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昨日の、WBCの準決勝戦は凄かったですね!!
村神様の劇的なサヨナラヒットで、見事に勝利しましたJAPAN!!

ぼくは、すごく野球にうるさいので、我が家では野球を見せてもらえません(笑)
昨日は、リアルタイムでは見れませんでしたが、ニュースや動画などで、その様子を拝見しました。

選手を信頼した栗山監督の采配も見事に的中していますね!
不振のなかでも、こうして素晴らしい結果を出す村上選手。
とんでもないスピードで逆転のホームインをした代走の周東選手。

結果として最高のカタチになったわけですが、
それには様々な葛藤があったと思います。
この興奮の中に、どれだけ素晴らしかったかを、解説させてください。

事後のニュースは、結果論的なものですが、
それに至るまでには色んな迷いがあります。
悪い結果になっていれば非難されるでしょう。

そのひとつが、『送りバント』の選択です。
冒頭のバントのシーンは、Tome館長|noteさんの作品を使用させていただいています。ありがとうございます。


①村上の『送りバント』の選択

最終回の攻撃。
先頭バッターの大谷が出塁しました!
抜けていない右中間の当たりで、二塁まで進んだのは、とても素晴らしかったですね。あの場面は、二塁へ行くのを躊躇してしまうこともありますが、ナイス判断でした。

続く好調の四番吉田。
きっちり四球を選んで、出塁します。
敵チームからすると、ランナー2塁にいるので、1本のヒットで、ホームインされる可能性もあります。
好調だっただけに、甘いコースで勝負できなかったのもあったと思います。

次はお前だぞ、って吉田選手が村上選手を指さしたように思います。

さぁ、ノーアウト1・2塁。
1点差を追いかけています。

ここで、セオリーは、
『送りバント』です。

アウトを1つ献上してでも、
2・3塁にランナーを進めて、
2アウト目、3アウト目の2回のチャンスで、1本のヒットやエラーがあれば、大逆転の可能性になります。

また、3塁にランナーが進むことで、
内野ゴロや、外野への犠牲フライ、キャッチャーのパスボールなどで、同点にするチャンスは各段に広がります。

調子の上がっていない村上選手。
送りバントはセオリーだったと思います。

しかし、栗山監督は、普通に打たせることを選択しました。
このチョイスが、結果的に劇的な勝利を呼び込みました。



②打つことを選択したリスク

送りバントを選択せずに、見事な結果となりましたが、もう少し色んなパターンを考えてみます。

センターの左側を越えて、抜けていきましたが、
もう少し打球が弱く、センターフライだったとしたらどうでしょう?

2塁ランナーは3塁へ進めたかどうか・・。
1アウト1・2塁のままだったかもしれません。
逆転まではそうとう厳しくなります。

打球がもう少し低く、ショートゴロだったらどうでしょう?
ダブルプレーで、一気に2アウトになります。

打つことをチョイスすることは、こうしたデメリットも背負うことになります。

そこでよくやるのは『進塁打』というものです。
2塁ランナーが3塁に進めれるように、
また、ダブルプレーにならないように、右方向に打ちます。

ゴロなら、一・二塁間の深め。
打球が上がるなら、ライトフライ。
タッチアップで、3塁へ進塁できます。

ただ、これはとっても難しいです。
強い打球で、ファーストやセカンドが取った際には、ダブルプレーになってしまう可能性があります。

結果的には、どちらかというと、左方向。
結果を恐れず、自分のバッティングをした村神様に軍配が上がりました。


③送りバントでのリスク

では、送りバントだった場合はどうでしょう?

一般的に、ヒットを打つよりはバントの方が、思ったとおりにいく確率が高いです。
ただ、なかなかバントっていうのは難しいものです。

しっかりとバットに当てて、打球を殺す(弱くする)というものです。

サッカーに例えるならば、
飛んできたボールをそのままボレーシュートするのがヒットを打つようなもので、
バントは、トラップするような感じです。
でも、ちゃんとトラップしないと、トラップして跳ねたボールを敵が奪ってしまいますよね。

つまり、みんなトラップ(バント)じたいはそれなりにできるんだけど、
どこにボールを転がすか、どれだけ打球を制御できるか、というのが課題です。

さぁ、ノーアウト1・2塁のこの場面。
バントは難しいですよ。

3塁はフォースプレー(タッチが要らない。ベースを踏むだけでアウトになる)だからです。

バントの構えを見せれば、ファーストは猛然と前に出てくるでしょう。

3塁に最も遠いファースト側にバントしたいところですが。
右打者なら、ファーストの動きが目に入ります。
バントの構えから、バスターのように打っていく構えもできると思います。

また、右打者のファースト方向のバントは基本で、難易度は低いでしょう。

村神様は左バッター。
ファーストへの弱いバントは難しいかもしれません。
また、相手のプレースタイルからして、思いっきり突っ込んでくる可能性もありますので、ファースト側へのバントのチョイスは厳しいでしょう。

では、3塁側へのバントはどうでしょう?
3塁側のバントの場合は、より、ベースに近づいてしまうので、下手にすると3塁でアウトになってしまう可能性が高いです。

ピッチャー、キャッチャー、サードのうち、誰が取る?ぐらいのところにバントできるのが理想ですが、なかなかそうはいきません。

そこでよく方法が、強いバントをサードに取らせるというものです。
ベースにいる選手がいなくなるわけですから、サードに取らせれば、確実に送りバントは成功します。

しかし、これはリスクが伴います。
ピッチャーに取られれば絶対にアウトです。
ピッチャーは右投げ。
投げ終わった足そのままに、右足をサード側に出してスタートを切ります。


バントもリスクが高いですね。
どうしましょう。

そんななか、
村神様を信じて、打つことをチョイスしました。
凡打に終わって負けてしまったとすれば、
ここでバントを選択しなかったことを非難されたでしょう。

セオリーを恐れず、素晴らしい結果となりました。


④実は、周東のナイスラン!!

センター左の深めのフライになりました。
2塁ランナーの大谷選手は、ハーフエーと言って、
もし捕球体制に入ったのならば、タッチアップの構えをとれるように、中途半端な位置にいます。
抜けそうと判断したときにスタートを切ります。
二刀流の大谷選手。ランナーとしても完璧な走塁でした。こうした細かい技術でもきちんと実行されていてスゴイですね。

そこで注目すべきは1塁ランナーの代走・周東選手です。

問題は、タッチアップするかどうかです。
周東選手ほどのスピードで、あれだけフェンス際のフライを追いかけながら、もし取られたとしても、タッチアップで2塁に進むことができたと思います。
そのためには、1塁ベースに戻っておかねばなりません。
なので、1塁ランナーも、ぼくだったらハーフエーの状態を選択すると思います。そのためには、極めて1塁ベースに近い位置にいると思います。

しかしながら、早めに抜けることを判断して、猛然とホームインしました。
判断がとてつもなく早かったことと、
ある意味、勝負をかけた走塁になりました。

周東選手の走塁での隠れたファインプレーでした。
忍者のように速いスピードだけでなく、そうした気持ちや判断が隠れた好走塁でした。

もっとさかのぼると、
絶好調の4番吉田選手に、代走を出したという判断も大きかったです。
同点どまりで延長戦になった場合に、吉田選手にはいてもらわなくては困りますよね。

よくやるのは、2塁に進んだ時点で代走ということですが、1塁時点から代走を送った判断も勝負を分けた采配でした。


⑤送りバントについて考える

実は、近年の野球の分析では
送りバントはデメリットが多すぎることが分かっています。

1アウトを献上するほど、可能性としては効果がないと言われています。

それならもう1回、ヒットを打つことにチャレンジした方が良いということですね。

しかし、守っている方からすれば、送りバントを決めらえると、とてつもなくプレッシャーがかかります。

ましてや3塁に進まれたのなら、内野は前進守備をとります。
内野の間を抜けやすくなります。

2塁に進まれたのなら、外野は前進守備をとります。
外野の間や後ろにも抜けやすくなります。

バントでランナーを進められることは、
確率論以上に、守備側へのプレッシャーをかけます。

スモールベースボールの日本では、送りバントは美学です。
高校野球や少年野球でも送りバントを選択することは多いです。


自分の責任をかけて、仲間のために、犠牲になってランナーを進める。

走者を信じ、次の打者を信じ。

そんな、とてもかけがえのないプレーです。


これって、集団社会の中、組織のなかでもあることだなって思います。
仲間を信じ、献身的に動くこと。

それぞれのできるプレースタイルで、
それぞれの能力を活かし合って、活躍すること。
与えられたその場所でしっかりと咲くこと。

また、時間軸においての、
これまでとこれから、のような気持ちもあります。
未来へ託していく。繋いでいく。
そんなことにも繋がるのかなと思います。


おっと!!
野球の話になったら長くなってしまいました!!
もうすぐ決勝が始まってしまう!!!


今日も祝日にならんかな・・・。


数時間後の未来に期待して、この記事を終わります。

今日もご覧いただきありがとうございます。


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