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球体の春の鮮度を求めなさい

2023年4月28日(金)南海放送ラジオ「夏井いつきの一句一遊」兼題:漢字シリーズ「体」にて1週目金曜日に読まれました。
この句はどのような発想で生まれたのか?と句友から質問されたこともあり、ここに書き記しておこうと思います。
まず、兼題「体」という漢字を句に詠み込まねばなりませんから、「体」を含む熟語を考えました。パッと浮かんだのが「球体」。レタス、キャベツ、蒲公英の綿毛、こでまりの花、しゃぼん玉、紙風船、丸いものが自然と目に入る、それが春。冬のとげとげした冷たい空気も、春になるとまぁるく柔らかくなるように感じます。春の眠りは浅くてぼんやりとしていて、無意識に体を丸くしているようでもあり・・・。そうだ、春って球体だ、と感じました。
そして、春は命が生まれる季節でもあります。その新鮮さを数値化できるとしたら、どんな単位で?と想像するのも楽しく。「鮮度」を測れないものにあえて「*****を求めなさい」という着地。これまでにやったことのない形でした。試験問題にこういうのが出たら、ちょっと楽しいかなとも思いました。
そうしてこの句が成ったわけですが、投句する前からもう、私にとっては楽しくてしかたない一句でした。この一句を詠めたことが嬉しい、そういう句です。「一句一遊」では2023年2月17日(金)に「河原鶸空打ち延べて鳴らすやう」を読んでいただいて以来の金曜日です。同じ日に読まれた方々の御句がまた素晴らしく、たくさん学びや気づきをいただけました。やっぱ俳句って楽しい!と思います。続けていると、句友が増え、喜びや楽しみをいっぱい分かち合えますね。

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