マカロン。
マカロンが好きな人が嫌い。
そう思っている。
何かきっかけがあって、そう思っているわけではない。
ただ何となく、本当になんとなく、嫌いなのだ。
多分に、小さくて可愛らしいものへの嫉妬が原因だ。
私は物心ついた頃から、"大きいね"と言われて育った。
身長は162㎝だから標準的なのだけれど、早熟だった。
小学校の頃からずっと、背の順で後ろ3番以内だった。
今でこそ身長がそれなりでよかったと思うこともあるけれど、小中学生の頃は嫌でたまらなかった。
背が高いというだけで、まるで可愛げがないかのように扱われる。
小学生くらいだと男の子より背が高いなんてこともザラで、その度にからかわれてきた。
好きになった男の子は皆、背が低い子が好きだった。
組体操でピラミッドを作るときは否応なく1番下の土台だった。
膝を砂まみれにしながら、何度てっぺんに登ることを夢見たかしれない。
当時なんて今では面影もないくらいガリガリだったのに、背が低いだけのポッチャリ体型の子に踏みつけられるなんて、まっぴらだった。
背が低いというだけで、顔そのものは大したことがなくても、まるで小動物かのように可愛がられる。
ずっとずっと、羨ましくてたまらなかった。
セノビックならぬ、チヂミックがあればいいのにと、本気で思っていた。
ショーケースに並んだ小さくて可愛いマカロンを見ると、当時の自分を思い出す。
小さくなくて、可愛げもなかった自分を。
マカロンを見ては「可愛い〜♡」を連発している人を心から軽蔑している。
それはきっと、その人たちに、当時背の低かったあの子たちをもてはやす彼らの姿が重なって見えるから。
あの頃の自分は、未だ癒えていない。
マカロンが悪くないことはわかっているけれど、私の心の闇は深いのだ。
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