Iris

Education, advocacy, and equality are my vital areas of interest.

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最近の記事

好きな言葉 Ⅱ

6 大好きな詩人、銀色夏生さんの言葉。銀色さんのことを知ったのは、合唱組曲「終わりのない歌」でその詩が使用されていたからだった。「終わりのない歌」は、これまた大好きな上田真樹さんが作曲した計5曲からなる組曲で、地元の高校の男声合唱団が歌っているのを聞いてとても感動したのをいまだに覚えている。  大学生になったある日、銀色さんのホームページを見ていて目に留まった「春」という題のモノローグにこの言葉が載せられていた。  生まれてきてこの方様々な変化を乗り越えてきたが、その一つ

    • 好きな言葉 Ⅰ

      1 『サモアの思春期』などで有名なアメリカの文化人類学者、マーガレット・ミードの言葉。未来とは今である、というシンプルなフレーズだが、「いま」として知覚されるこの一瞬一瞬の堆積がわたしたちの時間を形作るという自明の理を思い出させてくれる。  この言葉と出会ったのは、小学校6年生のとき。下級生から贈られた「卒業を祝う会」の招待状に書かれていた。一通ごとに違う名言が書かれており、わたしにはこのミードの言葉の日本語訳を記したものが渡された。当時はミードのことなんて知らなかったし、

      • The roots of education are bitter, but the fruit is sweet. - Aristotle

        2日後に統計のテストが迫っているけれど、こういう時に筆が乗るタイプなので一記事取り組むことにする。 先日、附属高校での教育実習を終えた。担当科目は「公共」であった。 約3週間の実習の中で得た学びは様々あるが、課題に直面した際に得た気づきが最も貴重であったと感じるので、それらを中心に実習を振り返ろうと思う。 (1) 単元の構成 まず、私の教育実習は、単元を構成するところから始まった。単元の構成は、自分が履修したことのない新科目「公共」の指導要領を改めて読み込み、教科書や資

        • 意識

          序 哲学じみた,意味づけ,もしくは自分史. かつて子どもだったあなたへ 教育実習の季節になったので,小学生から高校生まで,自分より一回りも二回りも年下の人たちのことを考える機会が増えている.自分の頭のなかでこれから受け持つ子どもの像を結び,彼女たちにどんなふうにかかわれば楽しんで学んでもらえるかな,と日夜考える癖がつき,指導準備をしていない時間にもついつい身の回りにいる子どもたちに目が行ってしまうようになった. この前1年ぶりくらいにディズニーシーに行ったときには,プ

          2023年前期FW感想

           先行研究の意味を読み違えている部分もあったが、当時の自分が考えていたことの記録として残しておく。 ⓪全体の感想  はじめて生活保護担当の部署の方と話したが、ようやく行政も対人サービスなのだと実感することができた。支援者も様々な葛藤の中でたたかっているのだと思えた。 ①「生活保護にならずにすむように」  生活困窮者自立支援制度の説明をしてくださった面接担当の方から、「生活保護にならずに済むように」との発言があった。制度の趣旨として、困っているものの資産が多いなどの理由から

          2023年前期FW感想

          奴雁

          社会政策関連学会協議会 「社会政策関連学会協議会シンポジウム 学術の役割を考える―学問と社会の関係を問い直すための知恵―」(2024/03/09) 感情に根差した語りと理論に根差した語りが入り混じる会でした(アジェンダ的に当然だと思いますし、その点を批判するつもりは毛頭ありません)。 研究者が政治の利害や資本の要請から逃れた独立した問題意識を持ち、政策の重点領域や市民の関心から取りこぼされたり、軽視ないし単純化して捉えられたりする傾向のある社会福祉政策などのアジェンダを拾

          解釈と信頼

          言葉が、その使用現場において何を託されているかをより精緻に汲み取る力を付けたい。 所属組織がとある大学と行なった調査分析の結果を報告するシンポジウムに参加した。その報告の中で、その組織内で普段使っている言葉が、大学との共同研究では大きく異なる扱いを受けていることに気づかされた。その言葉を使う意図についてモデレーターに質問してみると、政策提言を見据えて省庁が出している見解に引き寄せたこと、子どもにもわかりやすい言葉遣いを心掛けたことが大きな理由であることがわかった。この2点に

          解釈と信頼

          はじめての思索

          外的刺激の最小化された状況に置かれると、人間は内省に走るらしい。 コロナ禍真っ只中の夏、私は静寂に満ちた白昼のリビングで自分に問いを発する日々を過ごしていた。 教育、市民、弱さ、贈与、介入、真摯さ、対話、人間、哲学、コスモポリタン、感受性、物語、記号、脳。問いの反芻は思考の緻密さを増すのには役立ったが、自分の内的世界を充足するには至らなかった。 無為の自分に焦ることは久しくなかった。元々極度の内向型人間だったのだ。共感覚の影響か、小さい頃から私の内側は常に虹色だった。外部の

          はじめての思索