教育委員の発言中「投げつけられた」が「聞いた」に書き換えられた件について
IRIS代表の口頭陳述に対する教育委員の問題発言が公式の会議録に掲載された。
(塩谷委員)
請願者の「自分の10年を奪われた」という言葉にショックを受けた。子供たちが教師からそのような言葉を聞いたときに何を思うのか。今回の請願は教師側一方からのものであると思う。主役は子供であり、子供が何を求めているのかを考えるとおのずと道は見えてくると思う。働き方改革において、この数年教育委員会でも様々な議論がなされ、少しずつではあるが改革はなされてきたと思う。ただ、全国大会を主催しないということは現状難しいのではないかと個人的に思う。
およそこの通りで間違いないが、1点だけ、事実と大きく異なる点がある。それは、「子供たちが教師からそのような言葉を聞いたときに何を思うのか」という部分である。実際の発言は、「聞いた」ではなく「投げつけられた」である。つまり、「子供たちが教師からそのような言葉を投げつけられたときに何を思うのか」というのが実際の発言である。
これは代表のメモにも明確に記されている。仮に委員が「聞いた」と発言したのだとしたら、それをわざわざ「投げつけられた」とメモするであろうか。もちろん、人間の認知や記憶はあてにならないので、実際には「聞いた」と発言していた可能性もゼロではない。しかし、その可能性が極めて低いことは、多くの方にお分かりいただけると思う。
IRISでは念の為、当該部分の録音データについて行政文書開示請求を行った。各地の事例によると、会議録作成のために事務局が会議を録音したデータも行政文書に該当するようなので、すでに消去されていない限り、公開はされるものと思う。
録音データが公開されない段階でも、IRISとしては「投げつけられた」という発言があったものとして話を進めるが、ではこれを「聞いた」と書き換えるのは何も問題ないのであろうか。
愛知県教育委員会会議規則(13条1項5号)によると、会議録には「議題及び議事の要旨」を記載することになっている。「投げつけられた」を「聞いた」に書き換えることが、「要旨」を記載するとする本規定の趣旨から外れることはないのか、検証が必要である。
書き換えの是非とともに、誰の判断で、何の目的で書き換えられたのかという事実もまた明らかにしていかなければならない。
(2022.4.18追記)
県教委事務局に問い合わせたところ、「投げつけられた」という発言はあったという回答がありました。事実が確認できましたので、行政文書開示請求は取り下げました。
回答の中では、規則には違反しないとの見解も示されました。誰の判断で、何の目的でという部分については言及がありませんでした。