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オランダで、論理的思考を育む子ども向けのディベート教室始めました
先日、「国語のワークショップ」なるものを始めた事をお伝えしました。
この教室を始めたのは娘の日本語教育が大きなきっかけですが、実はもう一つのきっかけがありました。
子供たちにクリティカル・シンキングを教えたい
クリティカル・シンキング、略してクリシン。日本語では批判的思考。
MBA時代に嫌というほどたたき込まれ、目からうろこがこぼれ落ちた講義の一つでもあります。
それを子供に教えたいと思ったきっかけは、去年8月にスイスのルツェルンを旅行しているときに目にしたこの記事です。
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そもそも私達が海外にいる理由の一つが、日本の受験至上主義の教育に大きな疑問を持っているから。
旅行中に私はこの記事はどハマりして、「自由な発想を育んでいる海外の日本人子供たちにクリシン教えれば、日本の規格にハマらない面白い子供たちを育成できるんじゃない??」と考え始めました。
旅行から戻った後、手探りでいろんな手法を試してわが娘に教えようとしたのですが、なかなかうまくいきませんでした。
一年間模索して分かったことは、自分が学んだクリシンをそのまま教えるのではなく、子供が楽しみながら論理的思考・批判的思考を学べるようにするカリキュラムが必要な事、また、ある程度の日本語力(特に語彙力・表現力・思考力)が必要なことでした。
また、この過程で「もしかしたら娘の日本語力は、日本を出た時点から止まっているのでは??」と言うことにも気付きました。
娘の友だちとの他愛もない会話からの気付き
そんなこんなで色々模索している中、娘の友だち家族と中華を食べているときに、なにかのきっかけでディベートの話題が会話にのぼり、子供たちが「私達、ディベートやりたい!!」といいだしたため、なにかの教材で見た「朝ご飯はパンがいいか、ご飯がいいか」のお題を与えたところ、予想以上に白熱して議論し始めました。
このときは議論というよりは、お互い自分の意見をぶつけ合うだけの発言大会でしたが、ディベートに対して子供たちは何らかの熱量を持っているのを感じ、酔った勢いで「じゃあ教室やりましょう」と無責任な提案をし、その宴を終えました。
恐らく私以外の皆は、”酔った席での社交的な話”と聞き流していたと思いますが、酔った勢いで放った「ディベート教室」の可能性を探ってみると、ディベートは論理的思考やクリシンとかなりシンクロしている。
子供たちにクリシン教えるには、MBAで学んだ事をそのまま教えるのではなく、子ども達が楽しめるディベートから入るのがいいかも・・・と考え出しました。
ディベートやるのなら語彙増やさないと議論にならないし、娘の日本語もなんだか不安だし、ディベートやるやらないにかかわらず、彼女の日本語力伸ばさないとまずいなぁなどといろんな事でモヤモヤしている中、たまたまいろんなタイミングが重なって「国語のワークショップ」を開講したのは前回書いたとおりです。
ディベート教室の開講
8月に「国語のワークショップ」を開講し、子ども達の学力や性格もなんとなく見えてきた11月に、日本全国の生徒も受ける「読書指数®診断」テストを実施。
「読書指数®診断」は子どもの国語力や語彙力が数値化でき、客観的な現在地を知ることができるため、テスト終了後の速報値をみて「多分中学生以上のお子さまならディベートができるんじゃないか」と確信。
早速、中学生以上のお子さまにお声掛けして「ディベート教室」を12月6日に開講しました!
初日はめっちゃ緊張しましたが、想像以上に子ども達も白熱!
何人かのお子さまから「このディベート続けてたら日本語力めっちゃ上がるじゃん!!」とのコメントも頂き、ひとまず初日は大成功!
23年8月に考え始めた、「欧州の子ども達にクリティカル・シンキングを教える」夢が、一歩進み出しました。