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街灯の孤独を霰ひとしきり

2022/12/14(水)NHK文化センター 俳句講座に投句した四句の中の一句。岸本先生から入選をいただきました。当季雑詠、季語は「霰」です。
【学びポイント】
助詞「を」の使い方
【解説】
文法的なことをいうと、「を」という格助詞には
①動作・作用の目標・対象を表す。
②動作の出発点・分離点を示す。
③動作の経由する場所を示す。
④動作・作用の持続する時間を示す。
などの意味があります。(先日、わが師・夏井いつきのYoutube俳句チャンネルでも「を」「に」の違いが取り上げられました。「を」は活動の場所、「に」は存在を示す、という説明でした。)
この句における「を」は主語・霰の「打つ」対象が街灯であることを示しています。①の意味ですね。もちろん「打つ」という動詞は省略されているので、この句の中には書かれていません。
また、「ひとしきり」は霰がある一定の時間降っていることを示唆してもいますので、④の意味を含むと読んでもいいでしょう。
岸本先生の選評はおおむね以下の通りでした。
「『を』の使い方がとても上手い。お手本のような句である。下五のおさめかたも佳い。一義的には『孤独』なのは『街灯』だが、作者の淋しい気持ちも表現されている。『孤独なる街灯霰ひとしきり』『街灯の孤独や霰ひとしきり』などとすることも考えられるが、それでは意味が強くなりすぎる。この句においては『街灯の孤独を』とするのが最も佳い。」
他の受講生からの選はいただけませんでしたが、作者として伝えたかったことはすべて岸本先生が読み解いてくださったので、大変嬉しく感じました。

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