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いりけんてきMBAージョブ型のキャリア

先日学校のイベントで少しお話しさせて頂く機会があったのですが、その中でキャリアの事に関して少しお話しさせて頂いたところ、かなり反応がよかったみたいなのでその内容の一部をご紹介させて頂きます。

基本となるメンバーシップ型キャリア

ジョブ型の対義語となるメンバーシップ型の整理から始めるのがいいかと思いますが、メンバーシップ型は簡単に言うと日本従来の雇用体系で、一括採用して社内でいろんな職務・経験を積み、その会社のジェネラリストとして長期的にその会社を支えていく、終身雇用を前提とした雇用形態です。(私にはもう合わない雇用形態です)

ジョブ型のキャリアとは

一方、今回のお題であるジョブ型は特定の職務に特化した雇用形態で、営業やマーケティング、経理などそれぞれの分野のスペシャリストが集まって会社を運営していく形態です。メンバーシップ型と比べて人材の流動性が大きいですが、その反面常に最新の経験や自社内だけでは育成することの出来ない経験を持った人材が入ってくるいい面があります。

最近の傾向は?

コロナ禍の2020年から新聞などでいろんな記事が報道されるようになってきているようですが、経団連の中西会長が「1つの会社でキャリアを積んでいく日本型の雇用を見直すべき」と提言されたことも注目され始めた大きなきっかけだと思います。また、MBAの講義でもよく「これからはジョブ型だ!」などと言われるのですが、正直なところ、終身雇用が当たり前の日本の人たちにはなかなかピンとこないのが本音の所じゃないでしょうか。
方や私自身はここ20年ぐらいずっとジョブ型でキャリアを積んできたので、自分にとっては普通のことすぎてジョブ型とは何のことを言っているのかよくわからなかったのですが、MBAに通っている中で学友と話していると、私はちょっと変わった経歴なんだと言うことに気がつきました。

因みに海外では?

私はニュージーランド企業とデンマーク企業、日本の外資系企業しか知りませんが先の企業はほぼ全員ジョブ型です。以前に勤務していた某航空会社では、1万人以上いる従業員の中で新卒から20年以上働いている人は数名(多分1名だけだと思いますが、私の知らない人もいるかもしれないので数名としておきます)で、本社のスタッフの社歴は平均5年ほどで、長くても10年ぐらいです。デンマーク人も6-7回転職するのが平均とされており、今の会社の人事部長もデンマーク>ドイツ>アメリカ>メキシコ>ニュージーランド>デンマークと人事畑だけで世界をわたりあるいており、私の大家さんに至っては、工場の品質管理の仕事でありながらデンマークのビールメーカー>デンマークの造船コンサル>オランダの造船コンサル>日本の造船>韓国の造船>中国の造船と渡り歩き、今はスペインで悠々自適のリタイヤ生活を送ってらっしゃいます。「いりけんはデジタルマーケティングと特殊な領域だから、Job型が出来るんじゃない?」とよく言われますが、実はデジマとかは関係なく、海外ではその専門分野を磨き上げることにより転職はもとより海外転職も日常的に行われています。

ジョブ型キャリアの私の経歴

で、以下が私の経歴です。改めて整理してみると十数回転職しており、2019年にMBAに入学してから4社も経験しています!これにはいろんな背景があるのですが、まあ言い訳にしか聞こえないのであえて弁明はしませんが。。

職歴

なんだかんだと転職を重ねたおかげで、今まで夢でしかなかったヨーロッパに移住することが出来たのは、自分の中では今のところは上出来だと思っています。

どうすればジョブ型になれる?

では、どうすればジョブ型になれるのでしょうか。これはあくまでも私の経験に基づいた私見でしかないのですが、ざくっと項目を挙げると以下の項目ではないかと思っています。

常に自分のマーケット価値を把握しておくこと
私がよくやったのは求人情報を常に確認して、自分のスキルと希望する職種がどれぐらいマッチしているのか、そのジョブ(仕事)がどれぐらいの給与レンジなのか、自分が望む給与を得るのはどのようなスキルが必要なのか、等々を常に意識していました。
私の職種でいうと、デジマの経験に加えフィンテックやRPA(ロボットテクノロジー)の業種などがはやっていたり、スタッフマネジメント経験や英語、MBAホルダーなどが価値が上がりやすいなどありました。(不純な動機ですが、MBAに通いだしたのはココの理由がかなり大きいです)

定期的にジョブインタビューを受け、客観的な自分の価値を測りながら、いつか来るXデー(本番面接)に備えていた
バッティングセンターでいくら練習していても、本番のバッターボックスに立ったときの緊張感は全然違ったり、ゴルフの打ちっぱなしに100回行っても本コースの自然環境の感覚は全然掴めないのと同じように、本番に近い環境でトレーニングを積まないと、本当に勝ちたいと言うときに100%の力を発揮することはほぼ無理だと思います。
そのため私はおおよそ四半期毎に(行く気が無くても)ジョブインタビュー受け本番に備えていました。ジョブインタビューを受けてさらにいいことには
- 自分の優劣を辛辣に評価してもらえる(落ちると精神的ダメージでかいですが、それが自分の実力=客観的な評価です)。
- さらに英語の面接ならまさに瞬発力を問われる緊張感の高い、めちゃくちゃ生きた英語のトレーニングになる。お金払ってぬるーい英会話学校に行くのが馬鹿らしくなります。
- その英語面接のための準備、英語履歴書を用意することにより、英語ライティングの向上にもなる(特殊なフレーズですが・・)。私の場合は定期的に米・英・豪のネイティブチェックを入れ、自分に合った言い回しなどを習得し、私の英文履歴書は100種類を超えました。

これらを日常続けることにより、いつでもバッターボックスに立ててフルスイングする準備が出来ていました。
行く気が無くてアプライしても、書類で落とされることは山ほどありますし、行く気はないものの万事準備して面接したあげく落とされると精神的ダメージもかなりあるのですが、実際に面接の中で受かるのは100人の候補者の中で一人しかいないと考えると面接に落ちるのは自然なことで、そのときの精神的ダメージになれておく、気持ちを切り替えて次につなげる経験も大事なんじゃないかと思います。

賛否両論あると思いますが・・・

私のキャリア形成やプロセスについて賛否両論あるのは重々承知していますが(特に親からは全く理解を得られていない)、こういう例もあるんだと言うことも頭の片隅に入れながら、一人でも多くの方がどんどんチャレンジして私以上にいろんな世界を切り開いて頂けたらなと願っています。

最近はキャリアに関してのご相談を受けることも増えてきているのですが、もしモヤモヤ感のお持ちの方がいらっしゃれば、いつでもご相談に乗らせてください!たいしたお話は出来ないかもしれませんが、こんな私がお話をお伺いするだけでも気分が晴れるかもしれませんので。


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