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いりけんてきMBA―ペルソナづくり/第3回

前回から少し時間が開いてしまいました。最低週1ペースは守ろうと思っていたのですが、想定外のことが起こってしまいアタフタしておりました。この件はまた後日にご報告します。さて、今回はペルソナ作りの最終章、私も含めたみんな手探りの中どうやってまとめていったかを忘れないうちに残しておきます。

以前にも記しましたが、私が着任してからちょー忙しかったBlack Friday Saleの期間以外ほぼ毎日、朝30分全員で戦略立案をかねたミーティングをみんなでやっています。戦略立案と聞くとたいそうな感じに聞こえますが、Day1から心がけているフレームワークに沿った戦略策定を私や経営者だけでなく、現場に携わっているみんなの意見を聞きながら全員参加で組み立てていくとみんなの納得感が全然違うのではないか?という私の仮説から始まっており、実際は和気藹々とブレインストーミングみたいな感じでやっています。
また1回30分という時間も短いように聞こえるかもしれませんが、この短い時間のおかげで論点を絞って集中的に議論を進める事ができ、また話が煮詰まったときにはすぐ時間切れになりその場は終了、翌日に持ち越してリフレッシュした気持ちで議論を再開することができます。今回のペルソナ作りはその流れがまさに具現化できた内の一つでした。

ペルソナセッション1:みんな手探り

私自身も手探りの中で始めたファーストセッション、チーム全員からどんな顧客が購買してくれているのか自分が持っている知識、情報、思いなど聞きながらを一気に板書していくことから始めました。
確かこのファーストセッションは私が着任して1週間経つかどうかという時期だったので、みんなからすると「このおっさん誰やねん」という気持ちも少なからずあったのではないかと思います。
またこのような作業を初めてやるチームメンバーも少なからずいるようで、お互い様子見であったりどこか遠慮しあったりなど、会話がなかなか暖まりませんでしたが、初回と言うことでリスクフリーで自由に発言してもらう事にみんなが慣れることを心がけました。
で、そこで出てきた項目は以下のような感じです。(実際の内容とは中身を変えています)
- 女性が多い。特に30-40代の女性が多そう
- 高級ファッション系のインスタを見て買ってくれる人が多い
- 女子高生も多い
- YouTubeからの流入が多い
- スーツのキャリアウーマン
- オタク系・ゲーマー系の男性もいるのではないか

粒度はかなり荒いですが、全員発言するという目的は達成できたところで時間終了。みんなでの初めてのブレストとしては、かなり意義があったと思います。

ペルソナセッション2:定性と定量で会話しましょう

数日後に行ったペルソナ・セカンドセッションは、主に前回上がった項目を再検証。「”多い”とか、”売れている”とかでてきたけど、それって本当なの?手元にあるデータをみながら検証しましょう」、という角度から話を進めました。
私自身も往々にしてありがちなのですが、自分が関わっている業務に関しては思い入れが強くなりがちで、どうしても「よく売れている」とか「効果を発揮している」とかザックとした感覚値で話がちになるのですが、じゃあ全体を俯瞰してみたときに「本当にそれって売れているの」という検証が必要です。
この作業もまた手探りで、メインで使っているツールがみんな違っていたり(Apple to Appleの比較ができない)、私自身もどのようなツールがあるのか把握し切れていなかったり、とりあえず誰でもわかりそうな年齢・性別データからしてきました。
ある分析ツールでは全チャネルから流入するデータの大まかな年齢や性別、居住地などが示されるのでそれを元にみんなでディスカッション。

- 女性が多いって言っていたけど男性も半分ぐらいいるよね、とか
- 年代別見ると20代、30代、40代、50代、それぞれ均等だよね、等々

ここのあたりをさらに深掘りすべく、「データ示されている内容と、みんなが思っている像に差異があるのはなんでだろう?」という軸で話をすすめてみると、最初はみんな苦しんでいたものの、発言が今まですくなかったメンバーから、「こういう事例がxx件ほどありました」とか、「お客様のレビューからはxxxという内容のコメントが月に数件は見られるので、全体の率から考えると男性が女性にプレゼントしてる可能性が高そうです」などと、「え、なんで今まで黙っていたの!?」というぐらい積極的に発言を重ねるようになった時点で本日の時間終了。
少しずつですが定量でも会話できるようになってきたし、今日の所は大満足。ただ、ペルソナの粒度としては荒いので、ペルソナ作りは一端おいて別の作業を進め、しばらくの間はみんなの積極的な発言を伸ばすように努めました。

ペルソナセッション3:ついにできたペルソナ!

試行錯誤の中進めてきたペルソナ作り。1週間ほどこの作業から遠ざかっている間にマーケティングファネルの再整理や、特定製品のポジショニングマップ、ブランディング等々、ちょっと違う事を進めながらタイミングを見計らっていました。

で、そのポジショニングマップを作る上で特定製品のターゲット像(こちらはあくまでも製品コンセプトでありペルソナとは少し異なります)を話しだしたら、みんなのアイディアが止まりません。しかもペルソナのファーストセッションとは違ってかなり精度高くみんな同じ画を思い描いているのを感じ取ることができました。
機は熟したとばかりに、その翌日にペルソナセッション3をやったところ、かなーり鮮明なペルソナが30分のセッションで出来てしまいました!
外部のYahoo UKの人からも「納得感が満載!」とのコメントを頂いたほどの素晴らしいできなのでここでもお披露目したいのですが、弊社の明確な購買像なのであくまでも社外秘と言うことでお許しください。もしご興味がおありの方いらっしゃれば、どこかの居酒屋でハイボールとバーターで。

ペルソナがあってよかったこと

いやぁ、この作業はやってよかった。チームのみんなでやってよかったと本当に心から思います。みんなで作り上げたので全員が共通認識持っているし、それより何よりチームメンバーのみんなが積極的に発言しだすなど、みんなの気持ちやモチベーションが変わりつつあるのを感じています。

またペルソナ本来の顧客像がはっきりすると、例えばキャンペーンで何かプレゼントをつけようなどと話をする際、以前は完全な個人のアイディアベースで空中戦の話となり何のまとまりもなかったのですが、今では「この顧客像の気持ちになると、○○は興味関心が上がるけどxxは逆効果になる」といういレベルでの会話が出来ています。さらに、例えばクレジットカード会社とのプロモーションでも、この顧客像なら楽天カードではなく、またAMEXのゴールド以上でも無く、絶対にAMEXのグリーン保有者が対象など、かなり突っ込んだ会話が同じ熱量で出来るようになります。

ペルソナ作りはこれで一端終了。次はこれをファネルを組み合わせてマーケティング戦略作りだな。

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