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女の命。

◯◯は女の命。

そういった謳い文句を、目や耳にすることがある。

例えば、肌。

傷ひとつなく、ムダ毛のないスベスベな肌は、女の命。

だから大切に、お手入れしましょう。

おそらく、そう言いたいのだと思う。

でも、そういう謳い文句に触れるたび、わたしの心がすり減っていくのを感じる。

わたしは、生まれつきアトピー性皮膚炎だ。

皮膚科に通い、塗り薬や飲み薬で治療をしているものの、良くなったり悪くなったりを繰り返している。

アトピー性皮膚炎でない人よりも、肌の手入れにはうんと時間をかけている。

それでも、わたしの肌には無数の傷跡や色素沈着、時には生傷が絶えない。

どんなにがんばってみても、普通の人の肌以下だ。

肌が綺麗なことが当たり前であり、女子力の指標、そういうイメージが蔓延るこの世の中で。

肌が汚いということが、女性にとってどれだけ辛く、みじめな気持ちにさせることか。

おそらく、これは皮膚の病を患う人にしかわからない苦しみだろう。

アトピー性皮膚炎以外にも、乾癬であるとか、アザがあるとか、いろいろな事情で綺麗な肌を保てないことはある。

ただそれだけのことで、女の命をすり減らしていかねばならないのか。

これは肌だけに限った話ではないけれど。

肌が汚くても、わたしは女であり、女として生きていかねばならない。

生きにくいことこの上ない、この世の中をね。

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