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2021年 東大文系入試 完全実況中継 〜当日の臨場感をあなたへ〜

こんにちは!東大文科Ⅱ類1年のアイリスです!最近大学受験系の記事を読んでいて思ったのですが、みんな参考書や勉強法の紹介は色々しているのに、実際受験してみてどう感じたか、というのをまとめた記事は少なくないですか?試験場でどんな思いだったか、実際にどんな発想を使って問題を解いたのか、など、実際に試験を受けた人にしかわからない稀有な体験を記すことには価値があると思いました。そこで、私が受けた東大入試2021の実況を前日からやっていきたいと思います。東大に限らず、大学受験を考えているそこのあなた!ぜひこの記事を読んで、臨場感と当日使える思考法を体感してみませんか?あと、❤️ボタンもよろしくお願いします!それではどうぞ!

受験前日(2/24)

実家が愛知で、東京ではなかったため、ホテルを借りて母と一緒に駒場キャンパスの近くに泊まることにした。流石に緊張していて食欲がない。近くにあったカレー屋でカレーを食べた。味はあまり感じない。2月の風が、妙に身に染みて寒い。ホテルへ着く。途中で、同じ受験生と思われる親子とすれ違った。受験生とその親特有の雰囲気って絶対あるよね、そんな話を付き添ってきてくれた母としながら、ホテルの部屋に入った。1日目は国語と数学。数学の問題を最後に少しだけ解くことにした。鉄緑会の東大数学問題集を何問か解く。そして8時。眠れないだろうから、せめて早めに寝て体を休めたら、という母の提案を受け入れ、早めにベッドに入る。なかなか眠れなかったが、11時には寝られたようだ。


受験当日 一日目(2/25)

7時くらいに目が覚めた。体調は悪くない。なかなかいいコンディションではないか。朝ごはんにパンを食べて、ホテルのエレベーターへ行く。途中でまた受験生とその母らしき人とすれ違った。エレベーターを降り、エスカレーターに導かれて外へ。少し肌寒い。電車に乗ると、参考書を読む受験生らしき人が何人もいる。いよいよ緊張感が高まってきた。駒場東大前駅で降りると、受験生の行列が門の前にできている。ふと横を見ると、河合塾の「合格するのは、いつものキミだ」という広告が目に入る。さて、心を落ち着けた、入場。入って左の建物に入る。緊張感が張り詰める雰囲気の中、建物の階段を登っていく。ここにくるまでに幾つかの仮設トイレが目についた。やはりトイレは混むのだろうか。トイレは混むと聞いていたが、割と空いている。先に来ていた友人と少し喋った後、階段を上がって、教室に入った。結構狭い。机に貼られたシールを目印に自分の席を特定する。机の上には、なぜか段ボール制の仕切りがあった。コロナ対策だろうか。段ボールの右端が少し破れている。試験官の方に知らせたら、気にしないでください、とのこと。まあいいか。特に試験問題を解くのに支障はない。なんだか、机が狭いな。特に縦の幅が狭い。問題用紙を折らなければいけないかも...?てか周り男子しかいないやん...文Ⅱ、女子少な...いかんいかん、こんなことを考えている場合ではない。さっさと着席。30分ほど待たされた。トイレに行っておけばよかったな...

いよいよ、国語の問題用紙が配られる。代ゼミの東大プレと紙質がほぼ同じでびびる。始まる。150分の試験が。大丈夫、添削問題を何題もこなしてきたし...そんな思いで時計を見つめていた。なぜかはわからないが、試験開始が10分遅れた。誰か遅刻しかけたのだろうか...そんなことを考えていると試験官の「始めてください」の声でみんなが一斉に問題用紙をめくる。名前を書いて...さて、私は古文→漢文→現代文の順に解くと決めていたので、第二問から解き始める。お、落窪物語か。知ってるぞ。シンデレラストーリーだな。状況を推測して、主語を特定し、敬語にも気をつけて訳していく。学んできた基礎事項が出題されていた。かなり感触はいい。次は漢文。一読する。なるほど、政治を操る人が長期的な政策を立てると短期的な成果を求める民が不満を言う話か...?そんな感じのイメージで空欄を埋める。最後のまとめ問題は要旨をそのまま書けばいいか...まあまあできたか?次は現代文へ。予想通り、75分ほどが経過。ちょうど半分だ。第一問へ。ケアの話か...コロナを意識したのか?なんか東大模試で似たようなのがあったような...(もしくは駿台模試?)とりあえず、傍線の近くの語を拾い集め、他の場所から要素を継ぎ足していく。過不足のない答案にしようと思ったが、少々冗長になってしまった。とりあえず漢字は全部埋めて...と。なるほど、共同性がテーマなのか、これを念頭に置いておけば記述も大外しはしなさそう...と思いながら120字論述を埋めていく。なんとか指定字数内に収めた。ここで一度トイレへ。試験官にトイレの入り口まで付き添ってもらって、そして教室へ戻る。さて...文系にしか与えられない大ボス、第四問へ。時間が少し押している。残り35分か。まあいけるか。よくわからない小説が出るのはやめてくれよ...そう思いながらページをめくると、お、夏目漱石と松岡子規か。いけそう。ええと、一輪挿し...?子規の心情...?強がりかな...?と思いながら(1)を埋めていく。(2)は分かったような分からないような...(3)と(4)はピンと来なかったが、文章中の言葉を使ってなんとか捻り出した。さて、のこり5分。解答の見直し、理由説明の問いに対して最後が〜から、という形になっているか、そして、どういうことか、説明せよ、という問いに対して〜ということ、という形で答えているか確認する。おっと、大問一で一つそれをミスしていた。急いで文の最後を書き直す。そこで試験終了。事故を起こさず終えられてよかった。体感としては70/120ぐらいか。まあ及第点。

そこから妙に長い待機時間を経て、数学へ。実は数学には自信があった。大学への数学でも何度か学力コンテストで冊子掲載され、今回の数学でもあわよくば60/80ほど取れればいいな、と思っていると試験開始。第一問。図を書くと、それらしき感じのイメージがついた。単位円と三次関数か... どうやら第1問と第3問は手をつけやすそうだ(3分)。まず第1問から手をつけていく。とりあえず円を書き、三次関数と上手く6個共有点を持つようなグラフを書いて考えてみる。グラフで考えるのは難しそうだ。yを消去した6次方程式で何とかしてみよう。そう思ってx²+y²=1にy=ax³-2xを代入する。おっ、xの複2次式が出てきた。これはもらったぞ。x²をt(>0)とおいて、この3次方程式が異なる3つの正の実数解を持てばよい...と。グラフの形状を確認して、条件を付け加えていく。これは塾でやったことがあるな...と考えながら条件を出した。だが、おかしい。aの範囲が出てこない。見直しをすると、ひとつ不等号の向きを間違えていた。やけに狭い範囲になったが、とりあえず答えは出たので次へ進む(25分)。次はいけると踏んだ第3問。なるほど、(1)は解の配置問題か、これはいけるな。三角形を書いて...よし終わり(30分)。
次、(2)は...難しい。とりあえず(1)が誘導になっていると考え、いろいろ試してみるが、うまくいかない。よし、これはもう平方完成して頂点を出して放物線を強引に動かそう!正攻法ではないかも知れないが、これしかない。そう考えて平方完成、極端な値を考えることで端点を見つけ、あとはそこをスライドさせていく...だけのはずなのだが、何が何だがわからなくなってきた。やはり解法が強引だったのか、焦りも相まって上手く範囲が示せない。とりあえず「この範囲で動かすと...」と書いてごまかし、それっぽいところに斜線を引いて範囲とする(だが後で解答速報を見たら真ん中の部分は塗らなくてよかったらしいし、他にも色々ミスしていた)(50分)。
さて、次はどっちをやろうか...数え上げは時間を食いそうだったので大問4へ。(1)は奇数を2t +1などと文字に変換していき怪しくも完答。だが、(2)、(3)が地雷だった。全く解けない。分数で置いたりと色々試すが、答えに行かない。とりあえず考えたことをそれとなく整理して書き、部分点を期待しながら飛ばす。(4)へ。お、これは…(2)と(3)が証明できたことにすればその条件を使って余裕で解けるな...冒頭に、(2)と(3)は証明されたとする、と書いて色々計算すると126C2となった。よし、余りは3か。慎重に検算する。この大問は(4)ぐらいしか取れていないな...と考えながら、大問2へ(75分)。さて、大問2...おっと、必ず1を選ぶという条件を読み落とさないように...ん?抽象的で難しいな...こういう時は...身近な数で実験!N=5を代入して部分点狙いで候補になるものを書き上げていく。5通りか。ということはもしかして答えはN通り?そう思ったが、極度の緊張からかN通りであることがうまく示せない。とりあえず適当に書き終わらせて(2)へ(90分)。だが、よくわからない。とりあえず適当なことを書いて他の見直しへ行く。まず大問1、4の見直し。うん、大丈夫そうだ。次は怪しい大問3。何とか放物線が動く範囲を出す(だが、真ん中の部分を塗ったままにしてしまっていた...減点だろう)。そのまま大問2の見直しをしようとしたところで「やめてください」の声。これはまずい...完答は一問だけ、他は部分点...60点には遠く及ばない。もしかしたら30点とかかも...打ちひしがれ、ふらふらになりながらホテルへ帰り、私の一日目は幕を閉じたのだった...

受験当日 二日目(2/26)

心機一転して、今日は社会と英語。昨日の失敗も取り返すぐらいの点数を取らないと...という思いで駒場キャンパスへ向かう。途中の電車には、やはり世界史や日本史の参考書を読む東大受験生らしき人が何人もいる。その横にあった、代々木ゼミナールの電車内広告が目に入った。さて、昨日と同じ席について地歴が始まるのを待つ。ん?隣の人、やたら鉛筆を用意してるな...マーク式じゃないのに...そんなことを考えていると試験開始。私は珍しく日本史・地理選択である。まず地理から。お、割と過去問に比べて解きやすいかも?でも、記号問題難しいな...第一問設問Aでは合っているか分からないが、取り敢えず指定語句を使って解答欄を埋めていく。おっと、下線を引くのを忘れないように...航路や資源は得られるようになるが、生態系が壊れる、みたいな感じかな?(2)〜(4)はまあいけるか。(5)は両国がエネルギー需要に対抗するためにシェールガス開発や太陽光発電を進めている...と。次は、第二問。国を当てさせる問題、難しいな...だが、過去問演習で培った感と経験値でそれっぽく埋めてゆく...できたような、できないような...そんな感覚で第二問へ。なるほど、英語、地域語、州...インドは多くの地域語があって英語も準公用語になっているのは知っているが、インドネシアについては知らないな...いや落ち着け。わざわざ出すってことは、何か特徴があるはずだ。そしてそれは、インドと対比をなすのでは...インドネシアは地域語は少なく英語が多い?みたいな???(4)は広東語。理由もつけて、よしOK。設問Bへ。お、これは過去問で見たことがある。(3)も韓国の学歴社会の深刻化が原因なんだろうな〜と思いつつ解答。第三問へ。イスラエルで女性の労働力率が高い理由...?分からん。社会保障が手厚いからかな?次は...フィリピンで、女性の労働力率が高くない理由?分からん...とばすか。設問Bへ。あーなんか過去問で見たことがあるなーと思いつつ空欄を埋める。(4)はやったことがあるぞ...お次は日本史。ここまでで80分経過。残り70分。さて日本史だ。第一問...これ、(1)〜(5)をうまく繋げればいいのでは?これまで解いてきた問題の知識も多少織り交ぜて解答。第二問。あ、これも与えられた文章をまとめればいいか...?第三問。Aは飢饉に幕府の浪費...?Bは与えられた文章をまとめる。さて、ラスト、第四問。華族の構成に変化をもたらした...?分からん...あ、士族を加えているのか。民権派に対抗して...(2)はそのままだと選挙に立候補できなかったから...?リード文そのままだけど、まあいいか...見直しをして、150分が終了。なんだか日本史はリード文をまとめただけな気がするな、大丈夫かな...?答案が回収された後の長い待機時間が退屈だった。昼ごはんの時間だが、あまり食欲はない。しばし休息。

少しストレッチをしていると、試験官が入ってきた。問題が配られる。お、マークシートも配られた。過去問と形式は変わらないようだ。落ち着け、と一回深呼吸をする。静寂と言う言葉がぴったりな緊張感の張り詰めた教室の中で、時計の秒針の音だけがカチカチと些細な音を立てている。秒針が、12を回った。
「始めてください」
試験監督がそう告げた途端、みんなが一斉に問題用紙をめくる。自分の中で落ち着けと言い聞かせながら、問題の傾向が変わっていないかを確認する。問題ない。過去問と同じ、大問5問構成だ。その後ろに中国語やドイツ語、フランス語問題があるが、英語選択の私には関係ない。私は大問1から順に解いていくと決めていたので、まず大問1Aの要約問題から手をつける。む、難しい...要旨が掴みにくい。どこを抜き出せばいい...?少し焦る。だがこんな時は各段落の最初と最後をまとめておくと決めていた。他の問題を解く時間が無くならないよう、大事に見える部分と各段落の最初と最後をまとめていく。なんとか指定字数に収めた。続いて大問1Bの空欄補充へ。わかったような、わからないような...過去問演習で培った勘で、なんとか埋める。正答率はあまり良くないかも...続いて2A、2Bの英作文へ。自由英作文...街の重要な条件...?書きにくい、いやここで踏ん張らないでどうする。とりあえず、友達に会えるのが大事、というようにしておくか、公共交通機関の整備が大事とか書いて...最後に、人とのコミュニケーションこそ、重要である...と。これで及第点はもらえるか。今度は和文英訳...一度乗れるようになってしまえば、ってどう訳そう?
一度マスターしてしまえば、というふうに言い換えるか、よしそうしよう。英作文の練習が活きたな。そんなことを考えていると、40分ほど経過している。リスニングまで残り5分だ。選択肢の下読みをしておこう。(B)の最後まで読んだところで、音声が入る。
「これから、リスニングテストを始めます...」流し聞きしながら、こっそりと、(C)の選択肢にざっと目を通した。問題が流れ始める。聞いていたほど音質は悪くない。かなりクリアだ。ラッキー。そんなことを頭の片隅で考え、自分を落ち着かせながら問題を聞いていく。書き取ることはしない。話の筋を追うことに集中する。大体内容が掴めた。聞き逃した選択肢に印をつけ、2回目の放送を聞く。体感としてはある8割くらいわかった、という印象。マークミスを起こさないよう慎重にマークシートにマークする。そのままの勢いで第4問へ。私にとっては鬼門の文法問題。やはり難しい。確証を得たのは5問中1問だけ。勘でマークし、時間を気にしながら4Bの和訳問題へ。少し文法問題で悩みすぎた。お、割と書ける...?過去問ほど難しくはないか、と少し急ぎ気味に書いて最後の大問5へ。お、過去問よりは簡単か?と思いながら記号を埋めていく。手応えを感じる。内容説明問題は、問題文の前後から抜き出しておいた。内容一致問題も確証を持って答えたところで、残り5分。最後の粘りを見せる時だ。まずマークミスや解答欄のずれがないか確認する。大丈夫そうだ。そして最後に英作文のスペルミスをチェックする。おっと、危ない。ピリオドをつけ忘れていた...よし、これでOK。そう思ったところで、終了を告げるチャイムが鳴った。一気に脱力感が襲ってくる。アドレナリンが切れたのか。ギリギリだった。集中力が切れなくてよかった...そんなことを考えながら、私は回収される答案をぼんやり眺めていた...

いかがだったでしょうか。ちなみに得点は国語69/120、数学48/80、日本史43/60、地理29/60、英語75/120でした。これで大体合格者平均点ぐらいでの合格となります。数学と日本史で割と点がきましたね。やはり自分の感覚も大事ですが、それ以上に最後までやり抜くのが大事だと感じました。ではまた。

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