからです。
しかし、多くの企業が導入に踏み切れない現実もあります。
「本当に効果があるのか?」「情報漏洩は大丈夫なのか?」「そもそも、どうやって使えばいいのかわからない…」
このような悩みや不安を抱えている担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、企業における生成AI導入の現状と展望、成功事例、そして導入における課題やその解決策について、僕の経験を交えながら解説していきます。
生成AI導入:企業の現状
生成AIは、企業の規模によって導入状況に大きな差があります。
世界全体の生成AI市場規模は、2030年までに約14兆円に拡大すると予測されており、2022年から2030年までのCAGR(年平均成長率)は35.6%と高い成長率が見込まれています。
この数字からも、生成AIが今後、企業にとって重要なテクノロジーとなることは間違いありません。間違いなく普及してくる技術です。
生成AIの導入目的と利用方法
生成AIは、さまざまな業務で活用されています。主な導入目的と利用方法を見ていきましょう。
1. 業務効率化と生産性向上
生成AIは、これまで人間が行ってきた定型的な作業を自動化することで、業務効率化と生産性向上を実現することができます。
具体例
文章作成・編集・翻訳: 報告書、議事録、プレゼン資料、マーケティング資料、メール、翻訳など
データ入力・集計: 顧客データ、売上データ、アンケートデータなどの入力・集計
画像・動画編集: 画像の加工、動画の編集、サムネイル作成など
プログラミング支援: コード生成、バグ修正、ドキュメント作成など
顧客サポート: よくある質問への回答、チャットボットによる自動応答など
これらの業務を自動化することで、従業員はより創造的な業務に集中することができ、企業全体の生産性向上につながります。
2. コスト削減
生成AIは、人件費や外注費などのコスト削減にも貢献します。
具体例
顧客サポート業務の自動化による人件費削減
翻訳業務の自動化による外注費削減
広告クリエイティブ作成の自動化による制作費削減
AIを活用することで、従来は人手をかけていた作業を効率化し、コストを大幅に削減することができます。
3. イノベーションの促進
生成AIは、新しいアイデアを生み出し、イノベーションを促進する力も持っています。
具体例
新製品・サービスのアイデア出し
既存製品・サービスの改善提案
新規市場開拓のための分析
AIは、膨大なデータから人間では気づかないようなパターンやトレンドを見つけ出し、新しい発想を生み出すことができます。
4. 24時間365日の対応
AIは、人間と違って休む必要がありません。24時間365日稼働させることができるため、顧客サポートやデータ分析などの業務を常時行うことができます。
5. データ分析と意思決定支援
生成AIは、膨大なデータを分析し、人間では見つけられないような洞察を提供することができます。
具体例
顧客データ分析によるターゲット顧客の特定
売上データ分析による販売戦略の改善
市場トレンド分析による新規事業機会の発見
AIによるデータ分析は、より正確で客観的な意思決定を支援します。
6. 個別化・カスタマイズ
生成AIは、個々の顧客や状況に合わせて、個別化されたサービスや製品を提供することができます。
具体例
顧客の好みに合わせた商品レコメンド
個別ニーズに合わせた学習コンテンツ提供
状況に応じた最適な広告配信
AIによる個別化・カスタマイズは、顧客満足度向上につながります。
7. 創造性の拡張
生成AIは、人間の創造性を拡張するツールとしても活用できます。
具体例
小説、詩、音楽などの創作活動
デザイン、イラスト、ロゴなどの作成
AIは、人間の創造的な活動を支援し、新たな表現の可能性を広げてくれます。
生成AI導入における課題
多くのメリットがある生成AIですが、導入にあたってはいくつかの課題も存在します。
1. 生成AIの効果やリスクに関する理解不足
生成AI導入における最大の課題は、生成AIの効果やリスクに対する理解不足です。
僕自身も、周りの人に聞いてみると「ChatGPTを使ったことがある」という人は多いのですが、そのほとんどが無料版のGPT-3.5しか使ったことがありません。
しかし、GPT-3.5とGPT-4では、まるで大人と子供ほどの性能差があります。
無料版しか使ったことがない人は、生成AIの本当の実力を知らないまま「こんなものか」と評価してしまっている可能性があるのです。
また、生成AIを使いこなすためには、プロンプトと呼ばれる指示の出し方が重要になります。
プロンプトの書き方ひとつで、生成される文章やコードの質が大きく変わってきます。具体的な指示を出すほど、精度の高い回答を得ることができます。
しかし、プロンプトの学習には、ある程度の時間と慣れが必要です。
2. 誤った回答を信じて業務に利用してしまう懸念
生成AIは、膨大なデータから学習していますが、ハルシネーションと呼ばれ、そのデータには誤った情報や偏った情報も含まれている可能性があります。
そのため、生成AIが出力した文章やコードを鵜呑みにしてしまうと、業務に悪影響を及ぼす可能性もあります。
3. 適切な利用を管理するためのルール・基準作成の難しさ
生成AIを安全かつ効果的に利用するためには、適切なルールや基準を設ける必要があります。
しかし、生成AIは日々進化しているため、常に最新の情報を収集し、ルール・基準を見直していく必要があります。
生成AI導入の成功事例
課題も多い生成AIですが、適切に導入し運用することで、多くの企業が成果を上げています。
生成AI導入を成功させるための鍵
生成AI導入を成功させるためには、以下の3つのポイントが重要です。
1. 適切なユースケース設定
生成AIは万能ではありません。得意な分野と苦手な分野があります。
自社の業務の中で、生成AIが効果を発揮できる業務は何か?を分析し、適切なユースケースを設定することが重要です。
2. 経営層のビジョンとの一致
生成AI導入は、単なる業務効率化にとどまらず、企業全体の変革につながる可能性があります。
そのため、経営層が生成AI導入の意義を理解し、企業のビジョンと整合性のある形で導入を進めていくことが重要です。
3. DXへの取り組みとデータ活用の推進
生成AIは、データ活用が前提となるテクノロジーです。
DXへの取り組みを進め、社内にデータ活用文化を醸成していくことが、生成AI導入成功の基盤となります。
生成AI導入における課題への対策
では、先にあげた導入における課題については、どのように対策していけばいいのでしょうか。
1. 生成AIについての理解を深める
まずは、生成AIについての理解を深めることが重要です。ChatGPTの無料版だけじゃなく、有料版や他のモデルも試してみたり、プロンプトエンジニアリングを学んだりすることで、生成AIの本当の実力を知ることができます。
2. 生成AIを過信しない
生成AIはあくまでもツールです。万能ではありません。
生成AIが出力した情報を鵜呑みにせず、必ず人間が最終チェックを行うようにしましょう。
3. 専門家を頼る
生成AI導入や運用には、専門的な知識が必要です。
社内に専門家がいない場合は、外部の専門家やコンサルタントに相談するのも有効な手段です。
今後の展望
生成AIは、今後も進化を続け、企業の業務を大きく変えていく可能性があります。
大企業を中心に導入が進み、今後は中小企業への普及が加速していくでしょう。それと同時に、DXやデータ活用と連携した戦略的な導入が重要になってきます。
生成AIを活用することで、従業員の業務内容も変化し、より創造的な業務にシフトしていく可能性があります。
また、生成AI活用によって生まれた効果を、どのように従業員に還元していくか?も重要な検討事項となるでしょう。
生成AI導入支援サービス:オートロン
オートロンは弊社が開発した、生成AIを活用して業務効率化と生産性向上を実現するサービスです。
ChatGPTやGemini、Claude3などのLLM、Stable Diffusionなどの画像生成AIを、月額2,000円から利用することができます。
オートロンの特徴は、プロンプトスキルがなくてもすぐに使えるように、あらかじめ業務に特化したAIアシスタントが80種類以上用意されていることです。また、ノーコードで企業独自のナレッジを学習させた社内RAGを構築することもできます。
また法人導入で最大の障壁となる定着ですが、ここも導入定着サポートを生成AIに詳しい専門家が個別に行っていることも強みです。(私が担当しています)
オートロンは、生成AI導入を検討している企業にとって、最適なソリューションです。ぜひ資料請求またはお問い合わせください。
まとめ
生成AIは、企業の業務効率化やイノベーション促進に大きく貢献する可能性を秘めたテクノロジーです。
適切な導入と運用により、多くのメリットが期待できますが、同時に課題も存在します。
生成AIについての理解を深め、過信せず、専門家を頼りながら、戦略的な導入を進めていくことが重要です。
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