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米国、赤信号で曲がる時は、、、

こんにちは。

今日はアメリカでの車の運転に関する思い出話の共有です。

赤信号で、、、

それはアメリカでESLのクラスに通い始め2ヶ月位経った頃のことだと記憶しています。同じクラスの中にアジア出身の1つ年上の女性がいました。ESLクラスあるあるだと思うのですが、同じ地域、似た言語の生徒達同士の方が、遠く離れた地域、言語の生徒よりも英語でコミュニケーション取りやすいこともあり、又、年齢も近かった為、彼女とはクラス内だけでなく、クラスの外でもおしゃべりしたり、食事に行ったりすることもありました。お互いに英語をペラペラと喋れるわけではなかったけれど、同じ位の速さ語彙力と英語レベルで、理解できるところもそうでないところも似ていました。お互いに心地良かったのだと思います。

(実は後々知ったことですが、彼女のパートナーは日本人で、彼女は母国語、英語の他に日本語もお話しできたのですが、私と出会ったのがESLクラスだったこともあり、英語の練習の為にも私と話す時はいつも英語でした。私も英語の練習をしたかったので、彼女が日本語を話せると分かってからもいつも英語で話していました。)

午前中のクラスが終わり、お昼を食べに行こうと言うことになりました。
1台に乗って行く方が便利だねと言うことになり、
私が彼女の車に乗せてもらうことになりました。

とある信号でのことです。
彼女の運転する車は左折する必要がありました。
信号は赤。

アメリカは日本やイギリスとは異なり、左ハンドルで右側走行です。
右側走行の為、赤信号であっても規制がなければ一時停止をして
右折することができます。これは右側走行ならではの独特のルールだと
思います。何レーンもある大きな交差点では、赤信号時の右折禁止、
もしくは時間帯で右折禁止の規制のある場所もありますが、
赤信号でも一時停止後、右折できる場所が多くあります。

と、その信号は赤だったので、彼女は一時停止しました。
私達の行きたい方向は左、左折です。

彼女は「赤信号でも曲がってもいいんだよね、便利よね!」

と言いながらヒューっと赤信号を「左折」したのです。

赤信号で左折?右折?

え!?赤信号で曲がっていいのは「右折」じゃなかった??

と私は思ったのですが、この時点では私自身も
まだ米国運転免許証は取得していませんでした。

彼女も私も免許取得に向けて勉強中の身で、その時の車中でも
免許取得の為の学習進捗具体をお互いにシェアし合っていました。

Pedestrians 歩行者を始め、初めてみる英単語も多くあったし、
スクールバスの時間帯、STOPサインが出ている時、
スクールバスのドアが開いている時はバスを追い越してはいけないし、
中央分離帯がない道路では、反対方向の道路側を走る車も、
生徒さん達が乗り降りしている最中は停車しなければならない等、
細かなルールがあり、右ハンドル左走行から左ハンドル右走行の
大変さだけでなく、州の道路交通法に定められているルールを
学ぶことはなかなか大変なことでした。
今でさえ写真を使ってのGoogle 翻訳等もありますが、
約15年前の当時はそういったものはなく、
彼女も私も単語帳を使いながら意味調べをしながら
米国免許を取得するべくルールを学んでいました。

(彼女も私も日本の運転免許証を持っており、
 それで国際免許を作っていたので、米国で運転すること自体に
 問題はありませんでした。決まりとしては居住開始後3ヶ月から
 半年以内に米国免許を取ることとなっていましたが、
 そこまで厳格に確認されることはなく、努力目標的な感じで
 国際免許で運転していました。)

話を赤信号に戻します。

彼女は真面目で努力家だったので、しっかり学習していたはずですが、
おそらく一番肝心な「右折」だったか、「左折」だったかを
ついついうっかり忘れてしまっていたんだと思います。

うっかり。

一方で私は、赤信号でも右折なら大丈夫な場所もあるということ
米国生活を初めて比較的初めに覚えていましたし、
動線的に考えても赤信号で左折はないだろうと思っていました。

が、私も米国免許は未取得でしたし、
赤信号で曲がっていいのは右折だけよ!と
言える確証がその時いまいち持てませんでした。

今だったら音声検索で赤信号は左折可?右折可?と聞くことも、
何だったら自動で運転制御がかかるかもしれない時代ですが、
約15年前はそのようなものはまだありませんでした。

幸いなことにその瞬間は前後左右近くに車が走っていなかったし
警察車も近くになかったため、何も起こらず、
無事に赤信号を左折し学校に戻ることができました。

赤信号で曲がれるのは右折

学校終了後、家に帰るまでの道中、
赤信号、左折か右折か問題が気になって気になって
家に帰っていの一番に交通ルール本を確認しました。

なんとやはり赤信号「右折」のみ可能でした。

動線を考えても赤信号で左折したら危ないよねと思うのですが、
私達が左折した道路は、裏道で車の少ない場所だったので
良くも悪くも左折できたのでした。本当に本当に幸いでした。
事故もなく、違反切符を切られることもなく、
何のお咎めもなく、誰も怪我もなく2人とも無事で
本当に本当に幸いでした。

翌日は週末で、彼女に赤信号右折のみだよとリマインドするタイミングはなく
その後その話題をする事はありませんでした。
一方で、彼女も私もその後無事に米国の運転免許を取得することができました。

その道は普段よく通る道ではなかったのですが、
稀にその道を通る時は決まって
その時のモヤモヤとハラハラを
笑いながら思い出しました。

赤信号で曲がる時は(徐行ではなく)しっかり、ゆっくり「一時停止」。
そして曲がる「方向も」充分慎重に気をつけて!
その後も自分自身に常に言い聞かせていたことです。

生活も長くなると車の違反切符をもらうかもしれない可能性は高くなり、
どんなに注意して運転していても、警察に停められるだけではなく、
信号の上に付けられているカメラで証拠写真を撮られ
郵便で違反金を請求されることもあるようですが、
本当に本当に幸いなことに、私は約15年以上の米国生活中、
一度も違反切符をもらうことも、事故もなく、
本帰国まで無事に無事故、無違反で過ごすことができました。

それは、あの時の彼女との赤信号「左折」の経験と思い出が
あったからなのかなとも思います。

自分は覚えているけれど、相手は覚えていない、
逆も然りで、
相手は覚えているけれど、自分は覚えていないような
出来事や記憶は数えきれないくらい沢山あると思います。

ほんの一瞬の出来事だったし、彼女がその時のことを
覚えているとは思わないけれど、
私は15年以上経った今でもよく覚えている
何ともハラハラ、ドキドキした米国での運転にまつわる
大事な思い出の一つです。

そして、英語がまだまだ思うように話せなかった中、
限られた単語を何とか使いながらも学ぶことを楽しく感じられる、
お互いに励まし合いながら学び合える友人に出会えたことを
ありがたく思う思い出の一コマでもあります。

今日も最後までお読みくださりありがとうございました。

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