入院経験 その3
こんにちは。
今日は私の3回目の入院経験を振り返りたいと思います。
3回目の入院はなんと新婚旅行中のことでした。
幸いなことに不調は私のみでパートナーはずっと元気でした。
二人で共倒れだったら目も当てられなかったと思います。
本当に幸いでした。
体調不良の原因は、結果不明でした。
病院での診断(尿、血液検査)からも自分で振り返っても
何が原因だったのか結局ピンポイントでの原因はわからなかったけれど、
おそらくは色々な理由で疲れていたのだと思います。
不調の原因
個人的な振り返りでは気温、湿度、時差からの免疫低下が
大きな理由だったのかなと思います。
当時住んでいた米国東海岸からヨーロッパのとある国に向かいました。
その国の首都で数日滞在、列車で北部のとある街に移動し一泊二日、
首都に戻ってもう数泊して、米国へ帰国。
宿泊先、移動手段、食事、観光先と全て自分達で計画、手配した
約1週間位の個人旅行。美術館巡りを中心に街中の散歩と食事を楽しんで、
という比較的のんびりしたスケジュールでした。
一方で季節は感謝祭の連休の11月下旬。
その国は私達が住んでいた場所よりも緯度の高い場所にあり、
気温は既に冬並みの気温に下がり始めていました。
湿度も低い乾燥した季節でした。
時差もありました。
土地勘もない慣れない場所での旅行。
気温も湿度も低く時差もあり。
体も疲れてきていたのかもしれません。
不調が始まったのは旅行の終盤、帰国予定2日前の夜、突然でした。
不調 第1波
突然の嘔吐と下痢と寒気と。
それはそれは上も下も忙しく救急外来には行けそうにない程の不調でした。
解熱剤を飲んだか否かの記憶は曖昧ですが、飲んたところで
上から出る方が早かったと思います。
数時間お手洗いを独り占めしながら、治る気配のない症状に
不安と焦りを感じ、パートナーに往診を受けられないか相談。
有難いことに保険診療で個人で往診してくださる医師の方が
近くで見つかり来ていただくことができました。
何とも不思議なことで、その先生が来る少し前に
何故だか一旦私の症状が落ち着きました。
第一次の不調の波が若干落ち着いたのでした。
数時間の不調症状を説明したところ、検査キットがないから
細かな診断はできないけれど、おそらく何かしらのウィルスだと思う、
体の外へウィルスを出しきる為にも水分をたくさん取ること、
胃腸系の不調の一押しは常温の「オリジナルのコーラ」がいいと
言われました。ダイエットコーラじゃなくて
“Traditional & Original COKE”だよと念押しされました。
コ、コーラ、、、がお薦めですか、、、
何か薬をいただけるのかと期待していた私は拍子抜けでした。
一方で、医師のお薦めです。翌朝一番に夫は近くのお店数軒を巡って
“Traditional & Original COKE”を数本買ってきてくれました。
(これはその後、米国に戻ってからも折に触れ聞いたことでした。
胃腸系の不調時には“Traditional & Original COKE”
ペプシ、ダイエットコークではなくて。その中の何かの成分が
効くらしいのですが、個人的には不調時に積極的にコーラを
口にする気にはなれません、、、)
半日様子をみながら常温にして少量づつ飲みました。
少し落ち着いたような気もしたけれど
米国に戻れるようないい方向への回復傾向は感じられませんでした。
ERへ
偶然ですが、ホテルから徒歩数分の場所にAmerican Hospitalがありました。
英語圏でない場所で英語が通じる病院。しかもERもある。
ついてる!!と思い、運転手さんに嫌な顔をされながらも
ホテルから車で数十秒の場所にあるAmerican Hospitalに向かいました。
期待通り英語は通じました。その当時はまだまだ英語の医療用語も
わからなかったのですが、有難いことにパートナーの会社から
赴任時に支給された
「外国で病気になったとき、あなたを救う本」The Japan Timesを
携帯していたため、その本を見ながら自分の不調をどうにかこうにか
英語で説明しました。
一応尿検査や血液検査もしてはくれたのですが、
おそらくそこまで詳しい検査ではなかったと記憶しています。
丁度熱も若干下がっており、血液数値的にとりわけ何かが
問題と言う事は無いから、とりあえず帰って様子を見てと。
ビタミン剤的なサプリのようなものを処方されました。
不調 第2波
翌日は帰国する予定だったのですが、昨晩の不調とその時点での
体調を考えると、長時間の国際便に乗れる気がしませんでした。
大変申し訳ないけれども、ホテルの延泊とフライトの変更を
パートナーにお願いし、会社にもその旨伝えていただき、
休みを数日伸ばしてもらえることになりました。
その時点では不調は一旦落ち着き、徐々に回復傾向に向かっていると
願っていたのですが、何と!突如、第二波がやってきたのです。
それは昨晩の不調以上の大波でした。
前の晩から固形の食事は取れていなかったし、
病院で点滴をしてもらったわけでもなかった為、
エネルギー源が体になかった為か、
あーもう、、、ダメかも、、、と思うくらいの不調でした。
ホテルのトイレを占領しながら考えました。
大げさではなく、人生で初めてもうダメかも、、、とも感じました。
新婚旅行中だけれど、日本にいるお互いの家族に連絡して
何か挨拶をしたほうがいいのだろうかと思う位の不調でした。
もう一度病院に行こうかと思いましたが、数時間前に検査をして
そこまで悪い数字じゃないからとも言われたし、
どうしたもんだろうと思いながら、どうにもならない
不調に頭を悩ませながらお手洗いでもがいていました。
部屋ではパートナーがホテルのフロント、航空会社、
アメリカの事務所にとずっと電話で連絡し続けてくれています。
どうしよう、、、既に色々と大変な状態だけれど、
どうしよう、、、どうにもこうにも具合が悪すぎる、、、。
再びERへ
しばらく様子をみましたが、やっぱりもうダメだと思い、
パートナーにもう一度近くのAmerican Hospitalに
一緒に行ってもらうことにしました。
タクシーの運転手さんにはまたまた嫌がられましたが、
歩いて向かえる気は全くしませんでした。
病院側も又来たの??という対応でしたが、とてもとても具合が悪いと言うことを伝え、
再度検査してもらうことになりました。先程と検査項目が違ったのか
この数値は大変!即入院して!即点滴!となりました。
数時間前の検査はなんだったのかしら、、、
既に前回の受診時も私的には不調だったけれど、そうは見えなかったのか
どうも細かな検査はしてもらえていなかったようでした。
原因はわからないけれども、とりあえずは安全な場所にいると
言う安心感を感じられ少しほっとしました。
結局原因の究明はされず、何かの胃腸系ウイルスであろうという見立てで
後は体の外に出ていくのを待つのみ的な医師からのコメントと診断でした。
ER退院→帰宅
翌日のお昼過ぎごろ体調もずいぶん落ち着き退院することができました。
退院後は嘔吐は止まったものの、軽い下痢症状はその後もしばらく続いていました。
退院から2日後に便を確定できようやく無事米国に帰国の途へ。
フライト変更もホテル延泊も不測の事態&予期せぬ出費で
既に予算越えでしたが何とか無事で何よりでした。
米国への国際線でもフラフラながらも食事は取らず液体だけで過ごしました。
フライトアテンダントさんに食事は何も要らない旨伝えたところ
かなり怪訝な顔されましたが、人の顔色を伺っている暇はありません。
固形物を口にして万が一下痢がひどくなったら、ずっと飛行機のトイレに
篭ることに。家に帰るまではとりあえずは液体だけが安全だと思いました。
ただただ自分の家に帰りたい、自分のベッドで横になることを想像しながら
早く帰りた〜い!早く家に着いて!!と願っていました。
乗り換えもあり時間もかかりましたが、無事家に到着。
幸いにもその後は徐々に回復し、米国でフォローアップを受ける必要もなく
普段の食事、生活に戻ることができました。
振り返ってもあれは本当に何だったのか、、、
感謝
パートナーの協力と不測・予期せぬ事態への対応力、
辛抱、動じない力には今振り返っても心から感謝です。
不調の最中は私がこんなにも苦しんでいるその横で、
広いベッドで一人、すやすや、ぐっすりと眠れるって何なのよ!
とも思いもしましたが、異国の地で共倒れになる方が
もっともっと大変だったと思います。
一般的にはロマンチックであろう新婚旅行中に
突然の不測の事態発生(しかも胃腸系の不調)でも
呆れることもなく、変に焦ることもなく、
過度に感情的、感傷的になることもなく。
又、私の焦りや不安や感情に押し流されることなく。
ただただ落ち着いて冷静に目の前の課題解決に向けて
対応してくれてありがたかったです。
その時には突然の不調であまりに焦りすぎて
パートナーの冷静さを有難いとは思えなかったけれど
今こうして振り返ってみると、その先に待っていた
私達の家族生活におけるパートナーの姿勢を示唆していた
貴重な旅行だったのかなと思いました。
わかりやすい共感は短期的な安堵を感じられる一方で
儚いものかもしれません。
感情の波にお互いが流されてしまうと冷静な判断を見誤ることも。
瞬間的には冷たく感じられる対応も中長期的視点で見ると
その冷静さが課題解決に向かう建設的な視点・姿勢であることも。
お互いのへの共感と境界線のバランスは軸を持った柔軟性を求められる難しい取り組みだと思います。
課題があっても同じ方向を向いて進んでいく冷静さや覚悟と
万能ではないけれどお互いに有能であることを
互いに認め合う眼差しを持ち続けることが
中長期的なお互いの安心感・信頼感に繋がっているのかもしれないなと思いました。
今日も最後までお読みくださりありがとうございました。